塔の上では
次の階には何もいなかった、‥‥‥モンスターは。
あったのは槍? 黄色の柄で刃先が派手な槍が台座に刺さっていた。
「間違いなく我が妹、魔槍カレンドゥラですな」
「あいつ機嫌悪いとアタイ達でもてこずるからな、旦那なら平気だろうけど‥‥‥」
「どれ‥‥‥」
スキルでもって槍を台座から抜く。
『フハハハ、よくぞ抜い‥‥‥って、えっ!!? なにこれ? ワタシ、浮いてる?』
「久しいの。我が妹、カレンドゥラよ」
『えっ!? 剣姉ちゃん?』
「アタイもいるよ〜」
『えっ!? 斧姉ちゃんも!? なんでいるの!!?』
「二人とも俺の仲間だ」
『貴様かっ!? さっきから妙な力でワタシを操っているのは!!』
「カレンドゥラよ、お主も共に参ろうぞ」
「旦那いい人だよ」
『姉ちゃん達は騙されているのよ! ワタシはそうはいかないわよ!』
「ほう、じゃあ‥‥‥」
手を翳して槍の穂先を締め上げる。
さすがは魔神器、変形までは至らない。
『イタイイタイイターイ!!!! なにすんのよ!!』
「少々解らせてやろうと思ってな」
「主殿、お手柔らかに‥‥‥」
「カレンドゥラ! 早く降参しな! ぶっ壊れちまうぞ」
『アァーッ!! わ、わかったからやめて!』
「OK 緩めよう」
スキルをオフにする。
『ふぅ、痛いじゃないの! 何してくれてんのよ!!』
「仲間になってもらえるだろうか?」
『‥‥‥‥‥‥もう痛くしない?』
「‥‥‥しない」
『なんで間があくのよ!!?』
「いや、裏切ったりしそうならするかなぁって‥‥‥」
『しないわよ! アナタの力は解ったわ。お姉ちゃんたちもいるし、ついていくわよ』
「そうか、ありがとう。お前も人型になれるのか?」
『暫くぶりだけど、やってみる〜』
二人同様、光が集まって人の形になっていく。
「‥‥‥ホントに久しぶりだわ」
すらっとした髪の長い美人だ。槍の化身だけあって背が高いのか。イーリエさんくらいあるんじゃないか?
「主殿、これで我ら姉妹三人が揃いました。我ら一同主殿に忠誠を誓います」
「「誓います」」
三人共こちらを向いて跪いた。
「ありがとう。これからもよろしく頼むぞ」
シルヴィアがワクワクして出てきた。
いつものやつだな。
「えっと、槍の‥‥‥?」
「カレンドゥラと申します」
「じゃカレンちゃんで決まりね!」
「えっ!? は‥‥‥?」
「カレンだな」
「カレンじゃな」
「カレン、よろしくな」
「えっえっ? え〜〜!?」
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