第一章(2)大きな決断
やっと二話書けました、転スラ読んでいたら面白くて書くのが遅れました。
#2
夢のような時間を過ごした翌朝、アズサ(メイド)に起こされ朝食の
テーブルについた。
『昨晩は楽しめましたか、御主人様』
『ああ、楽しかったよ』
『では、かなり期待(懐妊)できますね御主人様』
『結果は管理者より連絡が参りますので楽しみにお待ちくださいね』
楽しみかどうか不思議な気分だが結果は知りたいので
『そうだな気にはなるよ』と答えておく。
『あ、そう初めは何もわからず、不安な気持ちもありアズサを何度
も求めたよね』
『僕が今でもこうして精神の安定を保てたのは、心も体もアズサが
献身的に支えてくれたからだよ、ありがとう』
実際にこれは確かなことで、全く未知の世界に連れてこられた
事実を受け入れられたのはアズサの助けがあればこそだと思う。
心の不安を彼女を抱くことで安らぎを得ることができた。
この時は男の単純さが笑えるほどに感じられた気がする。
アズサは満面の笑顔で答えてくれた
『御主人様のお役に立てたのならば嬉しいです』
あ~なんて可愛らしいんだ、ここに来て数多くの女性と知り合った
けどアズサは僕にとって特別な存在だと感じている。
素直な気持ちで答えた
『アズサ、これから先も僕を支えてくれ な!』
*数年後*
あと一人妊娠すれば解放されるまで辿り着いた、中には印象的な
女性もいた200人目めくらいに関係したと記憶してる。
容姿は綺麗系でスポーツクラブ内のプールで出会った。
プールで精彩を放つ彼女を何故か男どもは気にも止めない感じで
僕は声をかけるのを躊躇していた。
彼女を見つけたのは3日前だ、場所はプールなので当然水着で
ありグラマラスな姿態、すぐに声をかけようとしたが他の男ども
の雰囲気が僕の決断を止めた。
雰囲気とは例えるなら、目の前に美味しそうなケーキがあるのに
見ようとも思わない、そんな感じなのだ。
その理由は意を決して彼女に話しかけ、行為に至ることで理解できた。
軽い食事の後すんなりと行為に進んだ、急かされながらベットに入る。
行為は彼女のこの言葉から始まった。
『早く子供を作りましょうよ、私はね それだけで良いのよ』
確かに目的はそこにあるが、僕としては行為に対して恋愛感情と
まではいかなくても、相手に対して優しい感情は抱きたいと思っている。
好意、愛情が理想だが時として欲望であっても良いのではと思う。
感情の無い行為はしたくない、が正直な気持ちである。
『それってどうゆう事かな?』
彼女は口元に笑みを浮かべて答えてくれた
『私はね赤ちゃんと暮らしたいだけなの、行為には興味は無いわ』
その後彼女からの話しの内容を纏めると
出産後、彼女たちが望めば1年間は一緒に暮らせるらしく
その事が生きる目的になっている。
一通り行為を終え彼女とは別れた。
帰り道、彼女の願いが叶うことを祈った。
さて解放の条件まで、あと一人となった
できれば今日中に達成したいものだ!
ここに来て数年経つが、僕にとって案外楽しい時間だった
連れられてきた時はどうなるか茫然自失だっがアズサのサポート
などや地球と似ている環境でもあり自然と馴染んだ感じだ。
ここ世界のシステム、目的などは今でも不明で特に
管理者を名乗るウルゲンについては外見は人に見えるが
たぶん違うと僕は思う。
中二病とまではいかないが僕自身それなりに異世界、宇宙の
神秘、オカルトなど興味はあったので、この様な状況は
いろいろと想像してしまう。
まずこの世界は地球より遥かに進んだ文明か異世界ではな
いか?
でもウルゲンの説明では100億光年程度の距離にある
とか彼らにとって時空はあまり意味はないとか異世界人
みたいな発言もあった。
今のところ不都合がないので考えないようにしていたが
最後の一人になった事で気になりはじめている。
久々に初めの女性と出会ったバーに来てみた、理由は
無いのだが最初と最後が同じ場所というのが面白いかな?
程度の考えで来店してみた。
店の奥のカウンター席にブロンドのロングヘアーで知的
な眼鏡を掛けた女性が一人お酒を飲んでいた。
ちょっと苦手なタイプではある、出来る女、みたいな
タイプは緊張して会話が途切れそうで怖い、小心者である。
でも最後だし、なんて思い意を決して話しかけてみる。
『お一人なら、一緒に飲みませんか?』
彼女は少し驚いたような表情で答えた
『かまわないけど、私、楽しい会話は得意じゃないわよ?』
おそらく静かに飲むタイプなんだろうなと思い
気を使わせないように答えた
『僕もそんなに話し上手じゃないんです』
『でも、貴方がここでの最後の女性になるかも知れません』
『この店は僕がこの世界に来て初めて女性と関わりを持った
思い出深いところでもあるんです』
『そんな店で貴女を見つけ思わず声をかけてしまいました』
何か緊張してしまい自分でもナニ言ってるか把握できていない
彼女から帰ってきた言葉は
『あら、そうなの? じゃよろしくてよ』
笑顔で快く答えてくれた
僕はその言葉に安堵し彼女の隣の席に座った
『僕の名前は 佐竹 優 です、貴女のお名前を聞いていいで
すか?』
『私は イレーヌ とお呼びくださいね』
イレーヌさんか~緊張するけど美人さんだよな~
『イレーヌさんは、どんな仕事を?』
差し支えない質問で会話を進めることにした
『私はこの町のライフライン整備とその管理をしていますのよ』
『主に生活用水の管理と研究を担当していますのよ』
この町(惑星)では維持管理はこの惑星で産み出された
彼女達が行っている。
この惑星に連れてこられた男性は労働が性行なので
女性と交わる以外は趣味を満喫している事が多い。
僕はといえば日中はスポーツクラブで過ごす事が多い。
『ライフライン関係のお仕事ですか、私もここに来る前は
建設関係の営業してましたので水道施設関係の建設を
請け負ったことあるんですよ』
何か少し懐かしくなってしまった、こんな話題も楽しい
と感じてしまう。
彼女も少し興味があったのか、僕の話しに乗ってきた
『貴方の以前住んでいた惑星では水はどの様に作られて
いるのですか?』
僕もあまり詳しくはないので知る限りの範囲で答えた。
『綺麗であれば、そのまま飲まれますが、それ以外は
薬品やフィルターで濁質を除去してから飲用していた
と思います』
『こちらでは、どのようにしているのでしょうか?』
彼女の答えに僕は驚いた。
『薬品、フィルターは使いませんよ。薬品は人体に悪いし
フィルターの使い捨ては資源の無駄遣いですよ』
『ここでは、ある程度の汚れの粒子は重力を操作して
取り除いた後にイオン放電処理で綺麗にしてるのよ』
え、この惑星の科学技術って重力操作!できるの?
僕が地球に居た頃は微弱な重力波の痕跡発見とかニュース
で騒いでたと記憶してたけど・・・・
『重力を操作って凄いですね、僕の住んでいた惑星よりも
科学技術は遥かに進んでいるんですね』
ここの技術を地球に持ち帰ったらノーベル賞貰えるよ!
などとお互いに多少の接点が有ったのが二人の雰囲気を
良い方向に向かわせ、程無く性行に至った。
次の日、自宅での目覚めは幸せな気分だった
昨晩のイレーヌとの出会いは最高の締め括りになりそうな
予感がしていた。
僕の気持ちを感じ取ったのかメイドのアズサが朝食の準備
をしながら話しかけてきた。
『昨晩のお相手はご主人様にとって良い出会いとなった
ようですね。ムフフフ』
何か照れ臭いので、素っ気無く答えた
『ま、そうかな・・・・』
思い出したかの様にアズサは言った
『ご主人様にメッセージが来ております、昨晩の報告の
ようですが、ご確認しますか?』
空中に現れたメッセージを開封してみると
『お~アズサ聞いてくれ、とうとう解放条件の500人
を達成したぞ!』
『おめでとうございます、ご主人様!』
『ん?管理者ウルゲンから解放の説明があるらしい』
『朝食を食べたら行ってくるよアズサ』
随分と久しぶりにこの惑星に呼び出された場所に来た
『相変わらず白い何も無い部屋だな・・・』
目の前に浮かび上がるように管理者ウルゲンが現れた
『久しぶりだね佐竹君、解放条件は達成されたので
その説明の為、ここに来てもらったよ』
『初めに解放条件だが、二つあるのだよ』
どうやらどちらか選ばなければならないようだ。
選択肢はどちらか選ぶこと、現状の維持は無いとの事。
1、この地に残る、但し別の街であり子孫は残せず
容姿は死ぬまで変わらない。(寿命はある)
2、惑星を与えられ、そこの統治者となり子孫を残し
文明を築いていく。
子孫を残すために関係した女性を10人選択し
連れていける、僕と選んだ女性は長期の寿命を
与えられ子供達を導く役目を負う。
子供達は惑星と共に限られた生を全うしていく。
このどちらかを数日中に選択しなければならない。
1、は男として理想的な生き方と思えるし、何となく
楽なような気がする。
2、は一瞬いいかなと思ったが、面倒な感じだし
責任がありそう・・・
に2、3日で決めることを約束しその日は帰宅する
ことにした。
『アズサ、今戻ったよ』
『ご主人様、おかえりなさいませ』
『どの様なお話だったのですか?』
どうやらアズサは解放の条件については知らないようだ。
『解放の条件は二つの選択肢があるようだよ』
『ご主人様はもう決めたのですか?』
アズサは少し寂しそうな表情で聞いてきた。
『いや、まだ決めるまでには時間はあるから決めて
ないよ』
『アズサ、聞きたい事があるんだけどいいか?』
『何でも聞いて下さい、ご主人様』
僕は決断の前にアズサの気持ちを確認したかった。
『アズサは僕の事を主従関係は別として愛すべき
対象に入るのだろうか?』
『答えにくいなら、答えなくていいよ』
しばらく沈黙の後、顔を赤らめてアズサは答えて
くれた。
『ご主人様の事は初めてお会いした時から愛して
おりました、願いが叶うならば、ご主人様と
いつまでも一緒にいたいです。
私の全てをご主人様に捧げます』
言い終えると恥ずかしそうに下を向いたまま
小さく震えていた。
こんなアズサを僕は愛おしく思えた。
『僕もアズサの事を愛してるよ』
僕は震えるアズサを抱きしめ優しくキスをした。
三話からはこの物語の本題に入りたいと思います。
気長によろしくです。