第6話:洞察
周りを見渡してみると、雨こそ上がったものの荷駄は横転し、品物があたりに散らばっている。すべての荷車が使えなくなったわけではないものの、戦闘の際に矢や槍などを避けるための壁にされるなどして車軸が折れ、使い物にならなくなってしまったものも数台あった。
もちろんそれだけではない。戦闘の跡が生々しく残っている。折れた剣や矢柄がやや紅色に染まった地面に突き刺さり、時折雲間から顔を見せる太陽に照らされて鈍い光を放つ。人も馬も、敵味方を問わず、死体となって転がっている。首の無いもの、手足の無いもの、中には胴のあたりから真っ二つになっているものまであった。レルガが斬ったのだろうか。鎧ごと体が上下に分かれてしまっていた。
行く手を見やれば道は岩や木やその他の瓦礫で完全にふさがってしまっている。オストマルク兵はまだほとんどが向こう側に取り残されているらしい。襲撃が始まってからだいぶ時間が経っているのに誰も越えてこようとしないのだろうか。そうであれば許し難いことだ。怠慢以外の何ものでもない。もともと当てにするつもりは無かったものの、やはり腹が立った。あの瓦礫を取り除くのには戦力云々よりまず人手が必要だ。
そこで思い当たることがあってもう一度周りを見る。もともとこちら側にいたのは五十人ほど。そのうち今生き残っているのは二十人程度。その二十人はほとんどがレルガも含めてカルマの傭兵である。オストマルク兵は大半が討ち取られていた。
林昭はどうなったかと思ったが、いくつか傷を受けただけで済んでいる。ただ足を斬られて自力では動けない状態ではある。命には特に別状は無い。まだ知り合って二週間にもなっていないが、この中で唯一トラキアの本名を知っている人間だ。何もかも話せる相手がいないというのがいかに辛いかを、風彪は師を亡くしてからの三年でいやというほど思い知った。戦で人が死ぬのは当たり前だと分かってはいるが、それでも生きていてほしいという気持ちは常にある。今でも部下を死なせてしまったといって涙を流す父の姿を覚えている。
クーパーにはとりあえず北へ行ってもらうことにした。かつての本拠地、慧丘のあたりに鄭範が築いた塞がある。しばらくはそこにいてもらうことになる。鄭範は風家の糧道をも管理しているから兵糧の心配もない。かつては五万もの軍を養ってきた糧道である。多少縮小したとはいえ五百ほどを養うのに造作は無いだろう。また彼に苦労を押し付けてしまうと思うと心苦しくもあったが、クーパーは二十年待ったのだからこれ以上待ったとしてもたった一年や二年でどうということはないと言ってくれた。
長い間はなしこんで、クーパーが退いていくのを見るとカルマたちは怪訝そうな顔をした。林昭も問いかけるようなまなざしを送ってくる。あえてそれらを無視し、戦場の後始末を手伝った。おそらくこの人数では前方の障害物を取り除くことはできない。今日はここで休息を取り、応援を待って山を降りるしかないだろう。もっとも、応援がくるという保証はどこにも無いのだが。
襲撃があったのは昼間で、片付けが済むのは結局完全に日が沈む頃になってしまった。誰もが疲労困憊といったありさまである。カルマも風彪の予想に反して、自らの手で死体の埋葬や荷の積みなおしを手伝った。大商人ともなれば上から命令するだけかと思っていたが、彼にはそれが当てはまらないらしい。風彪は少し彼を見直した。
日が暮れあらかた後始末が終わると、みな疲れきってすわりこんでしまった。無理もない。風彪とて例外ではない。体が鉛のように重い。情けなくもあったが、懐かしくもあった。こんな感覚も久しく忘れていたようだ。
そんな中でまだ立っている者がいる。二人とも方天戟を杖に、気丈にも見張りを務めようとしている。おそらくこのあたりはクーパーの手で安全が確保されているはずだから、彼らの働きは徒労でしかないのだが、もちろんそれを言うわけにはいかない。が、その意志の勁さは並大抵ではない。ちょうどそばへやってきたカルマに彼らのことを聞いてみた。
「あぁ郭方と呂盛です」
「昼間は見なかったように思うが」
方天戟を振るう人間は少ない。斧ほどではないが、やはり扱いが難しい。槍の両側に二の腕か、それより少し小さい円月形の刃が取りつけられている。突くも斬るも自在だが先がかなり重くなってしまい、よほど修練を積まねば振りまわしているつもりで振りまわされてしまう。それで使いたがる者が少ない。一度見れば覚えていないということは無いはずである。
「彼らは瓦礫の向こうにいましたからね」
「そうか。その向こうはどうなったのだ?」
カルマは苦笑して言う。
「分断された時点で護衛のほとんどは、蜘蛛の子を散らすように逃げてしまい、残った彼らは遠巻きに監視されていたということです。手際の良さに感心して抵抗する気も起こらなかったといいます」
さすがはクーパーといったところか。
「ところでトラキア殿、わたしにも聞きたいことがあります」
となりに腰を下ろしたカルマが、いったん風彪から目をそらして上を見上げた。つられて夜空を見上げると小さな光の粒がたくさん散っている。白く、淡いその光に、風彪はしかしどういうわけかこのときばかりは胸のざわつきを感じた。カルマの目が鋭くなる。
「あなたは本当の名前を、明かしていませんね」
驚いた。
「なぜ、そう思う」
カルマが微笑した。
「まず、王圭殿の待遇ですね。彼は身内と動物には甘い人ですが、他人と仕事には滅法厳しい。あなたはあの夜、あのようなぼろを着てあの場所にいた。あなたが他人なら、王圭殿がそんなことを許すはずがありません」
「それだけでは説明になるまい」
天を見上げながら言葉をかえす。そのまま仰向けに倒れこむ。カルマの顔が見えなくなった。そうすると星が語りかけてくるような、不思議な気分に襲われた。
「ええ」
カルマの首は上を向いていない。座ったまま、真っ直ぐ前を見ている。
「わたしは飛燕を見たことがあります。いつか、父に連れられて贏洪様にお会いしたときのことです。もうあれから四半世紀経ちましたが、燕の舞うその美しい姿、一度見たら忘れられるものではありません」
思っていたよりカルマは年を重ねているようだ。父に会って飛燕を見たなら、四十より下ということはあるまい。風彪は自分と同じくらいか少し上だと思っていた。
「あなたも初めて会った夜、飛燕を見せてくれました」
「なるほど。うかつだったな」
王圭の家で夕食をともにした夜、風彪を雇うのにいい顔をしなかったカルマに弓の腕前を披露した。考えなしに飛燕を出したのはまずかったようだ。
「まだ、ありますが……」
言葉をまとめるためか、一度沈黙する。次にその口から出た言葉は、風彪を驚愕させるに足るものだった。
「もういいでしょう。風彪殿」
ため息をついてカルマが振り向いた。微笑んでいるがその目は笑っていない。風彪が黙っていると、彼もとなりに倒れこんできた。両の手を頭の後ろにまわして、ひざを立てて。同じ格好で空を見上げる。
もう隠しても無駄か。十分に気を配ったつもりだったが、どうもこういうことには向かないらしい。鄭範ならうまく言い抜けられるのかもしれないが、自分はそんなに器用ではない。
「どうするつもりだ」
帝国は今でも風彪の首を探しているだろうか。
「別に」
「別にと言われてもな」
「あなたは何が望みですか」
「その望みはかなうのか」
「わたしにできることであれば」
「そうだな…」
自分は何をするべきなのだろうか。風家軍の再興、その前に何かやらなくてはいけないことがある。一体何だったろう。
「しばらくこのまま護衛の列に加えてもらおうか。帝国を見たい」
とにかく今は見聞を広げることだった。この目で世界を知りたい。
「構いませんよ。名前はどうしますか?‘トラキア’のほうがいいですか」
すぐばれてしまうような偽名など使わぬほうがいいだろう。帝国が、今も自分の首を欲しているなら、それも望むところだ。
「いや、風彪と呼んでくれ。もう一人は林昭だ」
「いいのですか」
「構わんさ。あなたに見抜かれてしまうようでは何の役にもたたんだろうよ」
カルマが苦笑した。風彪も笑いかける。
「偽名を使っていた理由は適当にでっち上げてくれ。俺はどうも騙しあいは苦手だ」
林昭は岩にもたれて動けなくなっていた。戦っている間は必死で脚を斬られたことも気づかなかったが、ほっとして緊張が緩むと立てなくなってしまったのだ。敵中に消えた風彪も無事に戻ったのを確認するともうそれ以上動けなくなってしまった。気になるのはどうして師匠が敵の首領とあんなに長く話し込んでいたのか、ということだ。どうして風彪はああも長く話しこんでいたのだろう。林昭は風彪についてほとんど何も知らない。かすかな疑念が頭をよぎった。
林昭を手当てしてくれたのは郭方という男だった。まだ若い。おそらく林昭より少し上、二十五くらいといったところか。衣は赤を基調に染めあげられている。
話を聞けば落ちてきた瓦礫の向こうにいたのだという。道理で見覚えのない顔だと思った。カルマに雇われておよそ二年になるそうだ。もともと水銀売りだったのだが、あるとき乗っていた船が難破し商売道具を失い、生活に困っていたところを武術の腕を見込まれて、取引のあったカルマに護衛として雇われたと言った。
「方天戟で俺に勝てる奴ぁ、ちょっといないね」
と、彼が結んだところでその後ろから別の人影が現れた。
「それはどうでしょうか」
彼もまた右手に方天戟を握っている。年齢もほとんど同じくらい。彼の衣は白を基調にしている。口調と相まって、郭方に比べて落ち着いた印象をうける。
「そういうことをいうのはせめてわたしに勝ってからにしてください」
そういいながら彼は林昭の傷に膏薬をはりつけた。
「これで大丈夫でしょう。深い傷ではないからなおったあとに動きが悪くなることもない」
彼は呂盛と名乗った。やはり瓦礫の向こうにいたので林昭としては初めてみる顔である。腰にいくつか小さな籠をさげている。聞いてみればその中身は種々の薬草であるという。
呂盛の家は代々薬師で、彼も父から薬草など様々な薬に関する知識を授かり、十八の頃からその薬を売って生計をたてていた。あるとき流行り病にかかったカルマに薬を処方して命を救い、それからカルマの護衛をつとめている。郭方と同じ時期に雇われているが呂盛の方がわずかに遅いようだ。
呂盛は幼いころ、かつて大陸北東部で強勢を誇った累の武将、袁盛にあこがれて、十歳になる前から方天戟の扱いを学んでいたという。林昭も名前には聞き覚えがあったがどんな人物かまでは知らない。
「袁盛は累建国に際し初代累王、韓達がまだたった五百人の傭兵団の長に過ぎなかったころからの部下で、自慢の方天戟とともにいつも累軍の先頭にありました」
そして、彼にまつわる逸話は様々あるがといって呂盛はその一つを話してくれた。
「あるとき、韓達が戦に敗れて城を逐われ、わずかな供回りのみを連れて落ちのびねばならなくなったことがありました。まだ挙兵して間もないころです。供回りのほとんどが諜報や潜入を専門にする者ばかりで、暗闘にはたけていても戦場で武器を振るうのは不得手でした。彼らの助けをかりて韓達は燃え落ちる城を脱出しましたが、落下してきた木材を右足に受け、歩くこともできなくなります。供も逃亡の途中、敵をひきつけるためのおとりとなっていなくなります。
そのとき、韓達のそばにいたのが袁盛でした。彼は負傷して動けない主君を背負い、五日間走り続けたといいます。敵方は五千近い兵を動員して韓達を捜させましたが、袁盛はそれと遭遇する度、ことごとく斬り捨て、討ち取った敵兵の数は五百とも一千ともいわれます。
後に韓達が累王としての地位を確立したとき、袁盛がいなければここにすわっているのはわたしではなかった、としみじみ述懐したといいます」
「袁盛はそれにこたえて、わたしはあなたがその場所にふさわしいとおもったから、あのときあの場所にいたのです。そうでなければわたしはあなたを放り出して、逃げていたでしょう、といったというがな」
赤い髪、レルガだ。彼は見たところあまり学があるようには見えないのだが、どういうわけかいろいろなことに通じていた。
大刀の腕も本物だった。昼間の戦闘でほとんどがなんらかの傷を負っているのに、彼は一つも傷を受けていない。それに敵味方入り乱れて戦うなかで、全体を見渡して指示をだす余裕もあった。林昭をかばう動きを見せたのも一度や二度ではない。
そんなレルガを風彪は一合も刃を交えず下したのだ。いったい師匠は何者なのだろうか。
呂盛はレルガに、そういう合理的なところもわたしは好きですよ、といってから林昭のほうに向きなおり、
「あとはわたしたちにまかせて、休んでいなさい」
というとほかの怪我人を看るために歩いていった。
レルガは林昭の肩を軽くたたいて、
「初陣にしちゃ上出来だぜ」
といって歩いていった。郭方も、
「呂盛はあんなこといってやがるが、あいつだって俺に勝ったことねぇんだぜ」
とささやいて呂盛のあとを追っていった。
林昭はついに睡魔にあらがうのをやめ、長い一日に幕を下ろした。
戦闘があった次の朝、レルガは起きてすぐカルマに呼び出された。まわりを見てもまだ起きている者はほとんどない。呼びに来たのはトラキアだった。
「おい、何の用だ」
と聞いてみてもトラキアは、来れば分かる、の一点張りでこたえてくれない。 春先とはいえ、山の朝はまだまだ寒い。あたりにはうっすらと霧がかかっている。やはり目を覚ましている者はおらず、聞こえてくるのは二人の足が地面を踏みしめる音だけである。
見張りの姿もない。昨日あれだけ大規模な襲撃を受けたのに、見張り一つおかれていない。カルマはそんなに不用心な人間ではなかったはずだが、と頭をひねる。レルガはまた昨晩遅くに見張りの段取りを決めようとカルマの幕舎を訪れたときに彼から、見張りの手配は済んでいる、今日はレルガもゆっくり休め、と言われたことを思い出した。あれはいったいどういうことだったのか。
あれこれ考えているうちにカルマの幕舎にたどりついた。幕舎は全員分あったのだが、一つを除いてみな瓦礫の下に埋もれてしまったのである。唯一残った幕舎をカルマが使っている。
中に入ると待っていたのはカルマだけではなかった。ラルフといったか、トラキアの弟子も火にあたって暖をとっていた。なんとなくレルガはこの集まりがトラキアの正体にかかわることだという気がした。ラルフがここにいることが、何よりその証左である。
「お呼びだそうで」
火が少しくすんだ幕舎の幕に四人の影をつくっている。
「ああ、来たか」
仕草でカルマがすわるよう、うながす。
「これはどういうわけで」
ラルフはとても眠そうな顔をしている。無理もない。致命的ではないにしろ、傷は浅くない。
「風彪殿」
トラキアがうなずいた。ラルフは口を大きくあけて、面食らった顔をしている。レルガには何が何だか分からない。
「師匠」
ラルフが口をはさむ。トラキアがそれを抑えて、
「もういい、林昭。分かってしまったことだ。この際すべて明らかにしてしまった方がいい」
といった。
「どういうことだ」
レルガにはまだまったく話が見えてこない。トラキア、いや風彪がレルガの方に向きなおった。
「だまっていて悪かった。トラキアというのは本名ではない。俺は風彪、こいつは林昭という」
「偽名だったのか」
「そうだ」
それを知らせるために呼び出したのか。しかしそれならばわざわざ四人だけのこの場でいうことはない。みなが聞いているところで明かしても構わないはず。
「まだ何か隠しているな」
風彪の顔が少しゆるむ。
「その通りだ」
炎がゆれる。入口に目をやると外はまだ薄暗い。この空間だけが別の雰囲気をもっていた。
「レルガも林昭も風家軍は聞いたことがあるだろう」
うなずく。林昭もかすかに首をたてにふった。風彪の顔が引き締まる。少しうつむいたその顔を火が照らしている。風の騎士団を率いた団長の姓は‘風’。まさか、
「わたしは、‘風’を継ぐ者、贏洪の嫡子、風彪」
そういって彼はかたわらの弓をとった。
「この‘飛燕’こそ、そのあかし」
そして林昭の方に体を向けると、
「今までだまっていてすまなかった」
といって頭を下げた。
「おい、うそだろ」
カルマは静かに微笑んでいる。林昭はまだ面食らったままだ。
風家軍は十五年前に呂湖谷で帝国に嵌められて、贏洪以下、幹部は全滅したはず。
「俺はあの戦の三年前、修練を積むために父のもとを離れ、山中で暮らしていた」
風彪の目が細くなる。どこか遠くを見つめているようだ。彼の目にはいったい何が映っているのだろうか。
「今から思えば、父はあのときが来るのを予見していたのかもしれない」
物音をたてるものはない。耳に入るのは風彪の声と、たきぎの爆ぜる乾いた音。
「昨日の山賊の頭領は、かつて黒騎を率いた風家の将、‘ならず者’ローグ=クーパーだ」
あっ、とレルガは声をあげそうになった。林昭も、もともと丸い目をさらに大きく丸く見開いている。昨日カルマが見張りはいらないといったのはそういうわけだったのだ。おそらく今、この瞬間も山賊たちはこの場を取り囲んでいるに違いない。その刃を内側ではなく外側に向けて。
「ただし、このことはいましばらくなかったことにしておいて欲しい。俺がいいと思うまで、俺はただの風彪だ。クルーニーは昔、悪事をはたらいていたころの仲間だ」
クルーニーというのは山賊の頭、ローグ=クーパーの‘本名’だ。名前は明かしても正体はまだ明かさずにいるということらしい。それでは、
「なぜこの場に俺を呼んだ」
今度は風彪がはっきりと、レルガに笑いかけた。
「お前にもいずればれると思ったからだ」
レルガは首をふった。ため息をつく。
「やっぱりお前は、ただもんじゃなかったってことか」
いってからしまったと思った。もっと丁寧な口調で話すべきだったか。
「構わん、俺はただの風彪だ」
顔に出てしまったらしい。うそをつくのは自分も苦手だ。
その後、一行が目的地、オストマルクについたのは、一週間後のことだった。
『風雲の果て』へ続きます。
以下、これまでの登場人物
風彪:神将、贏洪の息子。武芸全般に通じる。最も得意とするのは弓。亡き父の形見である強弓、飛燕を手に風家軍の再興を目指す。偽名、トラキア。
林昭:風彪の弟子(?)。山奥の村を襲った流賊の一人。風彪に心酔して弟子入りを志願。未熟ながら風彪の指導により、天賦の才を開花させつつある。偽名、ラルフ。
鄭範:風彪に情報をもたらす間者の頭。大陸の情勢に通じる。偽名、シバス。
ローグ=クーパー:風彪たちを襲った山賊の頭。‘ローグ’はならず者を意味する通り名。かつて風家軍で重装騎兵の一団、黒騎兵を率いた。黒の甲冑に身を包み、大斧を得物とする。
王圭:安陽の鍛冶屋。伝説の名工、王隆の子孫。風鳴の剣を風彪に授ける。
穆累:王圭の店の番頭。
カルマ=カフカス:大商人。レルガの雇い主。オストマルクへ荷を運ぶ際に風彪と林昭を雇う。
レルガ:カルマの元で護衛を統率している。得物は大刀。燃えるような赤い髪から`赤髪鬼´の異名を持つ。
郭方:カルマの護衛の一人。もと水銀商人。赤い衣を身にまとい、方天戟をふるう。
呂盛:カルマの護衛の一人。薬師。白衣を身にまとい、方天戟をふるう。