第四話
五人の用意が整い川に入ることになった
水に体を慣らす
こんな低い水温の川にいきなり入れば心臓マヒを起こしかねない
十分に体を慣らした五人は川の真ん中あたりに進み一斉に潜水した
水面が光を反射して水中がよくみえなかったが川の水は恐ろしい程に美しかった
視界の限界近くまで透けて見える水
その川は沢山の命を育てていた
カイル達は息の続く限り潜り続け5分36秒後川から顔を出した
誰も居ないが川下の方を見ると小さな村がある
見たことのない村なので容易に入国出来たとわかった
この後は陸路を進むだけなので楽だ
一休みする事になりカヤルとジンが自身の異変に気付いた
ジン『服の中に魚が入ってる!!』
カヤル『俺もだ!!』
ジンの服の中には魚が二匹
カヤルの服の中に至っては八匹も入っていた
丁度小腹が空いたので少し早いお昼ご飯になった
塩洗いしてから串刺しにしてそのまま焼いて食べ
新鮮な事もあり、とても美味い
その後五人は陸路を進み始めた
シルディ帝国と同じで国境近くは土地が荒れていたが少し進むとシルディ帝国とは違った美があった
シルディ帝国は大半が土地なのだがイニア連合国は半分近くが川や湖
よって水を使った装置が沢山あった
巨大な水車
巨大な風車
山からも水が噴出している
その水は地に着くことなく霧になり消えていく
その景色に圧倒され感激された五人の足は一時止まっていたがまた歩き始めた
イニア連合国の首都エニーフェエスまでは二日程かかる
途中何度か野宿しながら進んで行く予定の五人
日が暮れ始め一目に付かない所を拠点として再び食材探しが始まった
カイルの成果はウサギ一匹
シンの成果は山野菜
ジンはまた食欲キノコ
カヤルは…天然山葵…
レナは勿論料理の支度
お前山葵食えよ?笑 お前の飯全部山葵入りな?笑 といじられたのは言うまでもないな
飯を終えたカイル達は一人を見張りに置き一時間毎に交代するようにして眠りに着いた
肩を叩かれ目が覚めたカイルは既に真っ暗になった空を見て見張りが回って来たのだとわかった
わかったと言いカイルは立ち上がった
今まで見張りをしていたレナは寝ころんだと同時に熟睡と言う感じだ
慣れていない事をしたせいで疲れたのだろう
川のせせらぎ
風のうねり
カイルはこの国は本当に休まると感じていた
ん?
何かに気付いたカイルは刀に手をかけた
カイル『起きろ!!』
カイルの怒声が響き渡り四人は飛び起きた
カイルの表情から敵襲を感じ取った四人も武器を構える




