01
「おいおい一軒家なんて聞いてないゾォ……」
「……………………はぁ」
俺と雪綺は雪綺の父親(貞春さん)に車で送ってもらった。着いたところには小さな家だった。雪綺は一軒家を見て呆れていた。俺はてっきりマンションの一部屋に住むと思っていたのに、俺の前には小さな家があった。
「あいからわずぶっ飛んでなぁ」
貞春さんはやることが一々規模がデカい。その理由は貞春さんは有名企業の社長だからだ。
「はっはっはっ!どうだい?二人で住むには丁度いい大きさだろう?」
「…パパは限度と言うものを知らないの?」
雪綺は半分諦めた声でそう言った。
「雪綺どうしたんだい?何か不満でもあったか?まさか入学祝いが欲しいとかか?そうかそうかそれならもっと早く言ってくれれば色々なものを用意したんだぞ!それともお金が欲しいのかい?それとも流綺くんが欲しいのかい?」
「入学祝いもお金も欲しくないし流綺はものじゃない!」
雪綺は大きな声で怒鳴った。その大きな声のせいで周りの目がこちらに向いた。
「貞春さん一旦家の中に入りませんか?」
俺は周りの視線が気になったのでそう提案をした。
「お、そうだねいつまでも外にいないで中に入ろうか」
俺たちは貞春さんと家に入った。そして貞春さんに家の案内をしてもらった。家具や電化製品は貞春さんがすでに用意してくれてあった。あとは俺と雪綺が引っ越し業者から運ばれてある荷物を整理すれば引っ越し完了みたいな感じだった。
「貞春さん何から何までありがとうございます」
「いやいやお礼をされる事なんて何もしてないよ。雪綺と流綺くんが楽しく過ごせるようにしようと思っただけだからね」
「ちょっと流綺なんで私と一緒に住む事に納得してるの!?パパ!私は流綺とは一緒に住まないからね!」
「雪綺そんな事言ってないで流綺くんと一緒に荷物を整理してきたらどうだい?」
「話しを逸らさないで!パパは私と流綺が一緒に住んでもいいと思ってるんだろうけど、私は嫌だよ!だって流綺に襲われるかもしれないんだよ?パパはそれでいいの?」
雪綺に俺は襲ってくる危険人物と思われていた事を知って少しショックを受けた。まぁ確かに美少女幼馴染と二人暮らしで理性を保てるかと言われたらわからないが………。
「流綺くんにそんな失礼なこと言わない。私はもう家に帰るから二人で仲良くね。お金は毎月流綺の通帳に振り込むからお金に困ることはないと思うよ。それじゃあ楽しい高校生活を。はっはっはっ!」
貞春さんは笑って家を出て行った。
「雪綺、貞春さんが暴走すると止まらないのは知っているだろ?諦めて荷物の整理をしようぜ」
俺はそう言って自分の部屋に行き約二時間程で荷物の整理が終わった。時計を見ると11時ぐらいなので昼ご飯を作ろうとキッチンに向かった。
「良い料理器具がたくさんあるから何を作ろうか迷うなぁ。あ、まず買い物行かないと………」
嫌な予感が俺は冷蔵庫に何もないことを祈りながら冷蔵庫を開けた。すると、、、何も入ってなかった!俺は静かに歓喜した。
ピーンポーン!
「お届け物でーす」
なにやら業者が来たようだ。俺は猛烈に嫌な予感がした(二度目)俺は急いよくドアを開けた。そこにいたのは二つの段ボールを持った業者の姿があり俺はその段ボールを受け取った。俺はリビングに行き、段ボールの中を確認した。中には調味料が入っていた。そして二つ目の段ボールも開けた。
中には写真が入っていた。それに写っていたのは子供の雪綺と俺だった。
どうしてこんな物が入っているのか驚いたが、他に何が入っているのか気になった。次に取り出したのは、うさちゃん人形だった。
(このウサギの人形俺がプレゼントしたやつだ)
なんでこんなに雪綺に関係あるものばかり入っているのか。それは段ボール裏にあった。裏には『雪綺の思い出』と書いてあった。俺はすぐに写真と人形を戻して蓋を閉じた。
(素直に見た事謝ろう)
本人が知らないとはいえ、人の大事な物を許可なく見た事への罪悪感が押し寄せてきた。
俺は段ボールを持って雪綺の部屋に向かった。
コンコン
「雪綺ー、荷物届いたぞ」
「まだ届いてなかったものあったの?」
ドアを開けひょこっと雪綺が顔を出した。可愛い
「この段ボールが届いたんだ。それで凄く言いにくいんだけど………」
「その段ボールって…………まさか中見た?」
雪綺は顔を赤くしてそう言った。俺はすぐに段ボールを渡して土下座した。
「ほんっとうにすいませんでしたぁ!!なんでもするので許してください!」
「…うんいいよ。そのかわり…相談相手になってよ」
イチャイチャまでもうしばらくお待ちください