転生したので勇者になろうとしたんですが学歴、国籍無しで逮捕されたんですけど!?
それは突然だった。
高校2年の冬、俺はトラックによる事故に巻き込まれて死んだ。
特に何も残せなかった人生、後悔は無かった。心残りといえば好きな漫画の最終巻を見れていないことぐらいだろうか。このまま終わってしまうんだろうか。
そう思っていた俺に奇跡が起こった。
「目をお覚ましください」
何者かの優しい声、その声を聞き俺は目を覚ました。
「ここは」
俺はそう目の前の神々しい女性に問う。
「あなたは事故で死んでしまいましたが異世界で生きれる権利を獲得しました。ここはいわばその中間地点と言いましょうか」
もしかしてこれって異世界転生ってやつぅぅ!
「はい、そのようなものと思っていただいて結構です」
「なんで心の声が読めるんですか…」
不意に話されたので聞いてしまった…
「女神ですから!」
「答えじゃないような気が…」
まあ、いいか!
せっかくの異世界転生!これから楽しんじゃうぞー
「心の準備はできましたでしょうか?」
「はい!その、転生する世界に魔王とかって…」
「そのようなものはいません、安全な世界なので楽しんでくださいね! それではいってらっしゃいませ」
そしてあたりが眩い光に包まれる、ここから俺の第2の人生が始まる!
再び目覚めると俺はジャリジャリとした砂の上で全裸で寝そべっていた。
「なんで全裸!ていうか肉体はそのままなのかよ」
まあいいか、これから始めるんだと意気込む事はできなかった。なぜなら…
「君かな合園で全裸で寝そべっていたのは」
「公園では…」
「何言ってんだ、ここは合園だよ。君名前は、ユアナンバーカード見してもらえるかな?」
「マイナンバー?すみません、何も持ってなくて…」
「何も持ってない?君家は?」
「ないです」
「学歴は」
「中卒です」
「真面目に答えなさい!そんなものはないよ」
「ほんとに中卒なんです」
「はー学歴不明ね、この感じ学歴無しかな」
「君種族的にイエローヒューマンだよね、国籍は?」
「その、ここって日本ですか?」
「日本?何処そこ、国籍無しねー、不法入国者か」
「ちょっとバトカー乗ってくれるかい」
「パトカーでは」
「おちょくるのもいい加減にしなさい」
「あ、その、俺転生して、女神、女神に連れてきてもらったんです」
「はいはい、そういうのいいから。夢の話なら刑務場でゆっくり聞くからねー」
「夢じゃなくて!」
そして俺は刑務所、じゃなくて刑務場に連れてかれ逮捕された。警官らしい男が言うには返す国を教えてくれないと刑務場から出れないらしい。
「奇跡はやっぱり起きないんだなー」
俺は薄暗い天井を見上げながら獄中で一生を過ごす覚悟をするのだった。
転生しなきゃ良かった!




