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New life  作者: 中神 雄喜
18/18

第一章(18)ガッタス教国

ガッタス教国での宗教国らしからぬお話となります。

でも人間の欲望とはこんなものでは?


◇◇◇ガッタス教国、枢機卿執務室◇◇◇


コンコン♪


『入れ』


『失礼しますトラカ枢機卿、私を呼ばれたのは何か厄介事でしょうか?』


『次期教皇選出の事は知っておろう・・・どこまで知っている?』


『トカラ様とオブライ様が候補に上がり現在は両者拮抗していると

 存じております』


 そうだな、暗部の者とて情勢はしっておろうな、この男マーレは暗部に所属

しているが儂の子飼の部下である事は知られてはおらぬ、マロウ枢機卿の動向

次第で決まりそうな感じだが、どうも何か問題を抱えていると聞く。

このままでは選考を辞退する可能性もあろう、問題の内容次第ではこちら側に

取り込み、まだ決めかねている少数の者を我が派閥にする事も出来よう。


『マロウの身辺を詳細に調べよ、こちらに有益な事が有るやもしれぬ

 教皇選出まであまり時は無い急ぎ調べよ』


*マーレは早速調査行動に入りマロウの邸宅で起こった事件を知り不自然さを

 感じた。


  マロウは教国でもかなり上位の枢機卿であり屋敷の警備は厳重なはず

 そう簡単に忍び込めはしないだろう、暗殺者は何故あんなに簡単に忍び込み

 婦人を襲う事ができたのだ? 

 暗殺者に協力者が居たように思えてしまう、マロウを暗殺すれば教皇選出に

 支障がでるだろうから婦人を誘拐しマロウを脅迫する考えなら理解できるが

 状況は暗殺のように思える。

 何か他に理由が有るのではなかろうか・・・

 この襲撃は教皇選出の妨害が目的ではなく別の意図があったと考えれば

 どうだろうか?

 婦人の暗殺を目的だった・・・それでも侵入が容易だった理由にはならない。

 侵入を容易にする為には内部に協力者が必要だ・・・

 教皇選出の時期に合わせる事で本来の目的を偽装しようとしたのか?

 分からない事ばかりだな、何か見落としているのだろいうか?

 今回の調査で分かった事を整理すると、婦人の暗殺を実行しようとした。

 侵入経路は不明だが屋敷内に短くない時間潜伏していた形跡がある。

 婦人が狙われるような事実関係が確認できなかった。

 やはり調査範囲を広げる必要が有りそうだな・・・

 教会内部で探りを入れたが今回の襲撃に繋がる原因は分からなかった

 暗殺者は隙を見て逃亡したらしいが・・・逃亡した暗殺者を探し尋問

 する方向で進めるか。


◇◇◇教国のとある酒場◇◇◇


『待たせたな・・・』


『いや、話の内容によっては楽しく呑める時間なのだがな』


*マーレは古くから付き合いのある裏の情報屋であるローグと会っていた。


『マロウ枢機卿邸宅での襲撃事件は知っているか?』


『情報統制案件だな、教国民は知られていないようだが我々のような

 者にとっては知らぬ事では無いがな』


『犯人は逃走したと聞くが、その辺の情報を掴んでいるか?』


『襲撃から数日間の足取りは確認しているんですがね、ある日を境に

 消えた様に情報が入って来なくなってますな』


『何故だ?殺されたのか?』


『生死は不明ですが、秘密裏に処理されている案件と考えると可能性は

 事実を隠蔽しているか情報を持っていないかではないでしょうか?

 それに暗殺を阻止したメイドの事が気になりますな』


『そのメイドの情報はどうなのだ?』


『経歴を探って得た情報では戦闘技術を持っている変わった経歴の

 持ち主ではありますが不審な点は無いようですな、しかし特殊な経歴

 でありながら情報が素直に探れる点が逆に不自然に思えます。

 襲撃者とメイドについては引き続き調査を行います』


『そうだな・・・探っている事は悟られてはならん』


『承知しました』


◇◇◇ティーナの憂鬱再び◇◇◇


 ガスパル教皇とアリアン婦人の関係性を知ってしまったのは良いけれど

これからどうしようかしら???

今の教国状況では教皇が選ばれても戦争に対してのスタンスは変わらない

だろうし、停戦に向けて動くとは思えない。

ここは終戦後に私達の意向に沿う人物を選定する・・・ん〜現時点で候補は

二人の枢機卿なんだから現状では無理な考えね。

そもそも教国が戦争に加担した理由は領土拡張に伴い信者の獲得なんだから

思惑が通れば良しだし、駄目でも現状維持なんだよね・・・

でも教国が支援している状態では両軍の戦力は拮抗しているから戦争の集結

は難しいんだよね・・・

そう考えると今のところはこちらの指示に従いそうなマロウ枢機卿の息のかかった

候補を操る方向で動いた方が良いのかな?

ここはマロウ枢機卿に接触し話を聞いた方が良さそうね。


*ティーナは密かにマロウをとある廃墟に呼び出し彼の意向を受け入れる

 事のできる枢機卿が何人いるのか確認する。


『確認したい事が有るの、貴方は時期教皇選出には出ないようだけど

 その理由を聞きたいわ、それと支持する候補は誰?』


『私は今の教皇とは師弟関係にありました、私が教皇になる事が自然な

 流れでしょうが、貴方様に見破られた様に私には邪な考えがありました。

 教皇も口には出しませんでしたが私が教皇になる事を望まないでしょう。

 今度の教皇選出には参加しないつもりです』


 なるほど妻の素性が関係してるのでしょうが・・・候補者も現状では支持が

拮抗しているようだし、現状は動きづらいわね、二人以外に候補者は現れない

でしょうから候補者二人に接触してみようかしら。


『分かったわ、なら二人の候補者に私を紹介しなさい、教義に精通している

 者で時期枢機卿候補とか何とか理由を付けてね』


『その理由は少々強引かと思われるのですが、大丈夫でしょうか?』


『そうね・・・訳あって他国の教会で過ごしていたが、彼女の特殊な能力が

 開花した事で教会本部に呼ばれる事となったとかね』


『分かりました、二人の候補者に伝え返事を聞いて参ります』


*マロウは両候補者に面会の申込みをしたところ、すんなりと面会は

 受け入れられティーナに伝えたのだった。

 

『もう少し手こずると思っていたけど杞憂だったわね・・・褒めてあげる』


『ありがとうございます、貴方様が優秀な枢機卿候補であり女性でもある

 事が理由ではないでしょうか?』


『何故、女性が理由になるのかしら?』


『我々は神に仕える身分ですが、所詮は人です。一般人よりは欲深くは

 ないでしょうが多少の欲はございます、枢機卿になる事では入信時より

 出世欲が少なくなる分、他の欲求が強くなる方もいるでしょう。

 その一つとして性欲があり、側仕えとして女性を所望する事があります』


『なるほどね・・・なら女性である事を利用しましょう』


◇◇◇二人の候補者◇◇◇

 

『初めてお会いします、ティーナと申します。此度はお会いくださり光栄です』


『まあ、その様に緊張せずにお座り下さい、それで何用ですかな?』


『神様のご加護により新しき力を得、他国の教会より教会本部に移動する事と

 なり時期教皇候補となっている枢機卿様にご挨拶と思いまして伺いました』


『それは良き行いですな、貴方の事は先日の枢機卿の集まりの際に報告は聞いて

 います、予言に似た能力と聞いているが・・・儂の未来も見えるかな?』


 トカラ枢機卿は実務経験が豊富と言われる人物なのよね、何と答えるべき

かしら・・・教皇とは教会幹部や信者を導くのが役目、けして神の代行では

ないのだから教国民の人気より実務や統治能力が重要じゃないかしら。


『私の得た力では望む未来を見る事はできないのです、何かのきっかけで

 見えるだけですのでご希望にお答えできず申し訳ありません』


『そうでしたか・・・お気になさらず、貴方は枢機卿の地位に就いたら

 何を成さりたいのかな?』


『今までと同様教国民の幸福と安寧に祈りを捧げます』


『お〜それは素晴らしい心がけですな、精進なさい貴方の事は覚えて

 おきましょう』


 なかなか用心深いようね・・・初対面から何か仕掛けられると予想

してたけど、しかし覚えておくって事は教皇に選ばれてから改めて

アプローチが有るでしょう、こっちだって枢機卿になりたいという

弱みも有るのだしね。

その後は当たり障りのない会話が続き20分程で会談は終了した。


『本日はご挨拶の機会を頂きありがとうございました、今後も

 より一層の精進する事をお約束いたしましょう、今回はこの辺で

 失礼いたします』


『貴方の今後に幸多かれ』


 あの女・・・次はオブライに面会をするとか・・・あやつの女癖は

枢機卿の間でもよく知られておるからな、下手したら身も心もボロボロ

にされるやもしれんわな。

この協会本部にもあれほどの美女はいまい、儂も久々に、あそこが疼き

よったわ。

しかしマロウが関わっている所と聞く・・・何か裏があるのではないか?

何も無ければ教皇の座に就いたのなら儂もあやつの体を味わってやろうぞ。

オブライには渡すものか・・・

それまでにマロウとの関係を暴いておかねばな。


 さて次はオブライ枢機卿よね、教国民には人気が有るみたいだけど

枢機卿達にはその人気故に妬んでいる者たちが少なくないとトカラ枢機卿

は言っていたわね。

人気だけで枢機卿になれるとは思えないし・・・会ってその辺の探りたい

ですね、面会予約は7日後に取れたのでそれまでは出来る限り情報を

集めましょう。


 前日に面会場所の連絡がきたのだけれど何故に自宅?

トカラ枢機卿との面会は教会内の一室だったのだけれどもオブライ枢機卿

は自宅での面会を指示してきた、それも私一人でとの事。

この大切な時期に女性一人を自宅に呼びつけるなんて良い判断とは思えない

私と二人だけで話す内容に彼のメリットがあるとは考えにくい、目的は

私との肉体関係???なら不味いわね、跳ね除けるのは問題ないのだけれど

それをしてしまったら私は教国では活動はできなくなわね。

何か良い方法はないかしら・・・

誤解?されるような行動をするなんて人気が有るだけで人格的に問題だと

思うのだけれど・・・この情報をトカラ枢機卿に流せばどうかな?

トカラ枢機卿からすれば有意義な情報なんだけど、その辺はオブライ枢機卿

だって分かっていると思う、ならば何故この時期にスキャンダルになりそうな

行為をするのでしょうか?

明日の面会は理由を付けて伸ばして少し調査をした方が良さそうね。


*一度キャンセルしたオブライ枢機卿の面会を再度設定しようとしたが

 警戒されたのか中々日程を押さえる事は難しく結局面会は中止となった

 そして調査は進む。


 徹底的に調査したけど私を自宅に招いた理由は確定はできなかったのよね

いくつかの理由らしき事は出てきたのだけれども・・・

一つは彼の取り巻き達に修道女が多いのよね、ガッタス教国は女性の枢機卿

は認めているのだけれど現在は一人もいないし私が初の女性枢機卿候補と

いうのも無理やりマロウ枢機卿を使って既成事実を作っただけだしね。

私の貞操を狙っただけなのかな???

そんな単純な目的でリスクをおかす・・・ん〜分からないわ。


◇◇◇オブライ枢機卿邸宅◇◇◇


『あの女・・・忌々しい』


 久々に見栄えの良い女だったのだがな・・・思い返しても涎が出るほど

の体よの・・・飽きるまで犯してやりたかったわクソが。

儂は教皇の座などには興味は無い、こんな堅苦しい国には嫌気がするわ。

外部に事が漏れ万が一スキャンダルになろうとも教皇候補からは外れる

だけの事、処分についても揉み消すのは儂の立場なら問題なかろう。

枢機卿になったのは十分すぎる報酬と権力が手に入るからだ、お陰で

贅沢な暮らしと女ども(修道女)も手に入れた、神の試練とでも言えば

喜んで体を差し出してくる、また新しい性処理女をと思っていたが

逃げられるとはな・・・ま、教会本部に移動になったのであれば

次は逃げられない様に計画すればよいのだ。

あの体・・・考えただけで興奮が止まらぬわ、待っておれ。


 この体の疼き・・・今夜は数人寝室に呼ぶとしよう。


『誰ぞ居らぬか・・・』


『お呼びでしょうか、枢機卿殿』


『修道女を集めよ』


*オブライ枢機卿邸宅の一室に彼の取り巻き修道女が集められた。


『昨夜、神の啓示が降りた今夜選ばれし者に祝福を与える儀式を行う、

 いつものように足を少し開きなさい』

 

*修道女達は足を開き目を閉じていた、オブライは足の隙間から手を入れ

 陰部を触り始めた。

 指を入れ締め付け具合を確認すると三名選び寝室へと連れて行く。


『始めるぞ、生まれたままの姿になりベットに横になり股を開きなさい』


*オブライは陰部を指で開き舌を入れ始めた。


『穢を浄化するぞ、感じるままに声を出しなさい、声が浄化の助けになろう』


*三人の修道女達は喘ぎ声を発しながらオブライに身を任せていた、行為は

 更にエスカレートしていき朝には全身外も中も精液まみれとなりベットに

 横たわっていた。

 

『祝福は与えた、身を清め神に祈りを捧げなさい』


*修道女達は部屋を出ていきオブライは不敵な笑みを浮かべていた。


そろそろ戦争に対して直接的な介入をしていき物語の

核心に近づいて行く事になります(^^)

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