第二十二話
そう…そこにはジンが居た…
レナは泣きながらジンの元へ駆け出したがカイルが急いで止めた
レナ『何を…隊長!…ジンが…ジンが居るんですよ!?…』
レナは半ば壊れたかのようにジンの名前を連呼していた…
確かにジンが目の前にいる…
だが…レナもわかっているはずだ…
アレはジンでありジンでないことを…
楓『じゃっ始めて貰っちゃおうかな!』
楓がそういうとジンはカイル達に向かって走ってきた
早い!…ジンの元の肉体に呪符か…厄介だな…
ジンの刃は予想以上に重くカイルは吹き飛ばされた
何とか受け身を取ったカイルはレナにジンの相手を任せ考え始めた
クソ!…どうすりゃいい?…アレの心はジンじゃねぇ…だが体はジンのだ…傷付けたくねぇ…どうすりゃいい?…
捕獲するにしてもロープも代わりになるもんもねぇし…まぁロープくらいなら簡単に引きちぎりそうだが…
クソ!まず呪歌の解き方がわかんねぇ…
!!
山形 楓は確かに言った…
楓『確かにここまで出て来るもんじゃないんだけどぉ…ある奴が居てぇ、そのある奴の中にいる奴が抵抗するからすぐに呪符効果が消えちゃうんだよねぇ…呪歌は影響力強いんだけど呪符は弱いんだよねぇ…』
ある奴ってのはジンの事だ
ある奴の中って事はジンは生きている?
ジンは体の中から呪歌や呪符に抵抗してるってことは…
時間が経てば元のジンになるって事か!?
何とかして捕獲するしか…
四肢の肉を切るわけにはいかんし…
かと言って呪歌をかけられた奴を何人も殺ったけど気絶するとは考えにくい…
ん?
と言うよりジンは呪歌によってどういう思想に支配されてるんだ?
楓『じゃっ始めて貰っちゃおうかな!』
って楓に言われてジンは動き出した…って事は楓がジンを止める鍵の可能性大!
レナはジンの攻撃を紙一重で避けながら必死に訴えていた
元に戻って…と
カイル『レナ!もう少し耐えてくれ…俺は…』
カイルは言い終えると同時に楓を睨み付けた
楓『お〜恐い恐い。私と殺りあおうって?。呪符師舐めてもらったら困るなぁ…』
相変わらず五月蝿い奴め…
まっお陰で色々わかったがな…
カイル『喋り過ぎなんだよお前はな…』
カイルはそう言い終えると楓に本気で切りかかった
カイルの猛ダッシュと荒れ始めた大地により土煙が舞う
女相手に全力ってのは気乗りしねぇが…
レナとジンの為だ…勘弁してくれよ
楓は焦る事なく札を取り出し
た
カイルの刀が振り下ろされたと同時に札は刀の形に変わりカイルを襲った
間一髪…
カイルは隠していた小刀で受け急いで飛び退き片膝を就いた
楓『へぇ〜やっぱやるねぇ。まさかあの体勢から受けるなんて。でも無様ぁ笑。片膝就いて片手も地面に付けてアハハ』
油断した…聞いた事があった…呪符刀…幾つあるかもわからないし全長すら掴めない武器…
黒装束の腹の辺りが斬れる事からしてあの武器は刺さるだけでなく斬れるって事か…まっ小刀とぶつかった時に金属音がしたから恐らく金属化出来る札って事か…
カイルは拳を握り締め立ち上がるとまたもや楓に切りかかった
楓『馬鹿だねぇ。学習能力0?』
楓は再び札を構えた
だがカイルは止まることなく突っ込んだ
鈍い金属音と不快な身を裂く音が聞こえ二人は背中合わせのような状態で止まった
カイルは左手に持った小刀で楓の呪符刀を受けてはいるが腹を少し切っている
がカイルの刀には血がベットリと付いている
楓『うぐっ!…片膝、就いて…片手も就いてたのは…砂を取るため…だったのね…目潰しなんて…卑怯…ね…』
楓はそう言い終えると同時に果てた…
カイル『闘いに卑怯も糞もあるかよ』
カイルはそう言い終えるとtechniqueで自分とレナの分身を作り出した
俺の推測が正しければこの分身でも俺とレナのはずだから止まるはずだ…
レナを退かせるとジンは分身を切り倒すと静止した
よかった…どうやら推測は正しかったようだな…
カイルはジンを担ぐとレナを連れ戦線を離脱
結界内に退避した




