第六話
カイル『じゃぁ…頼んだぞ…』
カイルの心配そうな顔が朝陽に照らされている
ジンは頷きレナはすいません…と頭を下げるばかりだ
カイルが口笛を吹くと一羽の鳩が飛んできた
カイル『通常時の連絡法はコイツに文を持たせろ。緊急時は…』
指笛を鳴らすと一羽の鷹が飛んできた
コイツだ。とカイルは言い鷹をジンの肩に乗せた
こうしてカイル,シン,カヤルは首都エニーフェイスへ
ジン,レナは国境近くの村フェイタンにレナの傷が癒えるまで滞在することになった
シン『やっと着きましたね』
カイルが頷く…
太陽が西に傾き始めた頃三人は首都エニーフェイスに到着した
と天に鷹の声が響く
そして漆黒の鷹がカイルの肩に止まった
急いで文を取り出し読んでみた
二人が危機に瀕したわけではないと言うことがわかりカイルは胸をなで下ろした
二人はせめて任務の手助けをと言うことで村で情報収集した結果どうやらイニア連合国の中で内乱が起こりそうになっているらしい事がわかった
イニア連合国が天下統一へと旗揚げしたのは今より約650年前…
巨大化していくシルディ帝国とサルティア共和国に恐怖を感じた小国エニーフェイスは同じような小国17ヶ国に連合書を送った
その内14ヶ国が承諾しイニア連合国となった
小国エニーフェイスはイニア連合国の中心となり首都エニーフェイスになった
だが所詮は安っぽい結束…
簡単に歪みが生じ簡単に歪みが大きくなってゆく…
そして大きくなった歪みは許容量をオーバーし内乱が勃発したのが今から200年前…
そしてまたもや悲劇を迎えようとしているらしい…
勢力は民主主義国と帝国主義国…
前から小競り合いのようなものもあり民の支持率は低下の一方
そして最終的には抵抗軍が出来た…
余談だが軍に屈していない呪符師がいる可能性がある…
ということだった
カイル『軍属ではない呪符師…か…』
シン『先日の輩が異様に強かったのはそのせいですかね?』
かもしれん…そう呟きカイルは天を見上げたカイル『情報では首都エニーフェイスは夜になると霧に覆われる、よって敵情視察は今夜行う。準備を整えておけ』
二人が頷く
そして太陽が沈み始めそれと同時に辺りを闇が覆い始める
ん?
地面が揺れだした
カイル『地震か?』
と首都エニーフェイスの近くから水が吹き出始めた
自然の噴水、原理はわからないが昔から日が沈み始めると首都エニーフェイスの近くの地面から約15m水が噴出する
そして夜になると霧に覆われた首都エニーフェイスになる
朱色に染まる天に噴き出す自然の噴水
その水も朱の光を受け淡い朱に染まり霧となり尚も淡い朱を保ち首都エニーフェイスを包み込んでゆく…
圧倒されるカイル達
幻想的な世界だ…
カイルがついつい言葉を漏らした




