第十三話
成績表は各教科を10段階評価で表されていた
レイの成績は
国語 10
算数 10
理科 10
社会 10
生活 10
音楽 3
図工 10
体育 10
だった
えっ?音痴?…カイルと一緒?笑
サヤの成績は
国語 2
算数 10
理科 10
社会 2
生活 2
音楽 10
図工 2
体育 10
だった
うん、好き嫌いがしっかり分かれてるね♪笑
と一階から声が聞こえる
サヤ『ご飯出来たわよぉ』
と言うわけで一家団欒の時をエンジョイしているカイル
一方…シンとカヤルはその頃…
とある山の木々が切り倒された跡地の山中で…
シン&カヤル『いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
…走ってます…全速力で…
叫んでます…
なんで走ってるかって?…
事の始まりは数分前…
シン『ミディアムだ!』
カヤル『い〜や!レアだ!』
捕まえたイノシシの焼き加減で言い争っていた二人…
しょうもない…
二人とも苛々が次第に溜まってほぼ同時に地面を思いっ切り踏んだ
すると山頂辺りからゴゴゴゴゴ…と音が聞こえ始めた
シン『まっまさか…』
カヤル『んなこと…ない…よな?』
木々がなくなり不安定になっていた土砂が一気に崩れた
土砂崩れだな…
一気に二人は駆け降り始めるが土砂の速度は増すばかり…
シン『この…ボケカヤル!』
カヤル『じかぁしゃぁ!テメェのせいだろうが!』
いやいや…そんな場合じゃないだろ?
シン『あっあそこだ!』
シンが指差す先には眼前に帝都を望む小高い丘があった…
猛ダッシュで丘まで走る二人に土砂が近付いてくる…
間一髪…
二人は何者かに引っ張って貰い助かった…
太陽の逆光により黒のシルエットに見える何者かを二人は神だと思った
レナ『二人とも大丈夫?相変わらず馬鹿ね…土砂崩れでassassinが死ぬなんて恥よ?』
レナ!?二人は声を合わせて言った
二人は呼吸を整えて同時に
なんでこんなとこに????
レナは少し黙っていたが一息つき
レナ『帝都は…ジンが好きな街だったから…ちゃんと全貌とか…見たことなかったし…ジンならここが喜ぶかなって…でも丘に墓は建てれないよね…亡骸もないし…笑っちゃうよね…もう…ジンは…居ない…の…』
泣き崩れ最後の方は話す事すら出来なかった…
シン『ジンは望んでないと思うよ?』
えっ?レナは泣きながら顔を上げた
カヤル『わかってるだろうけどさ…レナがそんなんだったらジンは自分がレナを縛ってしまっている…ってまた自虐的な思想に迷い込んむぜ?』
シン『ジンは満足してると思うけど?』
レナ『なんで!?何に満足するの!?』
レナは涙を流しながら訴えた…
自分がいなければジンは…まだそれが振り切れていないのだ
シン『愛するもの…護りたいものを護れたんだよ?私がいなければ…って考えてるだろうけどそれは間違いだよ?もしレナがいなければジンは今生きてるかもしれない…それは事実だ。だけどレナがいないとジンは恋出来なかったんだよ?』
レナ『恋が何よ…私は…』
カイル『あのなぁ…人を愛せないのは…愛するべき人がいないのはとても寂しいぜ?ツラいし…苦しいんだぜ…だからお前は胸張れよ!ジンが命かけてまで愛した女なんだぜ!?レナはよぉ!』
レナは思い出した…自分がassassinに入隊する前…
何事にも興味がなくて…何にも面白くなかった…
生きてるんだ!って実感すらなかった…
でもジンに一目惚れして…一風変わった隊長に会えて…個性的な仲間に会えて…
全てが変わった…
レナ『ありがとう…』
心の底から…ありがとう…
でも…
それでも…
生きていて欲しかったよ…ジン…




