第十六話
帝宮最上階部…
そこは帝都の中心部でもあり帝都一高い
床から壁から全て大理石で出来ていて一週間に一度、外側も内側も全て清掃されているため白く輝いている
そして今そこに一人の男が来た…
カイル『はぁ…』
カイルは大きくため息をついた
事の発端は数時間前…
ジンの代わりにゼノと言う男が入隊した
そのゼノの言動に問題があった
カイルはその事を思い出していた
ゼノ『ちぃ〜す、ゼノです。まぁよろしく』
これが先輩である現隊員に対する挨拶だった
カイル達は礼儀知らずだな…とは思ったがこんな事では怒らない
ゼノ『前の人、愚かにも感情に流されて逝ったんでしょ?馬鹿だよねぇ笑』
これが第二声
流石のカイルもブチギレそうになったけど隊長として新隊員といきなりもめるわけにはいかない
シンやカヤルそして何よりレナでさえ我慢しているしな
ゼノ『その上その感情が愛情ってねぇ笑、馬鹿馬鹿しいったらねぇよなぁ笑、愚か者以外の何者でもないよ笑』
これが第三声
まぁ案の定レナが我慢出来ずに殴ったわけだ
ゼノ『いってぇ…何すんだ!このクソ女!っとテメェのせいで死んだんだってなぁ笑、こんな不細工の為にねぇ笑、愚か過ぎだろ?笑』
ゼノはそう言いながら立ち上がった
レナがまた殴ろうとしたのでカイルが急いで止めた
レナ『隊長…離して下さい…貴方は…貴方は腹が立たないんですか!?』
レナは半ば半狂乱になりながら叫んだ
カイル『立つさ…だが隊長として新隊員ともめるわけにはいかない。そして何よりレム様の前だ。抑えろレナ…』
カイルはそうレナに言い終えるとゼノを睨み付けた
ゼノ『恐い恐い…真実を話しちゃダメってか?笑、了解ですよ隊長』
その後はもめる事なく入隊の儀は終わった
カイルは四人を連れていつも行く居酒屋に行った
そしていつものように個室を借り適当に注文した
カイル『ゼノ、どういうつもりなんだ?お前はこれから私の部下だ。わかっているのか?敬語も使わないし何より殉職したジンはお前の先輩だぞ?それを愚弄するとはどういうつもりだ!』
カイルは話してる間に溢れ出す怒りを抑えきれなくなり叫んだ
ゼノ『はぁ…五月蝿いなぁ、敬語敬語って敬語は敬う人に使う言葉でしょ?別に俺あんたを敬う気ないし笑、大体死んだ奴に敬語もなんもないでしょ?長ったらしい説教だけなら帰るわ。じゃ』
ゼノはそう言うと帰って行った
カイルは溜め息を漏らし頭を抱えた
レナ『隊長…ワガママな言い分ですがアイツと任務は出来ません。アイツが首にならないかぎり任務には参加しません。失礼します』
そう言うとレナまで帰って行った
シン『どうするんですか?確かに俺もアイツとは任務したくないですよ…』
シンも…か…まぁ当たり前か…俺も同感だしな
カヤル『とは言え正式に入隊した以上どうしようもないだろう?任務は明日の朝から開始なんだぜ?すぐに新入りを見つけるのは不可能だろ?』
確かに後十時間程度で新入りを探すのは不可能
そして何よりレムがそんな事を許可するわけがない
カイル『レナは何とか説得する。お前らはゼノを頼む、少し手荒な手段なら許可するから』
こうしてカイルはレナを説得にシンとカヤルはゼノにお灸をすえに向かった




