第52話 レッドへのお願い
ドンドン! ドンドン!
扉を激しく叩く音。俺は何事かと、急いで扉を開ける。
「フェリスちゃん! 大丈夫か!?」
「え? あ、はい」
誰かと思えば、レッドか。俺を心配して、急いで駆け付けたのだろう。息が、荒くなっている。
「そっかあ、良かったあ」
「何が起こったのかは、さっきシャノンさんから聞きました」
「俺もユートから聞いたよ。大きな爆発音が鳴った時、ユートと一緒に巡回してたからさ。しかし、ここの結界は大したもんだよなあ。空艇のミサイルが全く通用しないなんてな」
「はい」
レインの結界の方が、もっと凄いような。
「何か、安心したら、お腹が減っちゃったなあ。フェリスちゃん、何か作ってもらっていい?」
「はい、いいですよ。直ぐに用意しますね」
「悪いね、よろしく」
俺は昼食を用意し、レッドと一緒に食事を摂りながら、今後の事を話す。
「一度、ダンジョンを調べた方がいいと思うんですけど」
「そうだなあ……。確かに黒ずくめの奴が、ダンジョンに現れている事を考えると、調べてみる価値はある……か」
「そうですよね」
「よし。今日の夜、みんなが眠りについた後、ダンジョンを調べてみるよ」
「あの、出来れば……。私も、一緒に行きたいです」
「フェリスちゃんも、一緒に?」
「はい。ダメ……ですか?」
レッドが腕を組んで、悩んでいる。
「いざという時は、私ならお兄ちゃんも呼べますし」
「まあ、そうなんだけどね」
「レッドさん、お願いします」
俺は両手で、レッドの手を握った。
「あああ、そ、そうだね。い、一緒に行こうか」
「はい」
レッドは、凄くチョロかった。




