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追われし者 中編  作者: 成瀬なる
王宮にて
10/31

試験の後で

――その夜、五人の精霊が、この空間から消えた。



「おめでとう、スリン。よくやった」

 トラクタスは心から嬉しそうな表情をした。テンパスもスリンの方を喜ばしげに見た。二対の無色透明な瞳が、スリンをまっすぐに見ていた。

「僕たちの友になってくれ、リュウア・スリン」

 そういってトラクタスはスリンの前に膝を折った。それに倣ってテンパスも膝を折る。

 精霊たちは珍しいものを見たと思った。あの矜持の高い双子精霊をここまでするとは。

 二人が顔を上げたとき、その瞳の色の変化にスリンは驚いた。

「僕たちは、他の精霊とは違う」

 スリンの疑問を読み取ったかのようにテンパスは話し出した。

「僕たちの瞳が再び完全な無色透明になったとき、その時が君とのお別れだ」

「俺たちは、君を認めているが、それだけではない、ということも覚えていてほしい。

 今、悪意あるフェリアがこの国に現れた。俺らがそれと契約させられれば、とんでもない災害がこの世に降りかかるだろう。

 それを防ぐための目的もあるのだ。スリン、俺らをがっかりさせないでくれ」

 二人の漆黒の瞳に見つめられ、どぎまぎしながらもスリンはうなずいた。

「分かりました。できるだけわたくしも希望に添えるよう努力いたしますわ」

 そういってスリンは二人に向かって手を差し出した。

「よろしくね、テンパス、トラクタス」



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