架空戦記 未命名 海上護衛戦系小説
この話は、以前活動報告にも少し書きましたが、市販されている田中光二先生の「超空の××」シリーズからアイディアを得て思い浮かんだ物です。
「超空の××」シリーズは、学研の歴史群像新書を中心に発売されている作品で、主に太平洋戦争で苦戦する日本軍に対して、未来人が現代の自衛隊を送り込ませたり、もしくは必要な兵器を供与したり、あるいは情報や技術を提供して日本軍に利するようにするという設定が共通しています。時々、助ける相手が現代日本に変わったり、また未来人の存在がぼかされてはいますが、基本はこの流れです。
このタイムスリップにより日本を救うと言う手は、これまで他の作者の架空戦記でも度々取り上げられ、別段珍しい設定ではありません。現在も数作品が出版されています。
しかしながら、いずれの作品も歴史全体に影響を与えたり、また比較的有名な兵器を登場させると言った部分は変わりません。それはそれで面白いのでありますが、ミリタリーファンとしてはやはりニッチな設定も考えたくなるわけです。
そして私が考えたのが、船団護衛に関する兵器や技術のみを提供すると言う設定です。前述した田中光二氏の作品で未来から兵器や技術を提供するミスター・グレイというキャラクターはきまぐれな部分があったり、また持ち込む武器や助ける回数に制限を出すなど作品によって時々設定に違いが出ます。
その分使い勝手も良いと考えられるわけです。もし彼が船団護衛に関する兵器や装備、情報のみを提供して史実では海上護衛作戦に敗北した帝国陸海軍の反応を探ると言う設定が成り立ちます。
結局の所、現在執筆中の「真の海防」の終わりすら見えていないので、ここまで考えた所で切り上げ、執筆するには至りませんでした。
さて、もしここから発展させるとしたらどのような仮定がなりたつでしょうか?
例えば開戦時点で南方から日本本土間の航路を守るのに必要な海防艦300隻を送り込むと仮定しましょう。もちろん、レーダーや高性能ソナー(少なくとも1944年レベル)、さらには日本海軍が開発できなかった前投式対潜兵器、さらに乗員の教育に必要なマニュアル類(日本海軍では予備士官教育がずさんだった一面もあります)も込みでです。
この時点で、日本は後方海域における安全を確保できます。少なくとも、この時点では貧弱な米潜水艦を圧倒することは可能です。ですから、例えば「大洋丸」の沈没を防ぎ、台湾の烏山頭ダム建設に活躍した八田与一氏の死を防ぐことも可能です。
と、戦争前半でこれですから、送り込む時期(ミッドウェイ直後やガダルカナル直後、潜水艦の被害が多発する1943年中旬)によってさらに面白いことになります。
また対潜航空機の「東海」や磁気探知機もセットにすればさらに面白い仮定もできます。
まあ、どちらにしろ後知恵で現実にはなんら影響はしないフィクションです。しかし、もし海上護衛戦だけでも日本が成功させていたら・・・これをシュミレートする意味は大きいと思います。
御意見・御感想お待ちしています。
またこのアイディアは自由に使ってもらって結構です。