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第13話 知らぬが何とやら
「レッドさんと、一緒に寝るなんて嫌です」
「またまた~。俺のようなイケてる奴と、本当は一緒に居たいでしょ?」
「居たくありません」
「フェリスちゃん、素直になっていいんだよ」
「私は、いつでも素直です」
「ええ~、そんな~。俺は、フェリスちゃんを食べたいのです!」
おい! 本音が出てるぞ!
「レッド。それ以上、フェリスが嫌がる事を言ったら……殺す」
ちょ! レインの顔がこわ! これは、レッドを本気で殺しかねないぞ!
「分かった分かった。少し、冗談が過ぎちまった。フェリスちゃん、気分を悪くさせて、ごめん」
レッドは、俺に向かって深々と頭を下げた。
「いえ、別に怒ってないので大丈夫です」
こいつ、本当に冗談だったのか?
「ほんと?」
「はい」
「そっかあ。フェリスちゃんに嫌われなくて良かったあ」
残念だったな。
お前は元々、俺に嫌われてるんだよ!