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第51話 空艇の急襲

「う~ん……」


 俺は、大きく伸びをした。どの位、寝ていたのだろう? 外は、まだ明るい。時間は……。


 ああ、あれから四時間程経っているのか。


 給仕の仕事といっても、レッドの専属という形だから、レッドが傍に居なければ、基本やる事がない。


 そろそろ、お昼だよな。レッドが、お腹を空かせて戻って来る事だろう。レッドの部屋を掃除して、食事の用意でもしておくか。


 ベッドから降りて、部屋を出ようとした、その時――


 ドドン! と、大きな爆発音が空から聞こえた。


 何だ!?


 俺は急いで窓に駆け寄り、窓から身を乗り出して空を見る。すると、小型の空艇が一機、空中で静止していた。暫くして、空艇はデガロ監獄に向けて、ミサイルを発射。ミサイルは結界に阻まれ、空中で爆発した。


 一体、何が起きているんだ!?


 トントンと、部屋の扉を叩く音。俺が扉を開けると、シャノンさんが立っていた。


「現在、デガロ監獄は空艇によるミサイル攻撃を受けています。ですが、ご安心下さい。空艇のミサイル程度では、このデガロ監獄に張られた結界は破る事は出来ません」


「あ、はあ……。そう、なんですね」


「はい。それと只今、セイラード公国軍所属アマリア・ノイット様が、空艇に対する迎撃に向かわれました。直ぐに、鎮圧出来ると思います」


「そう、ですか……。こういう事って、よくあるんですか?」


「よく……は、起こりませんが。時々は、起こると思います」


「あ、時々……なんですね」


「はい。きっと、獄中に囚われているお仲間を、助けに来たのでしょう」


「あ、なるほど。それで、何ですね」


「はい。フェリス様は、このまま、お部屋で待機頂くよう、お願い致します」


「はい、分かりました」


「それでは、失礼させて頂きます」


 結界が張られてなかったら、めっちゃヤバイ場所じゃねえか。


 部屋の窓から外を覗くと、一人の女性が地面に立っていた。髪は短く、快活そうに見える。女性は暫く、上空の空艇を眺めた後、突然姿が消えた。空艇の方へ視線を移すと、さっきの女性が空艇の目の前にいる。女性が、右手を前に突き出した次の瞬間――


 突き出した女性の手から、激しい渦となった水が飛び出し、空艇を覆う。空艇はバランスを崩し、島外の海へと落下した。


 あの女の人、すご! 一人で空艇を落としたよ!


 多分、あの女性が、さっきシャノンさんが言っていたアマリア・ノイットさんだな。だとすると、あの人も監視者の一人って事なのだろう。


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