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愛しいフィーア ☆

今回は王太子目線ですー。

ちょっと芽生え始めた束縛ッキーです。



題名って難しいですね。





今、目の前に愛しい人がいる。

ちょっとずれているフィーア。

僕の言った事が分からなくて首を傾げているフィーアかわいい。

でもわかってくれなくてちょっと悲しくはあるかな。

まぁ、いつか絶対にわからせるんだけどね。



そんなフィーアとの出会いは7年前に遡る。



*・*・*



「シェレル。貴方はこの国の王太子に決定しました。それと、可愛い婚約者も決定しましたよ」


え…。

王太子?婚約者?

……めんどくさいなぁ。


「シェレル。これは政略的婚約なのです。政略的婚約でも、愛がないのは嫌でしょう?だから、貴方は相手に好きになってもらえるように頑張りなさいね。……彼女は…ちょっと頭のおかしい友人の子供だから…多分一筋縄ではいかないと思うけれど…」


政略的婚約。

好きになって貰うために頑張る…か。

相手が僕を好きになればいいじゃないか。

あと、相手の母上が頭がおかしいってなんだ。僕はそっちの方が気になるぞ。


「母上の頭のおかしい友人の子供ってところがすごく引っかかりますが……わかりました。一応努力します。が、相手がそうでもなければ僕も恋になんて落ちませんからね」


私は笑顔で母上にそう告げた。


「………流石彼の息子だわ……」


お母様はいい笑顔でそう言ったのだ。



あ、申し遅れた。

僕は、シェレル・スターチェス。

この国の王様の息子。

父上と母上、可愛い双子の弟と妹の5人と暮らしている。

ひと月前に9歳になっていきなり王太子になる事と婚約者が決まった。

王太子は、まぁ、長男だからわかってはいたけど、婚約者……。

これから長い付き合いになる予定の女の子。

1つ年下で母上の友人の子供らしい。


少し相手の家について調べてみた。

会う前に情報を仕入れるのは普通だろ?

すると、その家のおかしな家訓が目に付いた。


『貴族だからって偉いわけではない。自領民の方々あっての私達。貴族平民分け隔てなく接しなさい。でも、馬鹿な貴族達に舐められないように。私達が馬鹿にされたら領民達も馬鹿にされたと思いなさい。何かやられたらやり返しなさい。タダでやられる事は許しません。夢を見るのはいいけれど、必ず最後には現実を見なさい。』


どういう事だ。

僕が今まであってきたどの貴族とも擦り合わない。

僕が今まであった貴族共はみな汚い笑みを浮かべて自分の娘を押し付ける。

そんなに王族の血が欲しいのか。

だが、そんな汚いやつらを血族にするはずがないだろう。

……それに比べてこの家ときたら……。

面白いじゃないか。


その後にその令嬢の写真をみて一目惚れした。

フリージアというらしい。

本人を見てないのに好きになるなんて思わなかった。

僕は早く会いたくて会いたくて仕方なかった。


*・*・*



「はじめまして。フリージア・ジェネラル譲。僕はシェレル・スターチェスです。これからよろしくお願いしますね」


お母様に連れられて顔合わせの会に来た女の子。

綺麗な水色の髪に深い紫の瞳。

その子はとても綺麗な子で、名前を言った僕をじっと見つめてくる。

その瞳に僕が写っているってだけでドキドキした。

恋に落ちるなって方が難しかった。

写真で一目惚れしていたのにまた好きになった。

彼女が僕の婚約者。

僕の….…僕だけのもの。

それだけでなんだか嬉しくて……。


「フリージア・ジェネラルと申します。

これからよろしくお願い致しますわ。王太子殿下」


声も綺麗だった。

そんな彼女に名前を呼んで欲しくて。


「王太子殿下は堅苦しいからシェレルと呼んでくれ」


「わかりましたわ。シェレル殿下」


早速名前を呼び呼ばれるようにした。


これが僕とフィーアの出会い。



*・*・*



それから毎日毎日フィーアに会った。

でもフィーアを前にすると緊張して喋れなかった。

だから場をつなぐためにフィーアの好きだという甘いお菓子を毎日準備した。

僕も毎回1つ食べるが甘すぎてあまり口には合わないけれど、笑顔でお菓子を食べるフィーアを見れるからそれだけでよかった。


見てるだけでよかったのはいつまでだろうか。

いつからか触れたくて触れたくて仕方がなかった。

でも、嫌われたく無くて。

毎日毎日フィーアの対面に座った。

フィーアの隣に座りたかったけど我慢した。

隣に座ったら、それ以上が欲しくなる気がして。


「ふふっ フィーア。僕はね、これから毎日フィーアに会えなくなると思うと寂しくてどうにかなりそうなんだけどな」


僕は苦笑してフィーアを見つめた。


「寂しいんですか?」


真っ直ぐに僕を見てくるフィーア。

寂しいよ。僕は名前を呼んでいるのに。

僕の名前を呼んでくれないフィーア。


「寂しいよ。フィーアは違うの?」


僕もフィーアみたくこてんと首を傾げてみる。


「寂しいですわよ?これからこのお菓子たちが食べられないと思うと」


その答えがフィーアらしくて。

でも、僕が聞きたいのはそうじゃなくて。


「ふふっ。フィーアはフィーアだねぇ。そんなところもいいんだけどね。……僕はさ」


僕は席を立ってフィーアの隣に座る。

初めての距離。……恋い焦がれてた場所。

あぁ、やっぱりそれ以上が欲しくなる。


()に会えなくなって寂しくないの?って聞いてるんだよね。僕は寂しいよ。フィーアに会えなくなるなんて」


僕はフィーアの髪をくるくる触りながら、聞いた。

髪を触ってないと、体に触れたくなってしまうから。

でも、髪だけでもヤバイなと思った。

ふわふわでいい匂いがする……。

フィーア自身に触ったらもっとふわふわしていていい匂いがするんだろうなぁ。

初めての距離で、初めての接触。

フィーアの匂いを、感じたくて髪に顔を近づけた。


「………寂しいも何も義務ではないですか。今までが会いすぎなのです。それに私、1年後に入学致しますしっ」


ふと顔を上げたフィーアの顔が至近距離にあって。


「………そっかぁ。うん。そうだねぇ」


咄嗟に離れて自分の席に戻った。

やばかった。今のはやばかった。

そのまま押し倒して、自分の欲望をぶつけたくなった。

危ない。そんなことしたら嫌われてしまう。

まだ、まだ駄目だ。

僕にはまだフィーアを手に入れてもいいような力はない。

僕はまだ、子供だから。

捕まえたフィーアを逃げられないようにする力はまだ、ないから、ね。


それから僕はフィーアを見つめる事で自分を鎮めた。






今日はここまでー。

次回もよろしくお願い致します!

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