表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/115

第55話 黒ずくめの人物の正体

 俺達は、順調に階下へと降りていった。アマリアさんが言っていたように、このダンジョンの魔物は強い。とはいえ、死の森を経験している俺にとっては、まだこっちの方がマシだ。このダンジョンの魔物の力は、見ているだけでも凄いのが分かる。だが、もっと凄いのが、そんな魔物を軽く蹴散らしているレッドとアマリアさんだ。


 俺達は、一○階層ごとに休憩を兼ねて調査していく。三○階層まで到達すると、流石に二人の顔には疲れが見えていた。俺も二人の役に立てれば良かったのだが、とても二人のようには戦えない。


 三○階層にある部屋の観音扉をレッドが開ける。一○階層ごとにある部屋の中は全て同じ造りで、直径が一○○メートル程のドーム状の形となっている。


「みんな、止まれ!」


 部屋の中へ入るなり、突然レッドが叫ぶ。部屋の奥を見てみると、フードを深く被った黒ずくめの人物が一人立っていた。


「おい! ここで、何をしてる!?」


 レッドが、黒ずくめの人物に訊ねる。


「何や、アマリアはんも来てしもうたんか」


「その話し方……あなた、もしかして?」


「あらら、この喋り方はバレバレやったなあ」


 黒ずくめの人物が、フードを取った。デガロ監獄の副監獄長、ユート・スコルの素顔が露あらわになる。


「ユート。まさか、あなたが黒ずくめの人物だったの?」


「そうや。わいが、ゼヒドをここから逃がしたんや。黒竜石を奴に渡したんも、わいやねん」


「何故、そんな事をした! お前のせいでフェリスちゃんは、大怪我したんだぞ!」


 確かにユートさんが、ゼヒドを脱獄させなければ、俺は痛い思いをしなくて済んだはずだ。


「そうなんか? それは、すまへんかったなあ。けどな、わいも上からの命令でな。仕方なかったんやで」


「上からの命令だと!? ザース共和国からの命令なのか!?」


「ちゃうちゃう。ザース共和国は、何の関係もあらへん」


「なら、お前は一体! どこから命令されたんだ!」


「そやな。ここで自己紹介でも、しておこか」


 ザース共和国軍の所属以外に、別の何かがあるというのか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ