第775話 攻略準備3日目:剣神戦②
アレンが仲間たちへの武具神たちの神技である秘奥義や奥義を求めた。
試練の達成条件は剣神に一太刀浴びせることだが、完全な殺し合いになると言われた。
アレンはルプトを奪還し、魔王軍の作戦を挫くため、残された日数で少しでも多くの力を得るため命懸けの試合に挑戦する。
タンッ
(真っすぐか。フェイントしかける感じは無しだな。それだけ俺との戦いに余裕があるというわけか)
両目を見開いたアレンは、知力の全てを使い、剣を極めし剣神の足捌き、表情、立ち回りを捉える。
剣神は剣を構えるアレンが待ちの構えを示したと判断し、道場の床板を素足で軽く蹴り上げると、まっすぐアレンの下へと向かう。
神器アスカロンはクレナの時のように両手で持つような大剣サイズではなく、細身だが刀身が1メートルを超える形状に形を変えている。
アレンは幼少期からクレナと騎士ごっこをしてきた。
メインの武器は剣で、どの武器よりも扱いは向上している。
真っ赤なポニーテールを風に真っすぐなびかせ、一気に距離を詰めた剣神との間合いを正確に測ろうとする。
だが、剣神が振るう神器とあって、攻撃を受けたらアレンの剣でも受けきれるか怪しい。
アレンは剣神の斬撃の軌道から外れるよう全力で避けた。
最初から避け切るつもりで余裕をもって避けようとしたはずなのに、剣神の斬撃がアレンの顔スレスレを通過する。
ブンッ
(え? 近い!?)
以前挑戦した際、首を切り落とされかけた緊張からか、斬撃の軌道や速度が一瞬バグって見える。
降りぬいたタイミングで、さらなる斬撃がアレンを襲う。
(これはずっと近くで避け続けるのは無理だな。くそっ、作戦が!?)
不規則な軌道と速度で繰り出される剣神の斬撃に、近距離で対応し続けるのは無理と判断した。
アレンはダッと床板を蹴り上げ、数メートル後退してみせた。
0・1秒も間を置かずアレンがいた位置を、剣神の神器が音を置き去りにするほどの速度で、斬撃の軌道が通過する。
『何て動きだ。剣神様の動きについていっているぞ』
『剣神の太刀を2度も躱したぞ』
『本当に人間か。一瞬消えてみえたな』
試合を見守る剣神術を鍛える天使たちが剣神と試合するアレンの動きに驚愕する。
だが、アレンは剣神との対応で手一杯で聞いている余裕はない。
『へえ? めっちゃ速えじゃねえか。大精霊神にも頼み込んでたみたいだし。これは俺より速いんじゃねえの?』
(さて、俺の動きを完全に見切られてしまったな。だが、前回みたいに無理やり首を命中するみたいにはならなかったぞ)
前世での経験から対人戦の極意は「素早さ」にあるとアレンは考えてある。
一瞬のやり合いで素早さは自らが上だと感じるが、それでも余裕はなかった。
【名 前】アレン
【年 齢】16
【職 業】召喚士
【レベル】250
【体 力】35515+135000
【魔 力】56780+144000
【霊 力】200780
【攻撃力】19876+145200
【耐久力】19876+140000
【素早さ】36919+159600
【知 力】56790+165400
【幸 運】36919+128000
【加 護】体力超回復、魔力超回復、回避率上昇(強)、心頭滅却(状態異常無効)、飛翔、クリティカル率アップ、物理耐性(強)、ブレス無効、破邪、ダメージ軽減
【神 技】創生③〈6〉
【スキル】召喚〈9〉、生成〈9〉、合成〈9〉、強化〈9〉、覚醒〈9〉、成長〈9〉、拡張〈8〉、共有、収納、高速召喚、等価交換、指揮化、王化、目録、神技発動、剣術〈5+3+1〉、投擲〈3〉
【経験値】約3京/無量大数
・スキルレベル
【召 喚】9
【生 成】9
【合 成】9
【強 化】9
【覚 醒】9
【成 長】9
【創生③】7
・スキル経験値
【生 成】約720億/1000億
【合 成】約560億/1000億
【強 化】約600億/1000億
【覚 醒】約470億/1000億
【成 長】約410億/1000億
【創生③】約6億/10億
・ホルダー(全90枚)の構成及び召喚可能種類
【 虫 】計08枚:封ABCDEFGH(各1枚)
【 獣 】計09枚:SABCDEFGH(各1枚)
【 鳥 】計25枚:SABCDEFGH(各1枚)A10枚、E5枚、F1枚
【 草 】計09枚:SABCDEFGH(各1枚)
【 石 】計07枚:封ABCDEFG封(各1枚)
【 魚 】計07枚:SABCDEF封封(各1枚)
【 霊 】計06枚:SABCDE封封封(各1枚)
【 竜 】計13枚:SABCD封封封封(各1枚)A8枚
【天 使】計03枚:S無BC封封封封封(各1枚)
【 神 】計03枚:SAB封封封封封封(各1枚)
※「封」は召喚不可
※「無」は天使AのメルスがSランクとなって不在
・装備一覧
【武 器】アレンの剣:攻撃力50000、知力30000、物理耐性(極大)、スキル発動速度100%増、クリティカル率100%増、無限修復
【防具①】甲竜の鎧:耐久力8000、物理攻撃ダメージ半減
【防具②】闇竜のマント:耐久力4000、魔法攻撃ダメージ半減
【指輪①】素早さ5000、素早さ5000
【指輪②】素早さ5000、素早さ5000
【腕輪①】スキル発動速度50%増、素早さ5000、素早さ5000
【腕輪②】スキル発動速度50%増、素早さ5000、素早さ5000
【首 飾】素早さ3000、素早さ3000
【耳飾①】素早さ2000、素早さ2000
【耳飾②】素早さ2000、素早さ2000
【腰 帯】風属性防御、素早さ10000
【足輪①】体力5000、素早さ5000
【足輪②】体力5000、素早さ5000
・戦士の咆哮時のアレンのステータス(+武器防具)とバフ名一覧
【体 力】134500/539102(戦士の咆哮)
【魔 力】511926
【霊 力】511926
【攻撃力】653508+50000
【耐久力】418465+12000
【素早さ】1103961
【知 力】750615+30000
【幸 運】407554+999999※
・ソフィーとルークの大精霊たちの加護
・ソフィーの精霊神の祝福〈8〉、祈りの舞〈8〉
・ロザリナの真応援〈8〉、真行進曲レベル〈8〉、人魚姫レベル〈8〉、天翔乱舞レベル〈8〉、高吟放歌レベル〈8〉
・大精霊神イースレイの世界の息吹(全ステータス30000増)
・ペロムスのスキル「幸運十一」※
・メルスの特技「ファニーポンポン」、覚醒スキル「クレイジーダンス」
・マクリスの特技「ロイヤルガード」、覚醒スキル「ロイヤルオーラ」
・鳥Hの召喚獣の金の卵(全ステータス3000増)
・グラハンの戦士の咆哮
この試練に臨むため、アレンは出来得る限り万全の準備をしてきた。
大精霊神には神界での活躍の報酬として全ステータスが3万上昇するバフを掛けてもらった。
また、ヘビーユーザー島にいるペロムスには霊獣ネスティラドを狩る際に行ったメルスの天使B「ラッキースロット」からのスキル「幸運十一」で、限界の999999の幸運を分けて貰っている。
剣術と剣神術を極めた剣神の斬撃は運命を変えるほどの命中率がある。
たとえ完全に避け切っても、物理の法則を無視して、狙われた箇所への斬撃は免れない。
だが、今回はバフ可とあって、剣神の斬撃に対して対抗策を準備した。
(勝負にはなっていると思ってよいだろうか。たった二撃ギリギリ躱しただけだけど)
剣神が剣を振るい、アレンが後退して避けただけだが、剣術の差は前回同様に果てしなく遠く感じる。
それでいて剣神の斬撃の間合いにアレンは常に入っているような不思議な気分だ。
「あ、アレン……」
クレナの不安そうな声が漏れた。
余裕気な態度の剣神とは対照的に、観戦する仲間たちに困惑が広がっていく。
第一天使ケルビンやそのほかの天使たちも、誰も創造神エルメアの子で、闘神三姉妹の末っ子にして武具八神のまとめ役である剣神セスタヴィヌスに、一撃を与えるイメージは持てないようだ。
(素早さは上だ。幸運の補正は、致命傷を避け、俺の剣の軌道すら変えるぞ。それにしてもエクストラモードの仲間たちのステータス限界はあるけど俺にはなかったようだな。さすがヘルモード)
アレンは活路を得るため、剣神に対して、何が勝っているのか優位のあるものを分析する。
仲間たちのバフを一身に受け、剣神の後に動き出したが、辛うじて斬撃を避けることができた。
だが、また距離を詰め、これ以上、何度も躱せそうにない。
『おいおいおい、そんなんじゃ日が暮れるぞ? まさか、もうビビッて止めるってか? せっかくもらった補助魔法も永遠じゃねえだろ』
(向かってこいってことか。カウンターを警戒したか。だが、この姿勢なら)
剣を正道の位置で構えたまま余裕なく冷や汗を垂らしたアレンに対して、剣神はニヤニヤしながら挑発する。
アレンと剣神の距離は5メートルもない。
この距離で自らの素早さが剣神よりも高い上に、余裕に満ちて挑発して剣を担いで構えてすらいない。
ダッ
アレンは自らの剣を振り上げ、剣神に向かって急加速して踏み込んだ。
(まだ動こうともしない。この速度ならば躱せまい!)
距離をさらに半分詰めても、剣神は神器アスカロンを担いだままだ。
そのまま棒立ちをして避けようともしない。
憑依合体して、グラハンの覚醒スキル「憑依合体」と特技「戦士の咆哮」を同時に発動し、大地の神に膨大な量の神力を込めて造った神聖オリハルコンの一撃をもろに受けては、たとえ剣神であってもただでは済まないだろう。
アレンの剣と剣神の額までの距離が一瞬にして1メートルを切り、それでも剣神は構えることすらしない。
命懸けの試練に臨むアレンは容赦なく、一切減速することもなくそのまま剣を振り下ろす。
ブンッ
(え? 頭が消え……)
もうすぐで剣神の額にアレンの剣が当たろうとしたところで、アレンの視界に幻覚が見えたような気がした。
動体視力も素早さに依存するため、素早い者ほど、対象の動きを捉えることができる世界だ。
アレンは110万の素早さで剣神を正面から見ながら剣を振るったのだが、対象の頭部が消えてしまう。
あまりの素早さに剣神の頭部、肩、上半身、握る剣がすごい勢いで陽炎か残像のように不確かに輪郭が四散する。
だが、消えていくのは剣神の体や剣だけではなかった。
視界の先に映るアレンの剣先までも一瞬にして消えかけたように見えた。
ズバッ
(え? 俺の剣が消えた。なんで? ん? 剣が軽くなったぞ?)
アレンは何が起きたのか分からなかったが、幻を見せられているような状況を腕の違和感が現実に戻す。
なぜか剣まで軽くなったように思えて、腕に力が入らない。
何が起きたのか、分からず困惑するアレンの耳にクレナの叫び声が聞こえた。
「あ、アレン! う、腕が!?」
「え? な!? お、俺の腕が!?」
剣を持つアレンの右腕が剣神の斬撃によって切り落とされ、宙を舞ったのであった。





