魔剣
『ほう‥‥‥貴様が次の我が主かえ?』
赤いナイフから声がした、気がする。
気持ち悪っっ!!!!
思わずナイフから手を離した、が手の平について離れない!?
「うわっ! なんだ? このナイフ!?」
「アウルム? そのナイフ手にくっついてるわよ!!?」
『ほほ‥‥‥、すぐそばに生贄がおるではないか? どれ‥‥‥、さっそ‥‥‥』
バリッ!! カラーーン!!!!
ナイフを床に落とした。
スキルで引っぺがしたからだ。
『はっ? な、何故じゃ? 我を手にした人間は死ぬまでその手から離れぬはずじゃ!! 貴様何をしたのじゃ!?』
「‥‥‥ナイフが喋ってる?」
「‥‥‥みたいだ。魔剣の類いかな?」
『フハハハ、いかにも!! 我が名は魔剣ルージュフレイン!! 太古の昔、世界を焼き尽くした炎の‥‥‥って、おい!! 待て! 置いていくな!!』
「いや、だって気持ち悪いし‥‥‥」
『だからって置いていくな!! 数百年ぶりに人間に手にされたのじゃ!! そんな邪険にする事なかろうが!』
「邪剣じゃなくて魔剣だろ?」
『そんな話をしているのではない!! 役に立つぞ! 連れていけ!』
「えぇ? やだよ、さっきもいきなりシルヴィアを刺そうとしたろ?」
『我は生き血を吸う事で成長出来るのじゃ! 今はこのようなサイズじゃが、その鞘にピッタリのサイズまで戻れば驚く程‥‥‥って、だから置いて行くなー!!』
「‥‥‥うるさいな、どうする?」
「見せ物としても高く売れそうだし、持っていこうか?」
『売るな!! 頼む! 連れていってくれ!』
「えっと、鞘は触っても大丈夫だな」
鞘を持ってみたら平気だった。柄に触れると離れなくなるみたいだ。
『うわっ! 何をする!!』
「しょうがないから連れてってやるよ」
スキルを使ってナイフの刀身と鞘を宙に浮かせ、そのまま納刀する。
『‥‥‥お主は何者じゃ?』
「俺は冒険者のアウルムだ。ちょっと特殊なスキルを使える」
「私はシルヴィアよ。よろしく、ルーちゃん!」
「『ルーちゃん?』」
「ルージュなんとかは長いからルーちゃん!」
『‥‥‥‥‥‥』
「だとさ。ルー」
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