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「君に聞かせる物語1お腹のすいたお兄ちゃん」

作者: 羊谷れいじ
掲載日:2017/02/26

子供に聞かせたいなぁと思う話を書いてみました。お兄ちゃんの冒険です。

あのね、僕が子供のころのお話だよ。

僕のお友達のお兄ちゃんは、とってもお腹をすかせていたよ。

いつもいつもお腹をすかせていてね

「ぐぅーぐぅー」ってお腹がなるんだ。


お兄ちゃんは、お腹がすくと何でも食べちゃう。

「あーお腹がすいたなぁ。そうだ!木の実を食べよう」

むしゃむしゃむしゃ

「でも、まだお腹がいっぱいにならないなぁ」

ふと見上げると、わたあめみたいな雲がうかんでる。

「そうだ、あの雲を食べよう」

お兄ちゃんは雲に手を伸ばしてみたけどとどかない。

「困ったなぁ。・・・そうだ!あの木に登って雲をつかまえよう」

お兄ちゃんは木に登り、手を伸ばしてみた。

「あれれ、もっと遠くに行っちゃった」

すると大きな栗の木が言った。

「雲はもっと高いところに行かないとつかめないさ」

「うーん困ったなぁ・・・」お兄ちゃんは考えました。

「そうだ!あの灯台にのぼれば、雲がつかめるかもしれない!」


 お兄ちゃんは町の丘の灯台にのぼりました。かいだんをいっぱいのぼりました。

「あれれ、やっぱり遠くに雲が行っちゃった」お兄ちゃんはお腹がすいて悲しくなってきました。そしてとうとうシクシク泣き出しました。


 すると、灯台が話しかけてきました。

「どうしたんだい?何がそんなに悲しいんだい?」

「わたあめみたいな雲を食べたかったの。でもつかまえられないんだ。僕、お腹がすいて悲しいんだ」

 すると、灯台はニッコリ笑って優しく言いました。

「いいかい?雲は雨になって草や木や森を育てるよ。雲は雨になって川になって魚を育てるよ。みんな雲のおかげでおいしいごはんが食べられるよ。」

「雲が雨になるの?」

「そうだよ、みてごらん。町にはたくさんの人がいるよ。みんな夜になるとおうちに帰るよ。雲も雨のおうちだよ」

「そっかぁ、じゃあ雲を食べたら雨のおうちがなくなっちゃうね」

「そうだね。ほら、どこかのおうちからごはんのにおいがしてくるよ。きみもおうちに帰ってごはんを食べよう」

「うん!」お兄ちゃんは大きくへんじをしました。

「ねえ灯台さん、みんなおうちがあるの?」

 灯台は言いました。

「そうだよ、みんなおうちがあるんだよ。小鳥にもクマにもおサルさんにも。君も生まれてくる前はお母さんのおなかがおうちだったんだよ」

「そっか!僕もおうちに帰ってごはんを食べる」

お兄ちゃんは灯台にさようならをすると、

おうちに帰っておいしいごはんを食べましたとさ。

おしまい。



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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 ほのぼのとしていて良かったです。 良い話でした。
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