第16話 突然の思いつき
レインとレッドから愛の告白をされた日から、一週間が経った。別に何かが変わった訳でもなく、いつも通りの日々を送っている。黒竜王についても、情報を得るのはなかなかに大変みたいで、二人ともこれといって進展は何もないようだった。
俺としては、何か拍子抜けだなあ。レインは兎も角、レッドなんかは強引にデートとか言って誘って来そうな気はしたが。まあ、デートに誘われても断るだけなんだがな。それにしても、何かつまらん。
何か、面白い事をやりたい!
と言っても、今日はもう夜だし。
ん? 夜……。
レインは、もう寝てるのか?
レインか……。今からレインに、添い寝ドッキリを仕掛けるっていうのも面白そうだな。レッドと違って、レインなら突然襲う事もないだろうし。
よし、決めた! 今からレインに、添い寝ドッキリを仕掛けてやる!
俺は枕を持って、早速レインの部屋に向う。レインの部屋の前で、扉を軽く三回叩いた。
「お兄ちゃん、起きてる?」
開いた扉の隙間から、レインが顔を出す。
「どうした? 何か、あったのか?」
「あ、ええと……。私ね、さっき怖い夢を見たの。それでね、一人で眠るのが怖くなって……。だから、今日の夜は……お兄ちゃんと一緒に寝かせて欲しいの。駄目……かな?」
俺は、上目遣いでレインを見る。
「そうか……。いいよ、今日は一緒に寝よう」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん」
俺とレインは、ベッドの上に並んで横になった。