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祖母のぬか漬け

作者: 土屋

私は祖父母が大好きだった。共働きで仕事で忙しい両親に代わって、幼い時間を共に過ごしてもらった。家が近いことからしばしば預けられた。二人に育てられたと言っていい。だから、大好きな祖父が失踪したと聞いた時は、おいおいと泣いた。


10年経った今、私は祖母の家で暮らしている。当時の記憶は曖昧で、もう殆ど覚えていない。私は、1人になった祖母が心配で共に暮らし始めた。祖母はあれから寂しさを埋めるように、新たな趣味でぬか漬けを始めたという。今ではもう慣れたものらしい。


祖母のぬか漬けは美味い。市販のものとは比べ物にならない。


いつでも食べれるよう私も試しに作ってみようと思う。


そう思い、レシピを聞こうにも頑なに教えてくれない。


食欲とは恐ろしいものである。私は妙案を思いついた。


私にはあるツテがあった。ものに含まれる成分の分析のプロが同級生だったのだ。


私は祖母の目を盗み、サンプルに必要な幾らかを頂いた。


後日、その友人から検査結果が届いた。


「普通のぬかだったよ。作り方もいたって普通だろうね、君の話を聞く限りは。ただ...」


友人が顔をしかめる。


「混ざってたんだよね。白くて小さなものが。細かく砕かれてはいたが、あれはね、骨だったよ」




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