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飛びました。2

歩き始めてどのくらい経ったのか、私は遠近法について考えていた。森は見えているのに一向に着く気配がない。やべぇ、この草原めっちゃ広い。

それでも頑張って歩いている私は凄いぞ!偉いぞ!と自分自身を励ましながら歩く。そうやって自分と格闘しながら歩き続けていると遂に!とうとう!一軒の建物が見えた。

なんだか手作り感も感じつつ、それでいてなんだか見たことある造りの建物。二階建てのその建物の屋根にかけられた看板にはしっかりとこう書かれていた。


『ファミレス』


Q.ファミレスは草原の丘の上に建ってても許されるのでしょうか?

A.現に建ってんだろ。現実見ろバーカ


堂々と書かれたファミレスの文字に自問自答してしまったが、確かにそのガラス張りの大きな窓のある造りは、よく見慣れたそれそのもの。惜しむらくは、あの店名の書かれてくるくる回る看板がない事か。いや、そうじゃない。異世界ですよ???何でファミレス???ぐるぐるといろんな考えが回る頭にそんなことは知らんわと音を立てる私の胃。そういえば昼は、友人達と「セレブの昼飯ごっこ」をしていたのでコンビニのサンドイッチ2切れしか食べていない。コンビニのサンドイッチという時点で既にセレブではないがそこは言ってはいけない。

お財布の中には千円札が一枚と百円玉が八枚。あとは十円玉と一円玉が数枚、ファミレス程度ならば食べれないことは無い。あとのことは食べた後に考えればいいか、などとこれまた能天気に私はファミレスのドアを開けたのだった。


店の中は盛況しているようで、見る限り沢山の人が居る。いや、なんか人以外もいるな?二足歩行のトカゲのような姿の人がもそもそとサラダを食べている。

「いらっしゃいませー、おひとり様でよろしかったでしょうか?」

可愛らしい小柄な店員さんに聞かれ頷くと席に案内される。言葉は通じる、さっき看板見た時もそうだったけど、どうやら文字と言語は大丈夫そうだ。テーブルの上のメニューを広げ、心の中で一人、読める、読めるぞ!などとはしゃぐ。口には絶対出さない。出したらただの恥ずかしい痛い子ちゃんである。どのメニューも手描きっぽいイラストが横に載っているのだが、どれもめちゃめちゃ絵が上手い。美術部歴三ヶ月の私が言うのもなんだがすっごい上手い。が、今はそうじゃない。ハンバーグセットを頼み、料理の到着を心待ちにするのだった。


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