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読んでいただけると幸いです。
父親の凶行が始まります。
酷いです。
苦手な方にはお勧めできません。
家人に夕食に呼ばれ、食堂へ入るなりいきなり父が、ナイフやフォークなど手当たりしだいに私に投げつけて喚き立てた。
酷く酔っていてお酒の入ったグラスにはなみなみと酒がつがれ、空になった瓶が転がっていた。
その空の瓶を私に向けて投げつけてきた。
かろうじて当たらなかったが、それを忌々しそうに父が喚きだした。
「俺はな、エルシーを愛せなかったんだよ!愛そうと努力したさ、体は良かったからな。でも俺が愛していたのは死んだチェリー一人だけだったんだ」
手近にあった食器が私に向けて投げられる。
食器が割れ、破片が飛び散り私に当たる。当たった頬から血が一筋流れた。
その血を見て、興奮したのか私の胸ぐらを掴み上げ、私を物のように投げつけた。背中から落ち、息が出来ない。
私が身を縮めていると、左足を掴み家中を楽しそうに引きずって、鼻歌を歌いながら歩いた。
その日を境に父の暴力はすべて私に向かうことになった。
毎日新しい傷が増え、切り傷そして赤や青、黄色の痣が体中にあった。
父は私の顔を見た途端、拳で顔を殴ってきた。
口から血が溢れ、歯も一本折れた。
私の苦しむ姿は父を興奮させる。
その日の暴行が終わったとき、家人が慌てて医者を呼ぶ程ひどい怪我を負っていた。
顔は腫れ上がり目が開かず、左腕、肋3本、右足が折れていた。
腕と足にギブスを巻き、顔中にガーゼを貼られた私の顔を見て父は「いい気味だ」と言った。
ダニエルは震える声で「守れなくてごめんなさい」と何度も謝っていた。
その話を聞き、祖父が慌てて来た。
傷だらけの私を見て驚き、涙を流し震える手で私に触れようとして触れられる場所がないことに気付き「すまない」と嗚咽を漏らした。
そしてその日の夜、大きな物音が聞こえ、階下へダニエルが恐る恐る様子を見に行った。
「お父様とお祖父様が喧嘩している」とベッドで横になっている私に言いに来た。
「危ないから隠れてなさい」と私は言ったのにダニエルは「エリーを守る」と言い私の枕元から離れなかった。
物が壊れる音と父と祖父の怒鳴り声がする。
その音が近づいている気がしてダニエルに「ベッドの下に潜りなさい」と言った。
ダニエルも怖くなったのか今度は私の言うことを聞いてベッドの下に潜り込んだ。
お祖父様の怒鳴り声が聞こえる。もうとても近い。
もうすぐ部屋に入ってくる。私は確信していた。
ドアがバンっと大きな音を立ててドアが開く。
そこには剣を持った父が私の部屋に入ろうとしていて、それを祖父が必死で止めていた。
少し短くてすいません。




