第83話 竜人化
「カッカッカ! デガロ監獄の監獄長となって、何の刺激もなくぬるいと思っておったが……。今、初めて監獄長で良かったと思うたわ!」
「そうか。それは、良かったな」
「お前さんのお陰じゃ! 年甲斐もなく、胸が躍るわ!」
ゼフィンの周りに、拳位の球体が複数出現する。
「これは、どうじゃ! 爆拳破壊球!」
ゼフィンの周りの球体が、一斉にレインへと襲い掛かる。
バババババババン! と、連続で爆発した音が鳴る。レインの居た場所に、爆破の煙が舞う。
「何……じゃと!? お主、無傷なのか!?」
煙が消えると、レインは何事もなかったかように平然と立っていた。
「お前の力は、その程度なのか?」
「カッカッカ! 言いおったな! ならば、わしの本気……見せてやるぞい!」
ゼフィンは、まだ本気を見せてなかったのか?
「かああああああ!」
ゼフィンが吠える。ゼフィンの体に黒いオーラが纏い、ゼフィンの体が徐々に変化していく。
「何!? どういう事!? ゼフィンの体が、竜人みたいになったわ!」
これは黒竜石を飲み込んだゼヒドの竜人化と、一緒じゃねえか!
「おいおい、ゼフィンは黒竜石を飲んでいないぞ!? それなのに、何で竜人化が出来る!?」
レッドの言うように、何でゼフィンは黒竜石なしで竜人化が出来たんだ!? てか、ゼヒド同様に竜人化で、ゼフィンはめっちゃ強くなってるんじゃないか!?
「何で、黒竜石なしで竜人化出来るのか? それを、わいが説明したる」
「は? ユートは、何か知ってるのか?」
「知っとるで。何せ、わいとシャノンはんも……。ゼフィンと同じく、黒竜石なしで竜人化が出来るんやからな」
「何だって!? それは、本当なのかよ!?」
「ほんまや」
マジか! ユートとシャノンさんも、黒竜石なしで竜人化が出来るんかい!?
俺とレッドとアマリアさんは、ユートの突然の暴露にめっちゃ驚いていた。




