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First Novel  作者: GARAM
9/37

第七話

日が完全に沈む頃…ついに首都エニーフェイスは濃霧に覆われた




カイル『街の灯りが消え次第…王宮に潜入する…』




そして街の灯りが消え街は漆黒と濃霧のベールに包まれた




首都エニーフェイスの…いや…王宮の警備はかなり手薄だった




王室の天井裏に隠れたカイル達




王室と言うだけあって部屋はかなり豪華で広かった




耳を澄ませる…




話し声が聴こえる…と言うことは誰か居るということだ




?『国王!ついに北の者どもが攻めて参りました!もはや一刻の猶予もありません!』




しばらくの沈黙の後




竜『…仕方あるまい…白夜!…直ちに軍を召集編成しなさい』




白夜『各隊の人数の上限は?』




竜『ない…全てお前に任せる』




ついに内乱が始まったってことか…




カイル達は顔を見合わせ退却を開始した




王宮内が騒がしくなり退却しにくかったが話を聴き約十分後




既に彼らは首都エニーフェイス近くの盆地に居た




カイル『内乱が始まったと言うことは同盟の情報が正しい可能性はほぼ0だ』




カイル『…だが…万が一…ということもある。今日はこのまま身を休め、明日ジンとレナと合流後サルティア共和国を目指す。いいな?』




皆が頷きカイル達は身を休めた




翌朝…




カイル達は適当に食材を集め飯を澄ませるとジン達が滞在している国境近くの村フェイタンに向かった




カイル【なんだ…胸騒ぎがする…何か引っ掛かる…何か見落としている?…】




カイル『嫌な予感がする…少し速度を上げるぞ…』




カイルは皆の返事を聴く前に駆け出した




二人も急いで駆け出す




カイル【なんだ?…一体何を見逃した?…】




前にも言ったがフェイタンまでは2日程かかる




太陽が西に傾き夕暮れが近くなる頃フェイタンまでの道のりの三分の二程度まで来た




三人の目の前に誰かが倒れていた




!?レナ!!




そうジンとフェイタンに滞在しているハズのレナだ




カイルはようやく気付いた…




イニア連合国、国王、天地 竜…姑息、どの様な卑怯な手でも何の躊躇いもなく使う。そして策士、知謀に長ける…




カイル【考えられる事は一つ…】




全て…仕組まれていたということ…




情報が自然に漏れた…とは考えづらい…




スパイがいる…




そしてスパイからの情報で国境近くに精鋭を配置…




何も知らない盗賊を装う…




一回目の襲撃で一番弱いであろうレナに標的を定める




そして二回目の襲撃でレナに傷を負わせる…




近くにある村はフェイタンのみ…




しかしフェイタンに居る村人は全員軍属…




そして内乱の勃発間近…というガセ情報を掴ませ油断させる




ガセ情報を本当だと思わせる為に警備を手薄にしていたのは真だろう…




しかし今までの事を考えると竜は潜入していた事に気付いていたかもしれない…




ジンの性格まで漏れていたなら危険と分かっていても大切な誰かの為なら買って出る事も容易にわかる…




そしてジン達を襲った場合…レナを逃がし死を選ぶ事さえも…







だとすると襲撃された時に何故レナを殺さなかった?…




ジン達も油断していたはず…




傷付いたレナなら簡単に…




そうか…健在のジンを油断していない状態で殺すのは難儀…




油断しているジンに深手を負わせ確実に仕留める…




そしてレナや俺達をも殺る気なら…




ここもマズイ可能性がある!




カイル『レナ、ジンは?』




レナは泣きながら首を横に振り俯く…




カイル『そう…か…ここもマズイ可能性がある…移動するぞ…』




はい…




その力無き声は闇に包まれ始めた緑の少ない草原に消えた…

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