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浄化
Vincimusシリーズの始まり、主人公の独白です。
わかっていた。
頭ではわかっていた。でも憎かった。憎くてたまらなかった。
こんなにも、こんなにも私が努力している中、願望と煩悩なんてとうの昔に心のどこかに押し込み、燃やし、消し、また芽生えようとするようなら血を吐いてでも押し殺し...
自分のためだと思ってた。でも結局世界のためだった。自分は救世主だと、いつから思うようになったのだろう。でも嘘ではなかった。少なくとも私はこの世界に必要な人間だった。
汚物に溺れたこの世界を少しでも美しくしようと。だからだった。環境問題、貧困問題、男女差別、汚職、腐敗、欲望、エゴチズム、過激思想...
もしかして、私こそが過激思想だったのかもしれない。
でも私の努力はむなしく、世界は死んでゆくばかりだった。もはや手の施しようがない。いくら頑張っても、周りは自分優先、快楽、快感優先...
憤慨が限界へ達していた。激怒する毎日から脱出したかった。
だからもう、破壊しようじゃないか。
そこへ黒馬の王子が現れたのだ。
二人で世界を浄化しようと。
だからきっと、ルパートには依存してしまうんだな...
ちょっとやるせない気分の日曜日午後に書きました。




