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後日の裏庭
「ところで、名前は思い出せそうかしら? お二方」
あれからしばらくたった晴れの日。
いつの間にか日課になった裏庭でのお茶会で、めぐりちゃんはわたしと彼に尋ねた。
「うん、たぶんこれで正解だと思う。お待たせ、めぐりちゃん」
わたしは彼と視線を交わす。彼もまた、わたしと同じものを得たようだった。
「わたしの名前は、***。そして彼は、****」
めぐりちゃんは組んでいた腕をほどいた。彼女はすっと立ち上がって、わたしと彼を順番に眺める。その視線にかつてのような威圧感はなく、どこか宝物を見つけた子供のような――前向きな興奮を抑えきれない、きれいな虹色をしていた、
めぐりちゃんは、両腕をわたしたちに差し出した。どうやら握手を促しているようだ。それを感じ取った彼と、それに追随するわたしが手を取ると、屈託のない満面の笑顔で彼女は言うのだった。
「あらためまして、お二方。私の屋敷へようこそ」