第15話 レインの想い
「レイン、俺は! お前にだけは、絶対に負けない!」
レインに啖呵を切ったあと、レッドがこっちを向いた。
「フェリスちゃん、いつか君の心を……掴んでみせるからね。だから、それまで待っててね。じゃあな、二人とも」
レッドの奴は、やっと帰って行った。何だか、この先が思いやられそうだ。
「フェリス……。突然、あんな事を言って、驚かせてしまったか?」
「うん、凄く驚いた」
まさか、兄弟姉妹でも結婚が出来る可能性があるとはな。
「俺も……本気だ。お前の事は、可愛い妹であるのと同時に。俺にとっては掛け替えのない、一人の女の子でもあるんだ」
「うん」
「それとな……。俺は、両親に誓ったんだ。お前の事を、一生護ると。だから、俺は……。ずっと、お前の傍に居たいと思ってる」
レインはレインなりに、俺の事を考えてくれてたんだな。もし、俺が普通の女の子だったら……。いや、仮の話をしても仕方ないな。
「私もね。お兄ちゃんの事が好きだよ。だけど、私はまだ一五歳で学生だし、まだまだ色々な事を経験したいなって思ってるの。だから、結婚は……。今は、考えられないの。ごめんなさい」
「いや、別に結婚は今すぐとかって訳じゃないし、今はフェリスのやりたい事をやってくれたらいい。それと結婚に関しては、フェリスの気持ちを第一にと、俺は考えているから」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん」
この先、俺はレインとの関係をどうしたいんだろうか?
今はまだ、その答えは見えそうにないな。取り敢えず、今はこの異世界の生活を満喫する事にしよう。