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【アニメ化】ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~【2026年1月放送】  作者: ハム男
第13章 魔王城の攻略と攫われた天使

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第770話 攻略準備1日目:WEB会議①

 9日後となった魔王軍との戦いに向けた初めての会議が始まろうとしている。

 今日は魔王軍との戦いに備えた1日目の昼過ぎだ。

 会議室にはアレン軍の部隊の将軍と副将軍に来てもらった。


 30人近く座れる円卓にアレン軍の将軍たち10人ほどばかりが一角に座っている。


「ヘルミオスさんたちも空いている席にお座りください……」


 アレンが淡々と神界から連れてきた仲間たちに対して席を案内しようとしていると、エルフのルキドラール将軍とダークエルフのブンゼンバーグ将軍が詰め寄ってくる。


「おお! ソフィアローネ様、ご無事でしたか!!」


「ええ、もちろんです」


(まあ、そうか。メルスが先行して状況を説明してくれていたけど『魔王軍に神界を襲われた。アレンとその仲間たちは無事』としか言っていなかったもんな)


 昨日の今日でバウキス帝国のS級ダンジョン、ラターシュ王国の学園都市、竜神の里の試しの門、ヘビーユーザー島駐屯地で活動する各将軍と副将軍に速やかに集まってもらったのだが、詳しい話はこれからだ。


「ルークトッド様はまた一段と成長されましたな!」


「へへ、そうか!」


 ブンゼンバーグ将軍が魔王軍との戦いや神々の試練を超えたルークを見て、将来のダークエルフの王が無事であったことに表情が綻んでいる。


 アレンが改めて席に着くように言うと、中央の席をアレンのために空け、椅子に座っていく。


(さて、軍が板についてきたな。こんなに早く呼びかけてすぐに集まってくれるとはな。ライバックさんは王女の世話もあるだろうに助かる。ゼノフさんも気合が伝わってくるな)


 アレンは魔王軍との戦いに備え、活動と物資の補給の幅を広げるため、各種族で混成された軍を持つ。


 学園にいる頃から、その後の冒険の中でエルフの王女であったり、ダークエルフの王子であったり、獣王女の私設兵が参加したりとだんだん大きくなっていった。


 中でも人族の部隊のライバック将軍は先王の近衛騎士団長で、現在は、アレンの弟やラターシュ王国の王女と一緒に「百花繚乱」というパーティーを組んで活動しつつ、人族軍の陣頭指揮を取っている。

 将軍がいなくても大丈夫というわけではないので、今は部隊の活動をラターシュ王国の学園都市に絞っている。

 また、ライバック将軍の横ではゼノフ副将軍が魔王軍との戦いへの会議とあって厳しい表情で参加している。


 なお、魚人部隊は、イグノマスがプロスティア帝国で将軍経験が十分あるため、新たな将軍は起用せず、アレンのパーティーに本人がいる際は、副将軍が指揮している。


【アレン軍の将軍と部隊数】

・ライバック将軍:人族2000人

・ルキドラール将軍:エルフ3000人

・ルド将軍:獣人3000人

・ブンゼンバーグ将軍:ダークエルフ2000人

・ザウレレ将軍:ドワーフ3000人

・カニリアン将軍:魚人3000人

・シルクレク将軍:鳥人2000人

・バルセロイ将軍:竜人2000人


【アレン軍の将軍、副将軍、団長の状況】

・ステータス1万上昇の指輪2つ、ステータス6000上昇の首飾り1つ

・ダンジョン産オリハルコンまたは相当の武具


 ヘルミオスやガララ提督、キール、ソフィー、ルーク、イグノマスも席についたところで、会議室の隅で、会議の進捗に際して皆に背を見せて屈みながら魔導具のセッティングをしているララッパ団長のところに足を進める。


「会議の準備助かる。それで、時空管理システムのところに置いていった魔王軍の何らかの魔導具の解析は順調か?」


「何言ってんのよ。まだ回収して私の装置と繋いだだけよ。ほらほら、もう音声は繋がっているし、こっちも映像機と繋ぐわよ」


 魔王軍が時空神の神域にある人間界、神界等の管理に使用する時空管理システムを奪った。

 アレンたちの邪魔もあってか、魔王軍の中で兵器などの研究をしているシノロム所長という魔族が、時空管理システムの掌握に使っていた魔導具と思われる機材を置いて撤退を余儀なくされたようだ。


 ララッパ団長には今後の魔王軍の作戦に使えるのではと魔王軍の魔導具の解析を進めている。


 なお、アレンはヘビーユーザー島を活用する際、魔王軍が島に残した動力の解析もララッパ団長にしてもらっており、魔王軍の魔導具の解析は今始まったわけではない。

 アレンがすぐに出来るだろうと言わんばかりの発言をしてしまい、破壊された魔法神と時空神の神域の片づけを配下のドワーフたちに指示し、会議の準備とあれもこれもこなすララッパ団長の気を悪くしてしまったようだ。


 ララッパ団長が通信の魔導具の次に映像の魔導具の動力をタッチパネルで操作し、起動させた。


(ふむ、さながらWEB会議だな。俺たちだけで話し合っても時間の無駄だしな)


 ブンッ


「へえ? すごい趣向だね。これなら僕があれこれ説明するために覚えずに済むよ」


「全くだぜ。たしかにこれなら便利だな」


 アレンの発案した「WEB会議」にヘルミオスやガララ提督も納得する。


 この30人ほどが席につける円卓の周囲には窓と扉があるところには2つの漆黒の板が、アレンの背後と窓と反対の側面には3つの漆黒の板と、会議室の周囲の壁を全部で10枚、取り付けられている。


 全てがWEB会議に必要な魔導具で、これも依然、アレンが発案したものをララッパ団長が形にしたものだ。


 10枚それぞれが事前に、映像を移す魔導具と通信の魔導具の併用でそれぞれの国と繋いでいる。


【10か所の映像の出力先:参加者】

①ギアムート帝国:レガルファラース5世皇帝、宰相、役人数名

②バウキス帝国:ププン3世皇帝、宰相、役人数名

③ローゼンヘイム:レノアティール女王、長老10名

④アルバハル獣王国:ゼウ獣王子、テミ、役人数名

⑤カルバルナ王国※1:アーベルト国王、宰相、役人数名

⑥ギアムート帝国冒険者ギルド本部:マッカラン本部長、副本部長2名

⑦エルマール教国エルメア協会本部:クリンプトン枢機卿、大司教2名

⑧プロスティア帝国:ラプソニル女帝、宰相、役人数名

⑨ラターシュ王国:インブエル国王、宰相、役人数名

⑩ラターシュ王国※2:グランヴェル伯爵、執事セバス

※1ギャリアット大陸の代表はカルバルナ王国に交代

※2映像なし、音声は聞き取りのみ


 漆黒の板が明るくなり、国王や王女、宰相などの貴族や役人が座っている映像が映し出された。

 装飾の施された豪華な部屋であったり、会議室と思われる。

 それぞれの国の宮殿や王城の王の私室からこちらの会議室を覗き込むように、皆一様に神妙な面持ちで、映し出されている。


(全く最小限で聞いてほしいと伝えたのだが、どこも5人も10人参加しているな。まあ、世界存亡の危機って伝えたし。王族が全て聞くには手が余るか。まあ、今回は総力戦だからな)


 これはアレン軍、勇者軍、ガララ提督のゴーレム軍の指揮官たちと軍議をすれば良いわけではないとアレンが考え、呼びかけたものだ。


 魔王軍との戦いまで9日となっており、準備するにしても5大陸同盟や大国、世界最大ギルドである冒険者ギルドとエルメア協会の責任者の協力も不可欠だ。


 昨日の今日な上にアレンがギリギリまで天の恵みを生成していたばかりに、多少待たせてしまったが、呼びかけた全員が誰一人欠けることなく、一様に緊張感を持った表情で画面越しに、アレンたちの会議室を覗き込んでいる。


 彼ら各国の代表の魔導具にもアレンの会議室の様子が映し出されている。


 なお、集めた方法は魔王軍との大きな戦いを控えており国家存亡の危機である旨、メルスを通じて伝えたおかげだ。

 昨日の今日で、国家や組織の代表として忙しい中であるが、皆遅れずに参加してくれた。


 また、参加者としては5大陸同盟の盟主や代表、新たなに5大陸同盟と協調路線を歩み始めたプロスティア帝国、世界の2大組織である冒険者ギルドとエルメア教会の代表の9つで十分であったのだが、WEB会議の出力先が1つ余ったので映像を映さず、音声の出力を切って聞くだけの状態にしてグランヴェル伯爵たちにも参加してもらっている。


(まもなく10月か。そろそろボア狩りも始まるかな)


 1枚だけ漆黒の板の先にいるグランヴェル伯爵を思うと、アレンは故郷のロダン村やクレナ村が脳裏に浮かび上がる。

 魔王との戦いが近づいてきており、アレンたちが負ければ、グランヴェル領にも危機が及ばないとは限らない。


 この会議を聞いてもらい、何か事前に準備できることはしてほしいと願う。


「さすがだね。僕じゃこんなに皆を集めれなかった。始めてくれるかな」


 ヘルミオスの言葉にアレンは会議に意識を戻して頷いた。


「お集まりありがとうございます。早速ですが……」


 アレンは既にヘビーユーザー島へ移動していたペロムスのとなりの席に座り、魔王軍との戦いなどについて話をしようとする。


 会議室と映像や音声がつながっており、アレンの声に被るように最初に口を開いたのはゼウ獣王子であった。


「それで、アレン殿よ。シアがいないようだが?」


 映像を映す魔導具に近づきすぎて縦横3メートルはある板の1枚に、この場にいないシアに対して、ゼウの顔だけがデカデカと映り込む。


「シアは魔王軍との戦いに備え、十英獣の皆と一緒に原獣の園で獣神ガルム様の下でさらなる修行を積んでいますよ。それで言うとセシルも修行中でこの場にはいません」


 画面には見えないがグランヴェル伯爵も心配していると思ってついでにセシルにも触れておく。


「それで魔王軍の進軍と神界の話を……」


 今度はギアムート帝国皇帝のリガルファラース5世が不快そうに口を開く。


「なぜ、盟主でも5大陸同盟の盟主でも無い弱小国家の国王風情が世界の命運を決める大事な会議に参加しておるのだ?」


「よ、呼ばれたので参加したまでだ。ギアムート帝国に何か言われる筋合いはない!」


 ラターシュ王国のインブエル国王はすぐに誰のことか分かったようだ。


「ほう、貴重な転職ダンジョンのある学園都市を治め、随分図に乗ってきおったな。貴様、まだ、自らの立場を分かっていないようだな!!」


「落ち着いてください。今はアレン様の話を聞くときですわ!!」


 思わずローゼンヘイムのレノアティール女王が画面越しに叫んだ。


(あれだ。音声の出力を途中で止める機能も欲しいぞ)


 ララッパ団長にWEB会議の音声の出力をこちらでオンオフできるよう仕様の変更依頼をしようと思うアレンであった。


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ヘルモード12巻
発売日:2025年10月16日
ISBN:978-4803021981

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― 新着の感想 ―
「会議は踊る、されど進まず」してる場合じゃありませんね…アレンさん、うるさい連中無視してサクサク進めましょう。時間がない…インブエル国王、お前黙ってろ。
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