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【アニメ2026年7月放送!】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~  作者: ハム男
第14章 暗黒神アマンテと封印された肢体

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第909話 生命球②

 雷神ソヴィの大神殿に雷王を倒したことを報告にきたところ、新たに就任した暗黒騎士になったハンネスと出会った。


「……暗黒騎士プリニッタは自らの務めを果たしたのだ。その思いを尊重するのだな」


「はい、暗黒神様より使命を与えていただいたのに見苦しいものを見せてしまって大変申し訳ありません」


 十数日前に亡くした妻を思い出して涙を流すハンネスに対して明らかに不快そうにイルゼは窘めた。


(妻の死よりも暗黒騎士の役目の方が重いと言いたげだな。実際にそうなんだろう。あと、暗黒騎士は身内が世襲するのかな。死んだら妻や夫が継ぐと)


「我ら暗黒騎士は同格だ。過度に畏まらぬことだな。副暗黒騎士長と暗黒騎士長は言葉使いに気を付けた方が良い」


「はい、そのように気を付けます」


 副長や騎士長と違い役職のない暗黒騎士は10人全員は基本的に同格だとイルゼは言う。


(おお、指導している。年齢的にもイルゼより5歳上だし。ただ、イルゼ同様に鑑定できないな)


『クワトロはハンネスにスキル「鑑定眼」を使ったが失敗しました』


「それで新人の暗黒騎士がコルブラン大陸を任せられたと聞いてゴスカル冒険者ギルド長が困惑していたぞ。ラクスベルが戻らないらしいのだが、何か聞いているか?」


「……詳しくは聞いていませんが、ラクスベルは別の任務が長引いてすぐには戻れそうにないとのことです。だから私がこの大陸を任せられたと暗黒神様がおっしゃっていました」


「分かった。詳しくはこの後、暗黒神様に伺うとしよう。これから守護番との共同訓練だな?」


 アレンたちは生命球を捧げたのちに暗黒神の下へ報告と報酬を貰いに向かう予定だ。


「そのとおりです。我が子はまだまだ小さい。自らの使命をすぐに全うしないよう務めたいと……」


「我らの使命に集中するのだな。お前が使命を全うした後、誰を暗黒騎士にするかは暗黒神様の御心のままだ。それを忘れるな」


「大変申し訳ありません!?」


 子供のことを口にしたことに、まだ覚悟が足りないとハンネスが言い切る前にイルゼは叱責した。


(なるほど、そういうことか。だからクラシスの家に向かったのか)


 アレンは一瞬気にしたが考えることもやめて流したことを思い出す。

 アレンがイルゼと仲間になった時、暗黒神は家族の下に挨拶に行くように促した。

 課題解決に日数がかかり当面会うことも厳しいだろうと言われ、アレンはイルゼの祖母に当たるクラシスにあった。

 その家には使用人として働くザイブルとミータはいたが、両親と思われる人は不在だった。


「我らは雷神ソヴィ様に報告がある。失礼するぞ」


「は!!」


 イルゼはハンネスから視線を雷神のいる広間の扉へと視線を移す。


「おい、アレン。速やかに報告するぞ」


「ああ、そうだな。報酬を貰わねば」


「おい、アレン。報酬より報告が先だからな」


 暗黒神の使命を最優先に考えており、全てを切り裂くようなイルゼの視線と希望を語らず周囲の者全員が敵のような口調、自らの命も厭わない覚悟がどこから来るのか、なんとなく分かったような気がする。


(お前は既に大きなものを失ったんだな。全てを暗黒騎士の使命に捧げると思えるほどの何かを。イルゼよ、それでお前は報われるのか?)


 前にいる暗黒神兵が巨大な扉をゴゴゴッと大きな音を立てて開いていく。


 ここまでの態度からどのような経緯で暗黒騎士になったのか多くは語らないだろう。

 イルゼの心がこんな扉のように開くことはあるのだろうかとアレンは考える。


 祭壇の上空には雷神ソヴィが浮いており、祭壇上に空いた天井から空に向かって雷を飛ばしている。

 祭壇の前には暗黒大神官シャロトが微笑みながら語り掛けてくる。


「あら。今度はイルゼ様でしたか。暗黒騎士ハンネス様とはお会いされましたか?」


「ああ、この前の通路で会った。就任の挨拶に来たとかだったな」


「はい。新人の暗黒騎士が着任されると暗黒神様がおっしゃっていましたが、雷王をこんなに早く倒していますとは。暗黒神様より特別な任務を与えられるだけのことはあるのですね。流石でございます」


 新たに着任した暗黒騎士と一緒に雷王と戦うものだと思っていたと暗黒大神官は言う。


「……仲間と共に倒したまでのこと。だが、既に雷王を倒したことを耳にされていたのだな」


(報告の手間が省けたな。生命球を捧げて、報酬をいただくだけだ)


「そうだぞ。みんなで倒したんだ!!」


 イルゼはアレンが止めを刺したので、自らの功績だと言われることに抵抗があるようだ。

 タジンはリオンに押さえつけられていたようだが、自分も頑張ったと成果を口にする。


『雷王の気配はなくなった。奴は我に挑むに至らなかった。生命球を捧げるが良い』


 前回来た時と違って、雷神ソヴィはこちらを見て指示を出す。


「はい、では祭壇に捧げます」


 前回、ほとんど口を開かなかった雷神に言われ、アレンは祭壇に魔導書に収めた生命球を出す。


 ポワポワと光りながら空中を飛ぶ生命球が祭壇の上で止まった


 カッ


 生命球から光の柱が立ちあがり、神殿の上部から突き抜けて天を照らす。

 コルブラン大陸を覆っていた雲が晴れていく。

 なお、既に夕暮れなので、空の変化にすぐに気付いた大陸の住民は少ないのかもしれない。


(ふむ、大穴上空の雷雲は晴れないな。まあ、ここが晴れてしまったら雷石とれなくなるし)


 アレンが今後レベル上げや金策用に飛ばしていたクワトロが、ムラルガンの大穴上空とそれ以外の空の変化を確認する。


 強い光を発した生命球はブラキウス大陸の大神殿と同様に、優しい光を宿したまま祭壇の空中に浮いたままとなった。


(この生命球1個で何百年、何万年、この大陸に存在するのか知らんが、当面の間、この大陸に恵みを育んでいくんだろうな。お? 出てきた)


 ドクンドクン


 今度は祭壇の中に溶け込んでいた巨大な左腕が神力を周囲に漏らしながら浮き上がってくる。

 コルブラン大陸に恵みを与えるために祭壇に捧げられえていた左腕が出てきた。


 ゆっくりとリオンの体と一体となる。


 カッ


 一瞬だが、まばゆい光を放ったが、リオンの体には変化はない。


 ブンッ


『神Sの召喚獣は特技「合体吸収」の効果を発動した。左腕の封印を解いた。神Sの召喚獣は攻撃力と知力が10万増加した。覚醒スキル「左腕」は覚醒スキル「隼人盾」に変化した』


 【種 類】神

 【ランク】S

 【名 前】リオン

 【体 力】50000+100000(吸収した肢体)

 【霊 力】50000

 【攻撃力】50000+100000+50000(神D)

 【耐久力】50000+100000

 【素早さ】50000

 【知 力】50000+100000+50000

 【幸 運】50000

 【加 護】全ステータス15000、因果律調整(中)

 【特 技】伸縮自在、不倶戴天、無限天元突、不死属性付与、合体吸収

 【覚 醒】輪廻転生、因果応報、封印〈頭〉、封印〈胴体〉、十束剣、隼人盾、封印〈両足〉

※強化スキル、成長スキルの効果は省略


「おお! また1つ封印が解けて新たな覚醒スキルを手に入れたぞ!!」


『うむ、本来の儂の力が蘇ってくるようだ』


 リオンは体をポンポン叩いて、まるで内側から沸き上がる


(ふむふむ、前回の右腕同様にステータス2つが10万ずつ増えて、封印された覚醒スキルは体の部位に合ったスキルに変化するのか)


「これで無事、リオンの封印が解除されました。暗黒神様にお願いした件ですが、雷神ソヴィ様にメルスの覚醒スキルを解放していただきたいです」


『……よく分からない頼みだな。だが、なるほど、我の力を入れることができそうだ。』


 ワシャワシャ


『……』



 祭壇高くに浮いていた雷神が降りてくる。

 全長10メートルあって巨大な雷神の何メートルにもなる手がメルスの頭の上に向かうと勝手に撫で始めた。


『だが、そうか。答えを見つけようとしているのか』


 雷神は何かに気付いたのか、手のひらに神力を込めた。

 

『天使Sの召喚獣は覚醒スキル「雷翼の陣(らいよくのじん)」の封印が解けた』


「良かったな。これでまた強くなったぞ。後は……」


『……まだあるのか。我は我が弟が帰るための道標を飛ばさなくてはならないのに用件の多い奴だな』


(この雷を天井に飛ばすのは弟の風神ヴェスが暗黒界に戻ってきたときのためだったのか? そのために何万年も何十万年も雷を飛ばしていると)


 アレンは雷神の行動原理を少し理解した気がした。


 弟思いの兄の雷神ソヴィの言葉に、イルゼもそろそろ帰るぞと視線を送ろうとした。


「申し訳ありません。私のパーティーの仲間が雷神ソヴィ様の弟で風神ヴェス様より渡してほしいというものを預かっています」


『なんだと。何故それを早く言わない!!』


「うわっ!?」


 アレンの目の前に自らの身長よりも大きな雷神の顔があった。

 この吹き抜けの形をした大神殿の吊り橋の上にある祭壇に胸から上を見せている。


 素早さの高いアレンであっても視線で捉えられなかったのは雷神の体が一瞬で超高速とかではなく、目の前に転移したからだろう。


『……それで、我が弟はやはり神界との戦いで死んでいなかったか。暗黒神様よりも神界のどこにも見つからないと言っていたのだがな』


「風神ヴェス様は獣神ガルム様の神殿内で匿われているようです。その風神様より、この風の玉をもし雷神ソヴィ様にあったら渡してほしいと」


(シアめ、全く自分で渡せよと思ったが、これで報酬をねだるぞ!!)


 神々と積極的に交渉するのはアレンくらいしかいない。

 元々、人智を超えた力を持つ神々に気安く交渉をして裁きを受けないとは限らない。

 シアは風神から渡された布切れをアレンに託していた。


 フワッと浮いて風の玉が手を伸ばした雷神の手の中に納まった。


『たしかにそうだ。これは風神の思いが込められていたもの……。雷を飛ばし合図を送っていたが、神界で無事のようだな』


(そうでしょそうでしょ。今の感謝の気持ちに見合ったものが欲しいです)


 雷神は無表情ながらも安堵の声を漏らしたのであった。


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ヘルモードコミック14巻
発売日:2026年7月10日
ISBN:978-4803023379

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― 新着の感想 ―
>リオンは体をポンポン叩いて、まるで内側から沸き上がる なんか文章が途中で途切れてませんか?
アレンの交渉上手、まじパネェっす!
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