4話
…沖縄・西表島
「後50分くらいでログアウトですかね。」
「そんなもんやろね、時間も無いし別行動しよか?」
「そうですね、ではあっちに行きます。」
「おう、纏まってる時は閃光を上空に上げるゆうことで。」
「わかりました。」
2人はその場で別れ別行動する、そこから10分後程度で蒼翼が発見する。
さて周りには、……うん居ないみたいだね。
単体である事を確認して戦闘行動に移る。
接近すると共に衝撃波を雷獣の足元に放つ、気付いたものの地面に放たれた衝撃波で土煙が上がり蒼翼の姿は見えていない。視界を奪ったのを確認し、木の上へ枝を使い登る。5mほど上に来ると身体を上下反転し、太い枝に足場にし登った勢いと枝のしなりを利用して急降下していく。
「捉えた、"衝破・波濤"」
蒼翼の掌底が雷獣を捉える瞬間にしなやかな体捌きと素早い動きでかわされる。
「流石に早い、でも早いじゃまたまだ。速いじゃないと僕には追いつかないかな。」
回避後もその身のこなしからすぐに反撃してくる、鋭い爪で連撃してくる。しかし蒼翼はそれを最小限の動きで回避し続ける。
「そろそろかな。」
連撃が少し緩んだ瞬間、目の前の獲物が消える。すると背後に気配感じ振り向こうとするが、その場に
倒れ込む。既に絶命していたのだった。
「"連技・絶闘"」
あと2体、ドロップの回収していると上空が淡く輝く。
「見つけたようですね、少し時間もかかってますし急ぎますか。」
その場から閃光を打ち上げられた場所に向かう。
それから5分後くらいだろうか、蒼翼が漆黒と落ち合う。
「さて、どうしようか?」
「そうですね、分断してタイマンに持ち込むのが手っ取り早いかと。」
「じゃあ、それでいこうか。後1体はどないしよう?時間的に厳しいで。」
「あぁ、それは大丈夫です。此処に来る前に終わりにしてきましたから」
「流石やな、仕事早いわぁ。なら先制は任せてや、綺麗に分担したる。」
「お願いします、僕は右行きますね。」
「了解。そんじゃあ、"刀技・刃断"」
2体の間に斬撃の形の衝撃波が飛んでいく、蒼翼は攻撃と同時に猛スピードのまま1体を蹴り飛ばしそのまま追いかける。
「お前の相手はワイやで。」
さっきまでの飄々とした態度は何処にいったのか、凄まじい殺気を醸し出す。雷獣も本能的に恐怖を感じたのか震えている。
漆黒は殺気を放ちながら構える、左側が前に出るように斜に向き刀の切先は目の位置になるよう両手で刀を握る。恐怖の我慢が出来なくなった雷獣は右前足を大きく振りかぶり爪を振り下ろす。
「アカンわ、お前0点や」
爪をそっと切先で受け流しながら回転しその遠心力を保ったまま雷獣の首斬り飛ばした。
「うん、完了やな。」
吹き飛んだ雷獣も着地し飛んできた方向に目を向けると既に蒼翼が立っている。
「時間も無いし、終わらせようか。」
警戒もせずに近づいてくる、殺気も覇気も怒気も含まないその雰囲気に気味の悪さを感じて咆哮を上げて威嚇するが、さらに近づいて来る。雷獣は全身から稲妻を迸らせ攻撃するも蒼翼はお構いなしに目の前へ歩んでいく。
「悪いね、雷は効かないんだ。」
雷獣前まで来たかと思うと右の手刀を首目掛けて振ると、雷獣の首が静かに地面へ落ちる。するとクエストクリアの文字が浮かび上がる。
「よし、終わり。時間だしこのままログアウトかな。報告はメールでいいよね。」
そう言うと目の前がブラックアウトしていく。