第三十一話
遂にカイル達はカイル宅の玄関まで来た
途中、何人かの国民に遭ったが白夜達の顔を知らないのでカイルがまた下の者に優しくしているんだな。としか思っていないようだ
カイルがドアをノックすると中からリンの応答の声が聞こえた
カイル『パパだよ〜ん♪帰ったから開けてチョ』
とカイルが言うと白夜と刹毅はカイルをクールと思っていたのかその言葉がツボに入ったらしく爆笑していた
リン『ママ〜役立たずのパパが帰ってきたよぉ〜』
おい!?一家の大黒柱に役立たずかい!?
扉が開き中から晩ご飯を作っていたであろうサヤが出て来た
サヤ『お帰り、あら?お客様?』
カイル『ん?あぁ、ちょい訳ありでな』
サヤはカイルの話そっちのけでマジマジと白夜と刹毅を見ていた
サヤ『いいわねぇ…青春?アツいわぁ〜美女美男子ねぇ〜』
サヤの言葉は嫌み風ではなく口から自然とそう漏れていた
白夜達は少し困惑しながらも宜しくお願いします。と深々と頭を下げた
サヤ『あらあら、そんなにかしこまらなくていいのに…どうぞ上がって。っとカイルは薪割りお願いね』
いや…だから最終だけ超冷たいし…
白夜は『い、いえ!薪割りは私がします!』と言ったがサヤの『いいから上がって?』と言う眼が笑っていない笑顔に気圧され家に上がった
白夜【なんという気迫!…まるで血に飢えた野獣が眼前に大量にいるような…鬼嫁恐るべし…】
刹毅【なんて気迫の持ち主なのかしら。願わくば我が師に…】
と二人はそれぞれサヤの怖さを確認した
カイルが薪割りを終え、食卓に着くと同時に机には様々な料理が並べられた
鬼嫁だが料理の腕は一流でレイを産む前は料理の専門学校へ行っていた
刹毅『あの…お腹のお子様は今何ヶ月なんですか?』
食事を終え雑談を楽しんでいる最中に刹毅は気になり訊ねた
サヤ『ん?もうすぐ八ヶ月だね。未熟児らしくて流産するかも…とか言われたけど…でも大丈夫』
サヤもカイルの顔さえ真っ直ぐ自信に満ちた表情だった
だが白夜も刹毅も何故そう思えるのかイマイチわからず不思議そうに二人を見ていた
カイル『なんでそんなに自信が湧くのかわからないって顔だな』
図星を突かれ二人は俯いた
サヤ『わからなくても仕方ないわ。親になれば自ずとわかるものなのよ。親が子を信じなくてどうするの?って事が、親が子信じないのに子が頑張れる筈がないって事も…だから………二人とも頑張るのよ♪』
サヤは笑顔でそう言った
が感は大ハズレ。二人は兄妹ですからぁ〜!残念!女の感が鈍いよ切り!!
とカイルは頭の中で突っ込んでいた
サヤはそれを感じ取ったのか滑った雰囲気を隠したいのかは定かではないがカイルにゲンコツを落とした
最後はよくわからなかった二人だが
いつか…
いつか愛する人を見付けたらこんな笑える家族を作りたいと心から想うのだった




