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襲撃

「間違いない、アリス嬢だ。こちらも捕らえよ」

「「「はっ!」」」



「そうはいかないわ!! アリスさん、背中は任せるわよ」

「任されたわ!」


 立ち回りを上手くすればなんとかなるかもしれない。一対一を繰り返すように。とアリスは考えていた。

 実際に三人程度は倒せた。そこでリーダーから指示が飛ぶ。


「いつまでも何をしている!? 数の利を活かさんか!! 投網を使え!」


 シルヴィアとアリス、それぞれに複数の網が投げられる。

 特殊な繊維で出来ていてアリスの剣の腕を持ってしても全て切り裂くのは難しかった。


「くっ!! 卑怯だぞ、おのれ、無礼者!! うわぁぁぁ!!」

「なによ!? どこ触ってんのよ!? いやぁ!」


 男達はユピテル教聖騎士団と名乗ってはいるが、やっている事はその辺の野盗と大して変わりない。

 教団に言われた事だけは守るが、それ以外は略奪、強奪、陵辱は当たり前だった。


「捕らえたか。どちらも美しい。女としての味は極上品だろうな。どうせ火炙りにしてしまうのなら、その前に我々が味わうべきだろう」

 聖騎士団団長と呼ばれるその男は下卑た笑いを浮かべた。


「手足を固定しろ! なぁに、お前達には後で回してやるから安心せい。ゆっくりと楽しむからお前達はで‥‥‥」


 刹那、ビシッと騎士団全員の動きが止まった。

 時が止まった訳では無い。


ーーーーーーーーーーーー


 迂闊だった。こんな森の奥で見つからないだろうと思っていたのが完全に裏目に出た。俺の留守中にこんな事になるなんて。


 家は燃えている。俺のスキルは魔法じゃない。火を消したり、雨を降らせたりは出来ない。


 「なんてことを‥‥‥、!?」

 ズキッ!!!!

 一瞬だけ頭に激痛が走り、理解した。


 こうなればシルヴィアとアリス様の無事を確認しなきゃな。とりあえずかつてない角度で急降下。その後スキルを全力で発動した。



「ぐっ‥‥‥? 何が起きているのだ?」

「こっちのセリフだ。何をしてくれたんだ? 俺の家を燃やしたのはお前達だな? 楽に死ねると思うなよ?」


 今回は鎧、小手、具足を全て小さくする。

 当然胴や手足は潰れる。団長以外。


「「「ぎゃああぁぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!!」」」

 連中の絶叫が森に響き渡る。うるせぇなぁ。


「な‥‥‥、何をして‥‥‥? わ、私には無効だぞ、敬虔なるユピテル教の聖騎士団団長の私には‥‥‥ぎゃああ!!!!」

「何言ってんだ、お前? 気持ち悪いな。お前には俺の家族に手を出そうとしたから特別サービスしてやろうと思ったのに」


 そもそも動けない時点でスキルが有効だろうが‥‥‥、あまりに気持ち悪い事を言い出したものだから団長の手足も少し締めてやった。


 ふむ、思いついた。先に倒れていた連中の鎧を拝借して団長の全身に纏わせる。もうこれで団長は手足の指くらいしか動かせない。


 俺と団長を浮かせて家の高さに。


「な、何を‥‥‥、悪かった、謝るからやめて‥‥‥モゴッ!!!」

「お前の謝罪にそんな価値があると思ってんのか? 頭ん中虫でも沸いてんじゃないか? じゃあな」


 叫び声がうるさそうだから口に薄い鉄を貼り付けてやった。鉄のマスクだな。


 燃えている家の真ん中に団長を運ぶ。

 床にそのまま貼り付ける、床と設置している部分を釘のようにしてしっかりと留めておかないとな。


「うごーーーーーー!!!!」


 別に火炙りにされるのをじっくり見たい訳じゃないから下に降りた。



ーーーーーーーーーーーー


「シルヴィア、大丈夫か?」

「うん、ありがとう。でも家が‥‥‥」


「家はまた作ればいい、無事で良かった」


「ごめんなさい、アウルム。私が尾行されてたみたいで‥‥‥」

「アリス様もご無事で何よりです。ブラス様もヒルダ様も無事救出しました。今は安全なところにおりますよ」

「そう、良かった。ありがとう、アウルム」


ーーーーーーーーーーーー


 アリス様とシルヴィアをイーリエさんの所に連れてきて預かってもらった。現状で最も信頼できる出来る人だからな。 

 イーリエさんは快諾してくれた。


「これからどこに行くの?」

「あぁ、シルヴィア。二度とこんな事が起きないように釘を刺してくるよ。すまないな、終わったらまたゆっくりしよう。じゃあ行ってくる!」


 このまま飛んでタイタン王国へ向かい、あの気持ち悪いふざけた教団をぶっ潰すとするか‥‥‥。

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