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猫と僕と知らない世界  作者: シマタロウ
第一部2章:猫と魔術師のお仕事

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5-3:猫と僕との関係 だから、ちょっと待ってて

黒ずくめの赤松さんが犬のような何かと対峙している。

話には聞いてましたけど、本当に真っ黒なんですね。全身を包むスーツはもちろん、ヘルメットも真っ黒・・・あ、でもスーツの背中側にちょっと色の違うところが・・・あれですね、ダクトテープってやつですね。突貫で修理したのでしょうか?


気持ちがぐちゃぐちゃで何を考えたら良いか分からなくなったせいで、何故か赤松さんのファッションについて考えを巡らせる私。

あぁ、そう言えば「白い犬と対峙する黒ずくめの人物」だと、なんか赤松さんが悪者のポジションみたいで面白いです・・・うん、私、ちょっと混乱してますかね?


先ほどの私と犬の構図を再現するかのように、犬は赤松さんに向かって飛び掛かる。


赤松さんは右手を犬の方に向け、犬と接触するタイミングでクルリと円を描くように動かした??と思ったら、手の動きに合わせ犬が地面に叩きつけられる。そして、その胸を容赦なく踏み抜く赤松さん。べきりという何か金属板でも踏み抜いたような音をさせ、犬のような何かは動かなくなった。


うは、相性問題炸裂。犬からすると相手が悪すぎたって感じ。どんなに素早くても魔術を妨害出来ても、物理で粉砕されたらどうしようもないですものね。それにしても


「さっきの手の動きって何なんです?犬が吹っ飛んだやつ」


久しぶりの再会のセリフには相応しくないような気もしますけど・・・だって気になったんですもの。


「あぁ、あれは普通の体術だよ。特に魔術とかじゃない、普通の」


普通の体術って・・・どう考えても無理でしょ?!あり得ないでしょ?!というか、いつから拳法の達人になったんです??


「あれ?まだ動いてる」


そう言いながら赤松さんが今度は犬のような物の顔を踏み潰した。

あれ?ここまで容赦のない人でしたっけ?


「あー、不味った。仲間呼ばれたかも?この犬って、ここで立ち止まったりしてた?」


「ええ、犬というか、その時はまだ安藤さんでしたけど」


「なるほどー。となると、この近くに集合ポイントが設定されてるのかな?」


「集合ポイント?」


その時、遠くから、そしてあちこちから遠吠えのような叫びのような声が何重にも聞こえてきた。


「やっぱりか。依城さん、さっきの犬みたいなのがゾロゾロ出てくるから戦闘の準備して」


「あっ、はい」


とりあえず朱天を呼び出す。

今日の赤松さんは何故だかテキパキしてますね。ベテランの風格?みたいな物さえ感じるような気がします。


それはそれとして、妨害魔術もどうせ来るだろうし、前もってサクサク仕込みをしておくとしましょうか。朱天を前に出して、私は後ろから防御主体で援護射撃というスタイルを取る方向で。私は直接殴り合いとか出来ないですからね。遠距離射撃が正義です。というか、魔術師は普通殴り合いをしようと思わないので、赤松さんが特殊なだけですね。


そんな赤松さんは何故かキョロキョロとしています、まるで何かを探しているかのように。フルフェイス被ってバイザーも下ろしてるのに遠くを見る事が出来るのでしょうか?


「・・・あそこかな?」


そして、唐突に何かを発見したようです。何だか私って流れに付いていけてないみたいなんですけど、いったい何を発見したんです?


「時間も無いから端的に済ませちゃうけど、ここに集まってくる白い犬みたいなのの親玉がアッチの方にいるのよ。まぁ、たぶん知り合いなんだけど。

で、僕はそっちを押さえにかかるから、ここでしばらく粘ってもらえないかな?話がついたら犬も退いてもらえると思うからさ、その間だけ。魔術をろくに使えない今の僕がここに残ってても『ナギ』の役には立てそうにないし、たぶん10分もかからないから」


「はぁ、それはいいですけど」


何故でしょう、なにか違和感が。というか状況がさっぱり分からないのですけど。


「やるべき事が終わったら、きっと会いに行くから。だから、ちょっと待ってて」


赤松さんはこちらを振り返る事もなく、毎度おなじみの強化魔術による意味の分からない加速でもって山の方へと走り去って行きました。


何故だろう。なんだか・・・

何か凄く違和感が・・・


まぁ、いいですか。後で話をしたらいいですし。今は目の前の事をどうにかしないと。時間稼ぎって言われましたけど、別に全滅させてもいいわけですよね?


「さてさて、お犬さんはどれぐらいいるのかなっと」


不意さえ打たれなければ別にどうって事も無いので、犬が姿を見せるのを気楽に待つ。

すると、一体どこからこんなに来たのか・・・あちこちからゾロゾロと・・・全く見た目の区別もつかない同じように大きくて、同じように真っ白な、犬のような何かがたくさん出てきました。


うん、これ新記録は間違いないですね。前の白い人のようなアレが100ぐらいだったから、まぁ、倍ぐらい?もっとかな?どんだけあの薬って流行ってるのよって話ですが。

私の前方には犬がたくさん。斜め前にも横にも犬がたくさん。全然可愛くない、真っ白で大きくて、同じ顔の犬のような何かがたくさん。


「・・・なんか気分がすっきりしないですけど、やっちゃいますか」


とりあえず先陣を切って向かって来ている10頭程度の群れで実験をしてみる。まずは朱天を突っ込ませる。巨体に似合わぬ意味不明な踏み込みの速さで一匹を蹴り上げた。白い犬擬きは宙を舞いながらキラキラとよく分からない破片を散らし真っ二つに割れて地面に落ちる・・・硬いけど割れやすい?みたいな?私も叩けば良かったのかな?


展開していた魔術の構成を少し変える。そして、いつもの様に足元からではなく頭上から群れの残りに対し「打撃」を加える。質量はあまり無いが、その代わりに限界まで加速を加えた「黒い円柱」による打撃。太さは電柱ぐらい、そんな鈍器がカタパルト的な何かで打ち出されたかのようにモリモリ降ってくるのだ。どうだ!これならいけっるしょ!


工事現場で杭を地面に打ち込んでいるかのような音が立て続けに響き、白い犬達が粉砕されていく。


2頭逃げてますね・・・やっぱり打点が狭いから必中ってわけには行きませんか。ちなみに、そんな撃ち漏らしは朱天がダッシュからの蹴りで仕留めてくれました。


「うん、余裕ですね、これぐらいなら。赤松さんが戻ってくる前に全滅もいけるんじゃないですかね?」


そんな風に余裕をかましていると、ゾロゾロと何処からともなく補充がやって来ました。

あれかな、魔力の隠ぺいとかしてたのかな?・・・さっきまでの1.5倍近くはいるような気がします。何処に隠れてたのかな?


まぁ・・・うん・・・なんとか大丈夫ですかね?10分ぐらいなら、たぶん、何とか。



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