第十九話
カイルは朝からレイを連れとある所に来ていた
レイ『お父様…ここは?…』
そこはknightの一般兵に与えられる貸家が並ぶ住宅街
家の造りはみんな同じでお世辞にも綺麗そして豪華とは言えない
汚くボロい家が並んでいる
カイルはいいからおいで。といい歩いて行く
レイも後を追い歩いて行く
少し歩き一つの貸家の前でカイルは止まった
カイル『ここは俺がサヤと結婚する前まで住んでた家なんだ』
カイルは言い終える前にドアをノックした
レイ『誰か住んでいるんですか?』
レイがそう言い終える頃、ちょうどドアが開いた
頭を掻きながら面倒くさそうに誰だよぉ。と言いながら出て来た男はカイルを見て直ぐにピシッとなり
男『し、失礼しました!カイル様、何かご用ですか?』
いやなんかおかしいし笑まず用がなけりゃ来ないよ笑
とカイルは思いつつ邪魔する。といい中に入っていった
レイも後をついて行く
カイルはとある部屋まで来た
男はずかずか入って来たとは言え自分とは比べモノにならない位の人物なので何も言わず直立不動で立っている
何かブツブツ言いながらカイルは畳を剥がした
すると下にはもちろん木の床がある
カイルはその木の床に手を置くと横にスライドさせた
するとその下は地面
そして地面を掘ると長細い木の箱が出て来た
カイルはそれを取り元通りに直すとレイを連れ邪魔したな。といい家を後にした
そして自宅の自室まで戻ってきた
長細い木の箱は古ぼけていて腐食しているところもあった
カイル『これをお前に渡すべきか悩んだ…が…渡すことにする』
そう言うとカイルは長細い木の箱を開けた
中には白かったであろう黄ばんだ布に巻かれた何かがあった
その布を外すと綺麗な木の箱が出て来た
木の箱には《封》と書かれた札が貼られていた
カイル『この中に入っているのは俺が父から譲り受けた妖刀が入っている…この妖刀は所持者を選ぶ妖刀でな…残念ながら俺は選ばれなかった。お前が選ばれるかはわからない。が俺に何かあったときお前は少なくとも自分を守れる力が欲しい…から譲る。本当はもっと大きくなってから渡したかったんだがな…この札を剥がすと妖刀は力を取り戻す…もし妖刀に認められればお前の大きな力になる』
カイルは真剣な眼差しでレイに言った
レイ『…どうなったら認められた。と言うことになるんですか?』
刀が持てれば認められたって事さ。といいカイルは札を剥がした
と同時に木箱が…溶けた…いや消えて漆黒の刀が出て来た
長さは1mちょいと言うところ
レイは恐る恐る手を出し刀を取ろうとした
周りの空気が次第に冷たく重くなっていく
そして
カイル『流石俺の子だ…』
そうレイは妖刀に認められ手にする事が出来た
周りの空気は次第に暖かく軽くなっていく
レイ『とても軽い…名前は?』
カイル『大妖刀《裟悶爾》【さもんじ】又は《覇煌》【はこう】だ』
レイは刀を抜いてみた
刀身も漆黒だ
それも光で輝いたりしないツヤのない黒だ
カイル『まさか本当に手にするとはな…レイ、それは最終手段だ。わかってるな?』
レイ『はい。お父様』
レイは刀を鞘に収めそう言った
本当に見ない間に大きくなったんだな…レイ
カイル『じゃっ飯にするか!』
レイは大きく頷き飯を食べにいった
そして幸せな日はまた過ぎていった




