「君に聞かせる物語1お腹のすいたお兄ちゃん」
子供に聞かせたいなぁと思う話を書いてみました。お兄ちゃんの冒険です。
あのね、僕が子供のころのお話だよ。
僕のお友達のお兄ちゃんは、とってもお腹をすかせていたよ。
いつもいつもお腹をすかせていてね
「ぐぅーぐぅー」ってお腹がなるんだ。
お兄ちゃんは、お腹がすくと何でも食べちゃう。
「あーお腹がすいたなぁ。そうだ!木の実を食べよう」
むしゃむしゃむしゃ
「でも、まだお腹がいっぱいにならないなぁ」
ふと見上げると、わたあめみたいな雲がうかんでる。
「そうだ、あの雲を食べよう」
お兄ちゃんは雲に手を伸ばしてみたけどとどかない。
「困ったなぁ。・・・そうだ!あの木に登って雲をつかまえよう」
お兄ちゃんは木に登り、手を伸ばしてみた。
「あれれ、もっと遠くに行っちゃった」
すると大きな栗の木が言った。
「雲はもっと高いところに行かないとつかめないさ」
「うーん困ったなぁ・・・」お兄ちゃんは考えました。
「そうだ!あの灯台にのぼれば、雲がつかめるかもしれない!」
お兄ちゃんは町の丘の灯台にのぼりました。かいだんをいっぱいのぼりました。
「あれれ、やっぱり遠くに雲が行っちゃった」お兄ちゃんはお腹がすいて悲しくなってきました。そしてとうとうシクシク泣き出しました。
すると、灯台が話しかけてきました。
「どうしたんだい?何がそんなに悲しいんだい?」
「わたあめみたいな雲を食べたかったの。でもつかまえられないんだ。僕、お腹がすいて悲しいんだ」
すると、灯台はニッコリ笑って優しく言いました。
「いいかい?雲は雨になって草や木や森を育てるよ。雲は雨になって川になって魚を育てるよ。みんな雲のおかげでおいしいごはんが食べられるよ。」
「雲が雨になるの?」
「そうだよ、みてごらん。町にはたくさんの人がいるよ。みんな夜になるとおうちに帰るよ。雲も雨のおうちだよ」
「そっかぁ、じゃあ雲を食べたら雨のおうちがなくなっちゃうね」
「そうだね。ほら、どこかのおうちからごはんのにおいがしてくるよ。きみもおうちに帰ってごはんを食べよう」
「うん!」お兄ちゃんは大きくへんじをしました。
「ねえ灯台さん、みんなおうちがあるの?」
灯台は言いました。
「そうだよ、みんなおうちがあるんだよ。小鳥にもクマにもおサルさんにも。君も生まれてくる前はお母さんのおなかがおうちだったんだよ」
「そっか!僕もおうちに帰ってごはんを食べる」
お兄ちゃんは灯台にさようならをすると、
おうちに帰っておいしいごはんを食べましたとさ。
おしまい。




