第850話 地上戦⑪古代魔法
セシルが魔法「小隕石」を放つと、全てのガンディーラ改を破壊することができた。
ゴゴゴゴゴッ
真っ赤に焼けた岩石の衝突で至る所で噴煙が上がり、地面には粉砕され焼け焦げた魔獣や魔族が転がる。
後方にいるガンディーラ改も攻撃したことにより、その場に陣形を組んでいた指揮官の上位魔神や魔神にも攻撃の範囲が及んでいる。
数十キロにも達する広大な範囲の攻撃により、最大300万体いた魔族や魔獣の陣形も崩壊しており、今の攻撃で半数以上倒したようだ。
「小隕石の数が足りなくて目玉の化け物を1体、倒し漏らしたわね」
『アガガッ……』
7つの小隕石を落としたが、ガンディーラ改だけしか倒せなかったと言う。
『き、貴様……。許さぬ。こんなことはあってはならない!! 私はシノロム様により作られし究極の集合知力。キュベル様の期待に応えなければいけない!!』
シュルシュル
肉体の半分以上が崩壊したルキモネは触手を四方八方に伸ばし始めた。
『全てのガンディーラ改とこれだけの魔族と魔獣を倒したことがあなたの敗因です。魔素吸収機構!! どれだけの魔素がこの空間に漂っているか!! 全ては私の力になるのです!!』
メキメキッ
ものすごい数の魔王軍を飲み込んだ結果、損傷した肉体は回復し、元々巨大であったのに、さらに2倍以上の体に膨張していく。
倒したガンディーラ改や魔族の膨大な魔力を自ら再生と強化に当てている。
巨大な口が笑みを零し、全ての攻撃を想定しても勝利を確信しているように思える。
『滅びよ。私の全魔力をもって滅しましょう!!』
ルキモネはセシルに狙いを定めるかのように巨大な魔法陣を生成し始めた。
その様子にセシルが淡々と隣にいるメルスに話しかけてくる。
「メルス、ごめんなさい。試練の中で天の恵みがとっくに尽きているの。1つ使ってくれないかしら?」
アレンにパーティー全員に配られた魔導袋に入った天の恵みは空だとセシルは言う。
『ああ、だが……。ほれ、これでいいのか』
メルスのおかげで岩の塊になっていた魔法玉が元の透明度のある水色の水晶のようになる。
「あまり時間がないわ。私は『古代魔法』の発動に集中するから、メルルたちを下げて、メルスは軍の守りに入って」
『ああ、任せてもいいんだな!』
「もちろんよ。問題ないわ」
メルスは一気に速度を出し、メルルたちも含めて全員を後退させる指示を出した。
『衝撃に備えよ!! セシルが強力な魔法を放つぞ!! メタッチたちよ! アレン軍を守れ!!』
『プルプルッ』
『プルプルッ』
『プルプルッ』
さらに虫Aと虫Bの召喚獣を削除し、解放した召喚枠を使い、石Hの召喚獣の覚醒スキル「くっつく」で5体体制での強力な防御態勢をアレン軍の前に引き始める。
『ははは。全ての魔力が私の中には詰まってきます私に任された軍を破壊したことを後悔して消えなさい。私が敗北するなどあり得ないのです』
『……』
ルキモネが勝利を確信する中、全ての魔力が小さく呟きながら詠唱を唱えセシルの手のひらに集まり、原魔の杖の先端に運ばれていく。
『消えよ!! 破壊終劇砲!!』
ルキモネは複数ある口の中で本体にある1つの巨大な口を開き、数百万の全ての魔力を吐き出すように破壊終劇砲を放った。
膨大な魔力によって全てを無にする魔法による破壊砲が上空に浮くセシルやメルスに迫る。
『超新星爆発!!』
カッ
ゴゴゴゴゴゴッ
ズオオオオオオオオオン
『え? 魔法がかき消えていく……』
放ったばかりの破壊終劇砲の魔法がセシルに届く前に魔力に戻り、魔素に還元し、四散していく。
全てが四散したかと思ったら、ルキモネを中心に膨大な魔力が集まり始めて、一気に膨張し大爆発を起こし、ルキモネや生き残った魔王軍を消し飛ばしていく。
『ぐぎゃああああああ!? キュベル様ああああああ! 究極の集合知力のこの私が消えていく……』
絶叫の中、ルキモネの肉体が塵も残さず消滅していく。
『ルキモネを倒した』
『セシルは魔力蓄積のレベルが1上がった』
メキメキッ
「よし、上手く発動したわね。ちょうどよく魔力蓄積が上がったし幸先がいいわ」
セシルの周囲を浮く5つの魔法玉は全ての魔力を消費し、輝きと透明度を失って岩の塊になった。
そこへ、さらに1つの輝きと透明度のある水晶の大玉がセシルの周囲に1つ現れる。
【名 前】セシル=グランヴェル
【年 齢】17
【加護①】魔法神(加護特大)
【加護②】時空神(加護特大)
【職 業】魔導帝
【レベル】99
【体 力】6752+18000
【魔 力】9174+18000
【霊 力】27174
【攻撃力】6047+9000
【耐久力】6059+18000
【素早さ】9025+18000
【知 力】9214+18000
【幸 運】8815+18000
【加護①】全ステータス3万、クールタイム半減、魔法威力2倍
【加護②】全ステータス3万、魔法発動速度2倍、魔法効果範囲2倍
【神 技】魔力蓄積〈6〉、知力強化〈5〉、時空魔法〈4〉、古代魔法〈3〉
【スキル】魔導帝〈8〉、火〈8〉、風〈8〉、雷〈8〉、闇〈8〉、深淵〈3〉、重力〈7〉、小隕石〈7〉、同時発動〈6〉、磁力〈6〉、魔素還流〈5〉、神技発動、杖術〈6〉、組手〈7〉
・装備一覧
【武 器】神器「原魔の杖」:体力10000、魔力30000、知力30000、魔法攻撃ダメージ30%
【 鎧 】神器「次元の衣」:体力10000、耐久力30000、魔力30000、魔法耐性(極大)
【指輪①】知力5000、知力5000
【指輪②】知力5000、知力5000
【腕輪①】攻撃魔法発動時間半減、クールタイム半減、魔力5000、知力5000
【腕輪②】魔法攻撃ダメージ10%、魔力回復1%、魔力5000、知力5000
【首飾り】知力3000、知力3000
【耳飾①】魔法攻撃ダメージ10%、魔力2000、知力2000
【耳飾②】魔法攻撃ダメージ7%
【腰 帯】闇属性、知力10000、魔力10000
【足輪①】素早さ5000、転移、回避率20%
【足輪②】素早さ5000、転移、回避率20%
・魔力蓄積(6)に蓄えられた魔法玉の魔力
①100000/600000
②100000/600000
③100000/600000
④100000/600000
⑤100000/600000
⑥600000/600000
【神技、魔法の種類と効果の説明(簡易版)】
・魔力蓄積
魔力を蓄える玉。魔力満タンで水色の水晶が輝きだす。魔力を全て失うと石ころになる。魔法レベル1上昇時、蓄える魔力量が10万増え、玉の数が1つ追加
・知力強化
魔力および知力が1万上昇。魔法レベル1上昇時、魔力及び知力が1万増え、魔法玉の硬度が上がる
・時空魔法:時空魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・古代魔法:古代魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・魔導帝:職業(才能)スキル
・火:火魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・風:風魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・雷:雷魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・闇:闇魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・深淵:バフスキル
・重力:重力魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・小隕石:火と土属性の小隕石を対象に落とす。魔法レベル上昇時に小隕石が1つ増える
・同時発動:魔法を同時に発動できる。同時に発動するにはそれぞれ詠唱しないといけない。魔法レベル上昇時に同時に発動できる魔法が1つ増える。神技は同時に発動できない
・磁力:磁力魔法が使える。魔法レベルが上がると使える魔法が増える
・魔素還流:魔素のある世界で秒間1万魔力を回復できる。魔法レベル上昇時に1万ずつ増える。魔法玉にも魔力は蓄えられる
・神技発動:神技を発動できる。効果は1時間。クールタイム1日
・杖術:対象を杖でボコボコにできる
・組手:対象の関節をキメることができる
※魔力蓄積と知力強化は魔法神イシリスにより大幅に内容が強化された
【時空魔法の効果の説明(詳細版)】
・魔法レベル1「空間転移」
自ら及び仲間たちを希望の場所へ転移する
・魔法レベル2「共有結合」
あらゆる物質を通さない絶壁の耐久力を誇るシールド
・魔法レベル3「発動加速」
自ら及び仲間たちの魔法の発動速度が速くなる
・魔法レベル4「次元断裂」
片手から全てを切り裂く、耐性無効のレーザーが飛び出し対象を切り裂く
【古代魔法の効果の説明(詳細版)】
・魔法レベル1「斥力反射」
全ての攻撃(魔法、ブレス、物理攻撃)、さらにデバフ効果まではじき返す
・魔法レベル2「極性崩壊」
対象の周囲で原子を連鎖的に崩壊させる。威力範囲は中規模
・魔法レベル3「超新星爆発」
対象の周囲で超新星爆発を起こす。威力範囲は大規模
セシルの下へメルルやガララ提督たちがゴーレムに乗って、メルスも飛んでやってくる。
「アレンたちが心配ね。魔王城の場所が分かるなら、すぐに行くわよ」
『ああ、そうだな。こっちに来てくれ。皆と状況を整理しよう』
「すごい魔法だ。僕たちも吹き飛ばされそうだったよ」
『ギャウ!!』
「古代魔法が中々会得できなくてね。メルル、ハクも遅くなったわ」
圧倒的な力をつけたセシルの登場に仲間たちは嬉しそうだ。
『……それでだが、私とセシルはこのまま魔王城へ向かいルプトを救出に行く』
セシルと一緒に空に浮くメルスは、超神合体ゴーレムの中にいるメルルたちやアレン軍など全軍にも聞こえるように鳥Fの召喚獣を使って状況を説明する。
「魔王も倒さないとね」
「いや、この場を放置できないだろう」
今度は魔王を倒しに行くと息巻くメルルをガララ提督が駆動室内で窘める。
『この場だが、セシルの強力な魔法のおかげで魔王軍の主戦力は倒したと言って良いだろう。アレン軍をこのままこの大陸に置いていても、無駄な戦いが増えるだけだ。魔王軍の残党は100万を超えている』
その魔王軍だが敵本陣の指揮官の生き残りが、必死に体勢を立て直そうとしている。
「連れてきたアレン軍たちは敵軍の注意を引く役目をすでに終えた。撤退すべきってことか」
『そのとおりだ。今からアレン軍たちを撤退することを手伝う者とアレンたちのところへ救出する者たちで別れて速やかに行動すべきだ』
この場にアレン軍たち軍隊を置いていても敵軍の方が10倍以上大きいため、背後にあるヘビーユーザー島の側にある戦略艦に乗って撤退すべきだとメルスは言う。
『……そこでだ、アレン殿たちの下へは、セシルと私で向かう。後は……』
誰を残して、誰が行くべきかメルスが決めようとしたとき、メルルの魔導キューブ越しにディグラグニが会話に参加する。
『メルル、俺と一緒に魔王軍の下へ向かうぞ』
「本当!?」
『……そうか。じゃあ、私とセシルとメルルでアレン殿たちの下へいこう。ガララ提督たちとハクは撤退の手伝いをしてくれ』
「ああ、皆を無事返そう」
『ギャウ!!』
「そうと分かれば、私の時空魔法で急ぎましょう。メルス、向かう先を教えなさいよね」
『もちろんだ』
こうして、地上のルキモネやガンディーラ改たちを壊滅させたセシルたちは次の行動に移ったのであった。





