第７０１話 フィーバー！ラッキースロット！！①
仲間たちと共に要塞内にある広場に集まり、装備など最後の調整を行っている。
パーティーの最終兵器であるペロムスを誘い、アレンたちはさらなる特訓を行って、１か月が過ぎた９月の上旬だ。
特訓はネスティラド戦に合わせたコンボの連携と、シアとペロムスの転職だ。
２人とも星４つの才能だったのだが、シアは拳獣帝に、ペロムスは商帝の星５つとなった。
レベルをＳ級ダンジョンと大地の迷宮で９９までカンストさせ、その後はスキル経験値上昇の装備を魔法神から信仰ポイントと交換してもらい、スキル上げに勤しんだ。
【名 前】シア
【年 齢】１６
【加護①】獣神（加護特大）
【職 業】拳獣帝
【レベル】９９
【体 力】１０９２６＋１２０００（真獣拳）
【魔 力】７２１２＋１２０００
【霊 力】１９２１２
【攻撃力】１１１４０＋１２０００
【耐久力】１０９２６＋１２０００
【素早さ】１０１７８＋１２０００
【知 力】６６８７＋６０００
【幸 運】７５３６＋１２０００
【加護②】攻撃力３００００、素早さ３００００、クリティカル５割上昇、回避率５割上昇、全スキルスキルクール半減
【神 技】神風連撃爪〈６〉、豹神無情撃〈５〉、風神天地翔〈５〉、虎神柔破掌〈５〉、熊神瓦解破〈５〉、獣神無限爆散拳〈５〉、獣神化〈５〉
【スキル】 拳獣帝〈８〉、真強打〈８〉、真駿拳殺〈８〉、真回転蹴〈８〉、真正拳突〈８〉、真獣拳〈２〉、反撃武舞〈８〉、獣王無尽〈８〉、虎闘崩弾〈８〉、獅子連撃〈７〉、組手〈９〉、拳術〈９〉、獣王化〈８〉、獣帝化〈７〉、神技発動
・装備
【武 器】獣神の拳：攻撃力５００００、体力３００００、素早さ３００００、カウンター
【 鎧 】オリハルコンの鎧：耐久力１００００、耐久力１００００
【 靴 】神風の靴：体力１００００、素早さ３００００、回避率５０％増、スキル発動速度５０％減、コンボ率上昇（強）
【指輪①】素早さ５０００、素早さ５０００
【指輪②】素早さ５０００、素早さ５０００
【腕輪①】クールタイム半減、回避率２割上昇、体力５０００、素早さ５０００
【腕輪②】スキル発動速度２倍、物理ダメージ２割上昇、攻撃力５０００、素早さ５０００
【首 飾】素早さ３０００、素早さ３０００
【耳飾①】物理回避率７パーセント、素早さ２０００
【耳飾②】物理回避率７パーセント、素早さ２０００
【腰 帯】風属性 素早さ１００００
【足輪①】素早さ５０００、転移、回避率２割上昇
【足輪②】素早さ５０００、転移、回避率２割上昇
※獣帝化の効果で体力超回復（秒間１％）発動中
【名 前】ペロムス
【年 齢】１７
【加護①】商神（加護大）
【職 業】商帝
【レベル】９９
【体 力】８０２８＋１２０００（番頭）
【魔 力】９９５２＋１２０００
【霊 力】２１９５２
【攻撃力】６６１０＋６０００
【耐久力】７３８４＋１２０００
【素早さ】１１０５４＋１２０００
【知 力】１１３２３＋１２０００
【幸 運】１１３６４＋１２０００
【加護②】全ステータス１００００、回避率３割上昇、幸運３割上昇
【神 技】開運招福〈７〉
【スキル】帝商〈８〉、真演算〈８〉、真鑑定〈８〉、真交渉〈８〉、真銭投〈８〉、番頭〈２〉、天秤〈６〉、押貸請求〈８〉、幸運十一〈８〉、達磨祈願〈８〉、一攫千金〈８〉、算盤術〈７〉、剣術〈４〉、投擲〈７〉
・装備一覧
【武 器】神器クシナダ：攻撃力１００００、体力３００００、幸運３００００
【 鎧 】万富の羽織：耐久力１００００、幸運１００００、回避率３割上昇
【指輪①】幸運５０００、幸運５０００
【指輪②】幸運５０００、幸運５０００
【腕輪①】クールタイム半減、回避率２割上昇、幸運５０００、幸運５０００
【腕輪②】クールタイム半減、回避率２割上昇、幸運５０００、幸運５０００
【首 飾】幸運３０００、幸運３０００
【耳飾①】物理回避率７パーセント、幸運２０００
【耳飾②】物理回避率７パーセント、幸運２０００
【腰 帯】無属性 幸運１００００
【足輪①】素早さ５０００、転移、２割上昇
【足輪②】素早さ５０００、転移、２割上昇
※押貸請求、幸運十一は転職前の商王の才能の際、獲得したスキル
【商人の才能とステータス増加のスキル名】
・商人（星１つ）：丁稚
・豪商（星２つ）：若人
・商聖（星３つ）：手代
・商王（星４つ）：中登
・商帝（星５つ）：番頭
（ほかの仲間たちはスキルレベル９までもう少しか。ペロムスは幸運でガチガチだな。しかし、転職前のスキルもかなりやばかったが、商帝になってガチで希望が出てきたぞ）
ガキ大将のドゴラの子分のような存在であったが、魔王軍との戦いに関わることになり、５大陸同盟の代表者に祝われて結婚し、今ではネスティラド討伐のキーパーソンだ。
仲間たちはこの１ヵ月、スキル上げに奔走したのだが、ペロムスとシアに信仰ポイントを優先して使った結果、ほとんどスキルの変化はない。
今度こそ勝つぞと入念に仲間たちの装備やステータスを入念にチェックする。
「ちょっと、僕。体力とか増えるやつ装備したいんだけど」
神器クシナダである杖の先端に算盤がある武器の柄の部分を両手で握りしめ、内股でプルプル震えながら涙目のペロムスが不平不満を言う。
どうやら体力や素早さを増やしてほしいようだ。
「ペロムス。お前の『商運』にこの戦いの全てをかけているんだ」
「ううっ。フィオナに会いたい……」
「ふん。ネスティラドに勝ったら会わせてやる。生きて帰ることだな」
「そ、そんなぁ……」
アレンとペロムスの会話がとても仲間のものとは思えない。
ペロムスは１人、王都ラブールより連れてきてから、フィオナとは会っていない。
フィオナには「ペロムスに大事な試練がある。あと１ヵ月かかるから、その後に地上に返すよ」と伝え、人間界に戻してある。
「おい！ ふざけていないで始めようぜ」
談笑するのも、戦いが終わった後だとスタッフを握るキールが仲間たちに緊張感を持たせる。
砦の外に出てきており、ちらほらと竜人たちがアレンたちの動向を見つめている。
（真面目だな。だが、ネスティラドとの挑戦はこれで終わりにしよう。それにしてもこんなに「幸運」のステータスを考えることになろうとは）
アレンは攻撃力を求め、素早さを求めてきた。
スキル経験値獲得のため魔力であったり、時には頭脳戦での攻略のために知力も必要としてきた。
だが、理不尽な強さのネスティラドを相手に、こちらも正攻法を捨てた戦術として「幸運」のステータスに着目する。
「メルス。おねしゃす」
『何が「おねしゃす」だ。こんなことをやらせおって』
「いやメルスの妹の考えた特技だろ」
メルスの妹は創造神エルメアの第一天使となった。
『ああそうだったな。もういい。金貨５枚を引き当てたら良いのだろう？ フィーバー！ ラッキースロット！！』
メルスは武器の輪となって出てくる天使Ｂの召喚獣の中から「ラッキースロット」を取り出した。
全長は１・５メートル、幅と奥行き１メートルで、セットとして腰掛けようの椅子もある。
【ラッキースロットの効果】
・スロットは縦３列、横５列の中で、縦横斜めの３マス同じマークが出たら当たり
・当たりによってステータス増加効果が付与される
・効果範囲は周囲１キロメートル
・一度に縦３列、斜め２列の５回分、賭けに参加できる
・最低の賭けの参加料は、特技で１回１列Ｂランクの魔石１個（霊石１個でも可）
・最低の賭けの参加料は、覚醒スキルでＡランクの魔石１個（霊石１個でも可）
・覚醒スキルは特技の１０倍のステータス増加効果
・知力１万につき１台おける
・メルスが１台のスロットを利用すれば、残りの台は誰でも扱える（召喚獣も可）
・持続時間は２４時間
【ラッキースロットのマークと効果】
・体力はゴブリン
・魔力はミュラーゼの花
・攻撃力はグレイトボア
・耐久力はグレイトウォーリアー
・素早さはアルバヘロン
・知力はモルモの実
・幸運は金貨
・魔石はそのまま魔石が手に入る
・Ｂランクの魔石でマークが３つ揃えるとステータスが３０上昇の当たり
・Ｂランクの魔石でマークが４つ揃えるとステータスが３０００上昇の当たり
・Ｂランクの魔石でマークが５つ揃えるとステータスが３万上昇の当たり
・Ａランクの魔石でマークが３つ揃えるとステータスが３００上昇の当たり
・Ａランクの魔石でマークが４つ揃えるとステータスが３万上昇の当たり
・Ａランクの魔石でマークが５つ揃えるとステータスが３０万上昇の当たり
・魔石マーク３つは投資したランクの魔石１００個
・魔石マーク４つは投資したランクの魔石１０００個
・魔石マーク５つは投資したランクの魔石１万個
・当たり効果は特技（Ｂランク魔石）で２４時間継続
・当たり効果は覚醒スキル（Ａランク魔石）で１時間継続
（こんな遊び心しかない特技に頼ることになるとはな。さてメルスの知力はバフ込みで１７万だからメンバー全員参加できるな）
無防備な状態で、スロットで遊ぶなど、戦闘中は絶対に利用できない仕様だとアレンは考える。
「よし戦いは既に始まっている。「金貨」マーク５連ゲットしたら一気に転移するからまじめにやるんだ。全員バフをかけて切らさないでくれ。メルスは１７台全部用意してくれ」
アレンが仲間たちに緊張感を持てと檄を入れる。
目指すはＡランクの魔石を５つ掛け、「ラッキースロット」で金貨のマークを５つの列で揃えることだ。
「よし、全員席に付け。バフは絶やさぬよう」
スロットの結果は、幸運依存だ。
「なんかしまらねえな」
「おい、遊びじゃないんだぞ」
「分かってるよ。お前もふざけていただろ、アレン」
ドゴラは手でアレンを払うように適当な椅子に座る。
これが命がけのネスティラド戦を前にするとことかと、ドゴラがやれやれと改めてため息をつく。
アレンの指示で仲間たちは円のように配置された「ラッキースロット」の台に座り、Ａランクの魔石を投入して、レバーを回していく。
他の仲間たちも用意された「ラッキースロット」の席に付く。
「ああ、余った席でアビゲイルさんもどうぞ」
「我も良いのか……」
「もちろんです。仲間と意識していただけたら効果は私たちに反映されますので」
仲間たち全員座ってもいくつか空いたらそこにアビゲイルたち竜人も使わせてあげる。
魔導書に入ったＡランクの魔石をドバドバと山のように出してあげると、仲間たちのスロットの選択時にどんどん吸収されていく。
ある程度の距離に置いておくと「ラッキースロット」に、魔石は勝手に使用されてしまうようだ。
「うふふ。ロザリナが金貨５枚引いちゃおうかしら」
仲間たちの中でも割と賭け事が好きなロザリナがニマニマしながらスロットのドラムを回し始める。
「まったく。こんなことにみんなが集めてくれた魔石を使ってしまっていいのやら……」
パーティーの良心で真面目担当のキールが、中央に積んだ魔石の山が、凄い勢いで無くなっていく魔石に罪悪感を覚えているようだ。
『く～ん……』
「よしよし。ママが代わりに引いてあげるからね！」
体格的にスロットを引けないハクが残念そうにする中、クレナは自らが引き当てると慰めてあげるようだ。
（我が金貨５枚を引く様に、驚き慄くが良い。ぐふふ）
アレンは欲望のままにスロットのレバーを引くのであった。
