表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/144

金属支配者の目覚め

「よう、母ちゃんとの別れは済んだか?」

 盗賊が二人ニヤニヤしながら近づいてきた。


「ほら、行くぞ! 大人しくし‥‥‥」

ベキベキベキ‥‥‥

「ぐっ!! ぎゃあーーーーーー!!」

「なん‥‥‥、ぐっ!!‥‥‥‥‥‥」


 怒りのあまり無意識のうちにスキルが発動したようだ。一人は兜ごと頭を潰した。もう一人は首に付けてた鎖のような飾りを締め上げ、宙に浮かせた。空中でジタバタしながら鎖を外そうとしてたが、そいつもやがて動かなくなった。


 俺も意識が遠くなって倒れてしまった。


ーーーーーーーーーーーー


 前世の俺は鉄工所で働いていたおっさんだったようだ。高校を出て就職。結婚もせず、ラノベだのゲームだのに夢中になっていたようだ。


 しかし金属支配ってなんだろうな?

 言葉からすると「金属を意のままに操れる」って事なのか? 

 アメコミの超能力集団の悪役のボスみたいだな。磁石みたいな名前の。好きだったけど。


 そうか、ああいう風に能力を使えれば戦えたり生き残ったり出来るかも‥‥‥


ーーーーーーーーーーーー


「おらっ! 起きろ! 手間を掛けさせやがって!!」

「‥‥‥‥‥‥」

 ロープで後ろ手に縛られていた。


「こいつらはまさかお前がやったのか?」

「気味の悪いガキだな‥‥‥」


 野盗の頭みたいなやつも出てきた。コイツも金の腕輪を付けてる。とりあえず外されないようにきつめに食い込ませておこう。


「ぐっ、このガキ! 何を‥‥‥」

 頭の腕はもう俺が操れる。持っていた剣を隣のやつに突き刺す。

 

「ぐはっ! お頭‥‥‥なんで‥‥‥?」

「違う! 俺じゃねぇ!」


 頭目が狼狽えて剣を手放した。その隙にその剣を操って頭目の両腕両足を切り付ける。これで追ってはこれまい。そのまま剣を操作して俺の手を縛ってたロープを切る。よし!


「ぐっ!! このガキ! おい! お前ら、このガキを仕留めろ!」

「お頭! コイツ、怪しげな術を‥‥‥」


 頭目の剣でもう一人切り付ける。と折れてしまった。


「ハハッ! どうだ、折れたぞ!! ぐわっ!」

 折れた切っ先の方を操作する、俺の使い方なら鍔や柄が無い方が速いし扱いやすい。


 ヒュン!! バタッ!

 

 野盗の首を切ると、そいつは操り人形の糸が切れたかのように倒れた。

 

 ヒュン!! ヒュン!! ヒュン!!

 ヒュン!! ヒュン!! ヒュン!!

 バタバタバタバタン!!


 薄暗くなってきたところで大きくない剣の切っ先なんて見えないだろう。とりあえず野盗の頭目以外は倒せた。血の匂いが充満してる。


 フラッと眩暈がして片膝をつく。どうやら力を使いすぎたようだ。さっきのように気絶してしまうよりはマシだが‥‥‥。


 頭目は完全に怯えていた。

「な‥‥‥なんなんだ。お前は‥‥‥?」

「‥‥‥‥‥‥答える理由は無い」


 手を翳して母さんに刺さっていた矢を抜き、イモムシのように転がっている頭目の眉間目掛けてゆっくりと飛ばす。


「いやだ! 助けてくれ!!」

「お前たちはそう言ってきた人たちを助けたことがあるのか‥‥‥?」


 スローモーションのようにゆっくりと頭目の眉間に刺さって行く。

「ーーーーーーーーーーーー!!!!」


「っ!! しまった‥‥‥」


 暗くなり始めた森に頭目の断末魔が響き渡る。


「喉を潰しておけば良かった‥‥‥」

 うるせぇ‥‥‥ 耳が痛ぇ‥‥‥

面白い!!、続きが気になる!!と思った方はブックマーク、☆の評価をしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ