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New life  作者: 中神 雄喜
12/18

第一章(12)

佐竹のパートナー達の本格的な行動が開始された、ストーリーは静かに進行している。

それぞれの国の思惑と真実、そして彼女達の報告を受け佐竹の今後の行動が13話と

なる序章である。

*ラムはアステリア王国での協力者ルーベンを得たが王国内での

状況を確認する為、王宮内に潜入する準備をしていた。

王宮は閉ざされた世界であり、協力者や外部の調査では見えない

情報があると判断したのだ。

アステリアは戦争当事国ではないが食料輸出を積極的に行っている、

その目的が単に利益だけなのか・・・

利益だけがが目的であれば双方に知られないよう輸出した方が

利益は大きい、しかし現状はエストラエル国だけに輸出している。

ラオビサウ共和国は戦況が戦力が不利な状況に加え食料も不足して

いる状況では長期戦は不可能であり勝利は望めないであろう。

ラムはアステリア王国にあるメイド組合に来ていた。


『すいません、こちらに登録をお願いしたいのですが』


『この仕事は信用が大切ですので登録には、この国に住まう方の

 紹介と保証人が必要になります。

 紹介者、保証人は身元確認の為、登録申請時に来ていただく事に

 なりますが、よろしいでしょうか?』


『そうでしたか、今日は無理なので後日出直してきますね』


 なるほど・・・邸内に入れるのだから当たり前ですよね

どうしましょうか。

ルーベンに頼みたいけど私はジャーナリストって設定で説明して

るのでメイドって変よね、どうしようかしら・・・

潜入取材って・・・何の取材って聞かれそうね・・・

今現在はアステリア王国は安定しているし、戦争で国益が増して

いる事は悪い事じゃないわよね。

じゃ、ー戦争特需の王国指導者は今何を考えているのか?ー

こんな感じの取材なら違和感はないかな?でも取材した内容は

ルーベンに報告し公表は彼の判断に任せるにしましょう。

これで行きましょう!


~~~〜〜〜〜〜〜アステリア王国、ルーベン邸~~~~~~~~~


『久しぶりだねラムさん、どうしたの?』


『お願いがあって来ました、前に取材をしている事は話したと

 思うのだけれど、王室内の取材を申し込みしたのだけれど

 許可が下りなかったわ。

 どうしても確認したい事があって取材がダメなら言葉は悪いけど

 潜入取材をしたいと考えメイドとしてどうかなって思って

 メイド組合に登録に行ったのだけれど、保証人が必要らしくて

 貴方に頼めないかと・・・

 悪意があって暴露とかは考えてないし、取材で得た情報は貴方に

 隠さずに報告します。』


『そうでしたか・・・協力には確認したい事が幾つかあります

 初めに協力する事は王国にとって不利益にならないか?

 スキャンダル暴露や内政批判などに利用されるのであれば

 それが真実でも私個人としては協力はできないな。

 もう一つは貴方が調べたい内容と知り得た情報の扱い。

 最後に貴方の記者としての証明をお願いしたい』


 だよね、潜入だもんね。

 ここは旦那様に協力してもらわないと難しいわよね・・・

 

『わかりました、記者としての証明は社に戻らないとダメなので

 出直して参りますね』


 さて、どうしたものか・・・ラムさんの頼みだしな協力して

あげたいが、内政批判になる可能性が有りそうだよな。

内政は安定してるし国民にも不満を抱く人は少ないと思う。

それでも何か有るのだろうか?

やはり協力する前に詳しく事情は聞きいた方が良いだろうな。


*ラムは佐竹に会いに来ていた、戸籍の偽造や偽りの関係者の

 記憶操作などをお願いの為に。

 全てを行うのに数週間を要した、その後ルーベンに会いに

 彼の邸宅を訪れていた。


『お待たせして御免なさい、これが社員証、こちらが王国発行

 の戸籍謄本です』


『拝見いたします、アスオン・タイムスですか・・・エストラエル

 では大手の出版社ではありませんか。

 そして・・・ラムさんは貴族でしたか、ホマス騎士爵家。

 了解しました、こちらでも確認したいので10日後にお越し

 ください』


『よろしくお願いします』


『ラムさんが取材対象が何なのかはその時に聞きたいのですが

 宜しいでしょうか?

 王室への潜入取材ですので私自身もリスクが有るわけですし

 知っていたいのです』


  無理もないですわね・・・普通に考えたら怪しすぎる。

 この方は私に好意を持っているからこそ話を聞いてくれるの

 よね、それに本当の事は話せないから彼用に別件のネタも

 用意する必要がありそうね。


『わかりました、ではよろしくお願いします』


~~~〜〜〜〜〜〜〜〜10日後ルーベン邸〜〜~~~~~~~~~


『お待たせしましたラムさん、確認は取れました。

 疑うような真似をして気を悪くしたかもしれませんね。

 それと前にお話していた何を取材したいのか、お話していただき

 たいのですが』


『私達の調査で戦争当事国に対して食料輸出に格差があるよう

 なんです、初めは財政事情ではと考えていたのですが調査を

 進めていく中で別の理由が有るのではと・・・疑える事例が

 幾つか確認されたんです、エストラエルとアステリアとの

 間で何らかの密約が交わされたとの情報が得られました。

 他国の事情なのですけど我が国も関係しているのであれば

 真相を探るのがジャーナリストですから』


『すると、調査内容については現状不明と解釈してよろしいの

 かな?

 それと調査内容は調査中でも報告は可能だろうか?

 終えてからの報告では内容によっては私が王国反逆罪に

 問われる事が可能性もある、常に調査状況と内容を確認できな

 ければ協力はできない』


『分かりました、報告は7日ごとに場所はルーベン邸では

 どうでしょうか?』


『私はラムさんを信じたいと思います、知り合った期間は短い

 ですが、貴方からは何かを感じるのです・・・直感みたいな

 ものですが。

 申請に必要な書類は今作らせているので少しお待ち下さい。

 私は用事があり出かけますが、出来次第ここに執事が持って

 来る事になってます。

 では、7日後に会いましょう』


  何とかなったわね、定期報告内容は多少の手直しが必要ね

 今の段階での調査から考えても正当な理由が有るとも思えない

 しね、内容によっては彼に迷惑をかけてしまいそう。

 では、メイド組合に行きますか。


『ラムさん、廊下の清掃は済みましたか?』


『あと少しで終わります』


『済み次第、庭園の掃除をしてください』


『はい』


 もう少し王宮内部に行かないと情報を集めるのは困難だわね

何か良い方法はないのでしょうか・・・

しかし王宮内は警備が手薄に感じますね、この状況なら私が

勤務を終えてから王宮内に忍び込めそうですね・・・

その方が短時間で調査ができそうだわ。


*この日ラムは早朝からの勤務であったので午前中で仕事を終えた

 与えられた部屋の天井から侵入し王族の部屋に向かった。

 王の部屋には后と王子、側近の貴族が話す声がしていた。


『シモン公爵よ戦の様子はどうなっておるか』


『思惑通りエストラエル国が優勢との報告が上がっております。

 ラオビサウ共和国はガッタス教国の支援を受ける事で不利な

 戦況を変えようとしたようですが、エストラエルの新兵器に

 よりその思惑は潰れたようです』


『父上、どちらが優勢であろうと関係ないではありませんか・・

 我々は戦を楽しんでいるだけでしょう?』


『それは少し違うぞ王子よ、エストラエルが勝てば密約で

 ラオビサウ領土の三分の一を我が国の領土とすることを約束

 されておるのだ。

 我々はその領土を再開発により軍備拡張と食料の増産を行い

 戦争に加担したガッタスをエストラエルと共に討つ計画でな。

 それにな平和は退屈でならんよ』


『民は王族を楽しませなければならないものよ、税を収め

 王族の為に生き、そして死んでいくの、これが民の生き方なの

 ですよ』


『そうですな后様、民もこの戦争を楽しんでおるようです。

 特に長い平和の世を過ごした若者は興味を示しているようで

 中には志願兵として戦地に行く者もあると聞いています。

 我が王国が戦となれば多くの若者が兵士に志願するでしょうな』


・・・・何となくだけど予想はしてたわ、平和とは何と残酷なの

でしょうか・・・

王族は望むままに国を動かし国民の命を弄ぶ行為、それに何の疑いも

無く王族の命を受け入れる国民。

以前に佐竹さんから聞いた事を思い出しました、平和とは戦争の準備

期間だと・・・佐竹さんの生まれた星の言葉だったかしら?

この様な事情では彼に報告する内容を考えないとダメね。

内情を知らない国民には王族の評判は良いらしいし・・・

もう少し調査を続けた方が良さそうね、王族以外にも何かありそうな

予感がしますわ。


~~~~~~〜〜〜〜~エストラエル国の策謀~~~〜〜〜~~~~~~


*サリーはダーキニーの政治犯として無実を晴らす事に成功し共に

 行動してた。

 

『ねえ、サリー・・・今後の活動についてなんだけど

 助けてくれた事には感謝するけど、私の行動は貴方の望む行動になる

 とは違うかもしれないけど、いいかしら?』


『ええ構わないわ約束だもの。

 でも行動を共にする事と私の考えに共感した時は協力してくれるって

 条件でいいのよね?』


『貴方って何が目的なの?私に協力できる事があれば良いのだけれど』


『私は、ある方の命令でこの戦争について調べているのです。

 どちらの国にも情報提供などの加担はしませんし中立とも言えません

 どの様に説明したら良いのか・・・

 確実に言える事は貴方の邪魔はしない事は約束できます』


『どの様に私の無実を証明したのかは聞きませんが、私は何かの陰謀に

 に巻き込まれたのですか? その事は教えてほしいのですが』


 その辺は聞きたいよね、民衆を味方にするとかを考えはしたけど

工作の難しさと時間を考えると佐竹さんに頼んだ方が良さそうなので

お願いしてしまったけど、毎回思うけど旦那様の意識介入能力には

驚かされます、そのうち教えていただきたいものね。


『無実を証明した方法については、こちらの事情でお話することは

 難しいですね、そしてダーキニーさんは利用されたと思われます。

 まだ調査中なので今の段階でお答えするのは控えさせていただきます』


『そうですか、こうして自由の身になれたのですから過度に詮索する

 事はしない方がよろしいですね。

 私はこれから仲間と合流し以前から計画していた事を実行しなければ

 なりません、それはサリーを危険にするかもしれないの。

 だから一緒に行動するのはどうかと・・・』

 

 何をするつもりなのかしら・・・政治絡みなのは確かね、政治

活動団体のメンバーなのだしね。

でも自由になったばかりなのだから、もう少し慎重になった方が良いと

思うのだけれど・・・

彼女の行動は私の目的と一致する所が多いってのもあるのよね〜


『大丈夫よダーキニー、貴方の行う計画には協力できそうな

気がするのよ、今回だって役に立ったでしょ?

それとも疑ってる?』


『サリーの事は信じてるわ、でも秘密も多そうだしチョット怖い

 かな・・・

 わかったわ、一緒に行きましょ』


 彼女からすれば無実を証明し収監から開放し更に行動に協力など

申し出るなど明らかに何らかの組織に所属していると思われても

しかたないわよね。

でも、そのくらい用心深くないと協力者としては不適格だしね

私も彼女の事は嫌いじゃないし、協力者としてだけでなく多少なら

力になってあげたいかな。


~~~~~~〜追求する者、騙す者、騙される人々〜〜~~~~~~


 二人は街中にある小さなカフェに来ていた。


『サリー、ここで思いを同じくする者が集まっているの』


『こんにちは、みんなは来てる?』


『ダーキニーさん久しぶりね元気でしたか?

 皆さんは奥の部屋に集まってますよ』

 

『行きましょうサリー、皆に紹介するわ』


 彼女の繋がりには少し興味があるわね、彼女達の行動を邪魔は

したくないし、私達の目的に沿えば協力はしたいと思う。

おそらく政治活動の仲間だと思うけれど中央に影響力がある者が

いれば良いのだけれど・・・


『お久しぶりです皆さん、突然ですが新しい仲間を紹介したいと

 思います、私の隣にいる方がサリーさんです。

 彼女は収監された時の私の弁護士なんです、無実を証明して

 くれた事で今ここに居られます。

 それに私達のお手伝いを申し出ていただきました。

 それが彼女がここにいる理由です』


『サリーと申します、弁護士としてダーキニーさんと知り合い

 ました。

 収監された理由を知り彼女の話を聞いて私にも何か手伝えるの

 ではないかと思い、この会合に参加したく同行をお願いいたし

 ました』


 なんか私の事、睨んでる方もいるような・・・

だよね、警戒されるのは仕方ないけど。

ダメならダメで諦めるしかないわね。

あ、何か言いたい感じよね彼女。


『ダーキニー、窮地を救ってくれた事で信頼しているのは分かるけど

 この会合に連れてきたのは少し迂闊じゃなくて?

 サリーさん御免なさい、悪意は無いのよ、でも分かるでしょ?

 私もメンバーの事を心配しているの』


『お名前を伺ってもよろしいでしょうか?』


『マイナよ』


『マイナさんの心配は最もだと思います、私の配慮が足りなかった

 ですね。

 自己紹介をしたいと思います、先程サリーさんから紹介された

 とおり私はエストラエル国の弁護士をしております。

 弁護対象は国費で弁護を希望している方、国選弁護人としての

 依頼がほとんどかな。

 サリーさんの件は運が良かったと思います、素性は明かせませんが

 知り合いから有益な情報を得る事ができたのです。

 そして彼女の弁護し、事情を知る事で何か協力でできるのではと

 考えました、弁護士という職業柄かもしれません』


『ダーキニーが信用している事に対して異論は無いんだよ・・・

 ただ私もリーダーとしての責任がある、メンバーの安全を考え

 なければならない立場なのさ、ダーキニーもサリーさんも

 分かるよね』


『マイナ、ごめんなさい私を救ってくれたサリーを私は信頼して

 いたけれど、その事とメンバーに会わせる事とは別の話よね

 軽率だったわ』


『政治活動をしているのですから、私も安全を考慮すべきでした

 ダーキニーさんにも、皆さんにも迷惑をかけてしまい

 申し訳ありません』


 信用される何かないかな・・・もう少し時間をかければ・・・

って今さらか・・・無いな。


『サリーさん、ここに来てしまったのだから今更ですね

 ダーキニーが信用したのですから私達も信用しましょう』


 そして会合は始まり私は一員?仲間?として受け入れられた

のだろうか・・・

そろそろ第1章の終盤になるのですが、広げすぎたストーリーを一旦整理したいと

考えています。

次話投稿が遅れるかもです。

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