第二十六話
飛影『隠遁』
半蔵『影分身の術』
飛影と半蔵の影から次々と真っ黒な飛影と半蔵が現れあっと言う間に二十人程度になった
っち…マズい…マズすぎるぞ!…
カイルも負けじと分身するが十人程度しか分身出来ていない
力量的には俺もシンも飛影達の上を行く、があまりにも分が悪すぎるぜコイツはよぉ
カイル『先手必勝!』
カイル達は敵に切りかかった
が勝負の行方は見えていた…
相手側の分身は倒しても倒しても少しするとまた影から生まれてくる
カイルも分身したら?と思うかもしれないがtechniqueを使うためには全神経を集中する必要がある
逃げ場のないこんな場所でtechniqueを使うのはあまりにも無謀過ぎる
奮戦奮闘するもついに分身は全て殺られ二人だけになってしまった
メラメラ燃え続ける漆黒の焔の中…二人の荒い息遣いだけが聞こえる
カイル『はぁ…はぁ…クソ!…ここまでだってぇのかよ…』
飛影『…残念だが…』
半蔵『お別れだ』
その場に肉を切り裂く不快な鈍い音が響いた
飛影の忍刀はカイルの心臓を貫き鮮血が吹き出していた…
半蔵の忍刀はシンの首を掻切っきりカイル同様鮮血が吹き出していた…
二人は自らの血の海に伏した…
飛影『これが…』
半蔵『結末だ…』
二人は忍刀を振り血を飛ばし鞘に収めると焔魔陣と影分身を解いた
レナとカヤル、ゼノは未だ交戦中だった
飛影『やれやれ…』
半蔵『こちらはもう片付!』
な…に…
飛影と半蔵は自らの腹を見た
するとそこには自らの腹を貫く刃があった
カイル『わりぃな…あの世に逝ったんだけど追い返されちゃったわ』
シン『きっと今までの行いが悪すぎたからでしょうね』
二人は腹を切り裂くようにして刀を引き抜いた
飛影『馬…鹿な』
半蔵『確かに…殺した筈…だ!…』
二人は生き絶え絶えになりながらも再び忍刀を抜いた
カイルは何も言わず後ろを指差した
見るとそこには二つの穴があった
飛影『まさか…』
半蔵『分身した時にtechniqueを使い隠れたと言うのか…迂闊…だっ…た…』
ドサッと言う音を立て二人は果てた…
お前達とはこんな場所で会いたく…いや…敵として会いたくなかったな…せめて…静かに眠ってくれ…
そしてassassinの活躍によりイニア連合国の忍は壊滅した
が以前として兵力差は歴然としていた
死者数は遂に一万を超え、帝都周辺の緑は跡形も無く消え去り荒れ果て血の海へと姿を変えた…
カイル達は忍を壊滅させると一時撤退した
兵の疲労がピークに差し掛かり最近戦は休戦と再戦を繰り返していた
カイル『まさに地獄って言葉がピッタリだよな…』
カイルはまた帝宮最上階に来ていた
死体が腐食し始め帝都近くは鼻がもげそうな程の臭いがしていた
こんなけ高けりゃ臭いしないと思ってたけどやっぱするか…
昨日は星が輝いてたのに今日は雲で見えねぇなぁ…
ん?今思ったけどこの戦勝ったらもう敵対出来るような勢力なくなるから自動的に天下統一だよなぁ?
したら…俺達どうなるんだろ?
乱世の英雄も平和になりゃただの大量殺人鬼だよな?
っても平和をもたらしたって言ったら自惚れかもしんねぇけど…
平和になるよう闘ったのは乱世の英雄だし…
まぁ罰せられるのたぁねぇだろうけど…
でもいいのかな…
人の人生無理矢理終わらせまくった俺が平和な世界で生きるなんて…
何人もの人生にピリオド打った俺が幸せに生きるなんて…
赦されるのかな?…
サヤ『罪を犯すのが人間なら罪を赦すのも人間じゃないのかな?』
カイルふとこんなサヤの言葉を思い出した
カイル『なぁ…サヤ………誰が赦してくれんのかな?………俺の罪を………』




