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最悪な1日②

「失礼します」

ラーニーはそう言って、教師の部屋へと入った。というのも、ニノはそんな作法も知らず教師の部屋の前に着くとすぐに扉を開け、入ろうとした。

そんなニノをラーニーはとめ、ニノには教師部屋への入り方も知らないのだということを思い出し、「俺が先に入るから」とだけ言い、教師の部屋へと踏み入れた。


「いらっしゃい。いつ来るのかと思い、ずっと待っていたよ」

何だかんだあり、お昼の時間も半分はすぎていた。いくら詳細な時間は決めていなかったとはいえ、教師がその様に感じるのにも無理はなかった。

「すみませんでした。」


「ラーニーは何が悪いかしっかりと理解している様だね。ニノは…、仕方ないところはあるかね」

そして、教師はニノに何が良くなかったのか、どうして悪いのかを優しく説明した。

ニノはそんな教師の話を一言も漏らさぬ様、真剣な眼差しで聞いていた。

(こいつ、本当にわからないやつだな…)

そんなふうにラーニーはニノに対して感じざる得なかった。



「お説教はこんなもんにして…。ラーニーせっかくだからニノに学園の案内をしてくれないか?」

「え?僕がですか??」

「そうだ。ニノはルシウスに来て初日だぞ、この学園ことは右も左もわからないも同然だ。それに、こうやって一緒に説教を受けてるのも何か縁だろう。どうだ?やってくれないか?」

ラーニーはニノに対して苦手意識を持っているとはいえ、それ以外に教師の願いを断る理由が出なかった。

「わかりました…。」

「ラーニー、よろしくな!!」

(はぁ、何でこんなことになってしまったんだ…)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


教師からニノの案内を依頼された、ラーニーは学園内の施設を説明しながら歩いていた。


「おい、ちゃんとついてきてるかー?」

ふと、さっきまでぴったりと付いてきていたニノの存在感が無くなったことに気づいた。後ろを振り向きニノがついてきているかを確認すると、ニノは茂みの方を見ながら立ち止まっていた。

「何やってんだ?」

「あれ!何か向こうの方に光がみえるんだよ!」

「ほんとだな。でも、この森は初等部の俺たちだけでは入ることはできない決まりだ。さっさと行くぞ。」


学園の中には「変化へんげの森」と言われる、中等部以下の生徒だけでは入ってはいけないとされる場所があった。そこには様々な恐ろしい謂れがあり、高等部以上の学年のある一定の魔法が使える者しか入ることが許されていなかった。





しかし、ニノはそのことを知る由もなかった。




「ひとが倒れてる…!」

「あ!まて、こら!!ニノ!!!」


2人は学園の掟を破り、その森に入った。

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