1話
放課後を知らせるベルが鳴る
昇降口から生徒がぞろぞろと出てきて、部活に行く生徒や帰宅する生徒で溢れてくる。
その中の1人に声をかけると同時に勢いよくボール蹴る生徒が1人。
「おーーーい!かぁーい!!!」
名前を呼ばれた生徒が振り向くと顔面に大きい衝撃と痛みが彼に襲いかかる。少し後ろへ仰け反りながら倒れ言葉にならないのか、悶絶しながらその場で悶えている。
「大丈夫か?」
ボールを蹴った本人は悪びれる様子もなく倒れた生徒に声をかける。すると間もなく倒れた生徒が胸ぐらを掴み声をかける。
「健二君、君はどうして毎日毎日同じ事を?そろそろ僕でも我慢の限界だよ。」
笑顔で言ってはいるが、言葉には凄まじい怒気が含まれている。
「いやいや、試合中ならいつもあの程度のパスは簡単にトラップするだろ?出来ないのはお前がサッカー部に入らないで、練習してないからなまってるんだよ!」
やや逆ギレ気味に言葉を返される。全く反省、いやむしろお前が悪いんだ的に言われてしまう。
「中学卒業と同時にサッカーは終わりだって何回言えば分かるんですか?!バカなの?頭に脳味噌ありますか?1+1は?答えられますか?」
「いや、お前だって毎日同じやり取りしてんじゃん。」
「誰のせいでこうなってるんですかね!なに?スルーでいいの?これからはずっとスルーし続けていいの?」
笑顔を崩さずに怒気を放っていると観念したのか、分かったよと肩を落としながら返事をする。
「なぁ?なんか見つけたのか??別で面白い事?!」
ようやくしつこさが無くなったので、ため息混じりて答えてあげた。
「まぁ、そうだな。今の僕には1番楽しい事だね。ずっと続けられる保証ないけど、でも続けていければイイかな。」
「そうか、ならしょうがねぇな。でも、いつでもいいからな!オレはお前と組んでる時が一番楽しいからよ。」
そう言われた彼は、怒気の混ざった雰囲気は失くなり穏やかな笑顔で手を振り校門出て行った。
....富士山内部・溶岩フィールド
「うわぁぁぁーーー!!!」
「何やってんだ!早く逃げるぞ!!」
「でも、ここで逃げたらクエストが未達成「そんな事言ってられるか!コイツに見つかった時点でアウトだよ!」
「とりあえず脱出だ!そうすれば、回収したアイテムはなくならない!いいな!!」
「「「了解!!!」」」
彼等の後ろには巨大な溶岩の塊が迫っていた。その塊が一瞬眩い光を発した。
「攻撃くるぞ!散開して、回避!!」
そう指示を受けて全員が散ると彼等がいた場所から溶岩が勢いよく噴き出す。
「マズいリーダー、入り口までもたない!」
「諦めんな、あと少しだ!」
しかし、彼等の前を地面が隆起し壁となり阻んでしまう。
終わったと全員が絶望した時、後ろの溶岩の塊が爆発音とともに弾ける。
「え?!」
振り返ると土煙から人影が現れ声をかけけくる。
「大丈夫ですか?」