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カルコスに向けて

「カルコス行きの馬車、こちらでーす!!」

 御者さんの声が響く。


「乗りまーす! 待って〜」

「いや、その前に‥‥‥」


 乗り合い馬車に乗る前に、交渉だ。有事の際に護衛として働く代わりに料金を割引してもらうのだ。冒険者としては割と普通の事だ。

 モンスターや野盗等が出て退治してくれたら割り引くと言う話で落ち着いた。これもまぁよくある普通の話だ。


 乗車して無事出発。薄い鉄板をシルヴィアに秘密裏に渡した。シルヴィアもマントをしているのでバレないだろう。

 これで三センチほど浮かせれば下からの衝撃を受けずに済むはずだ。


 順調に進み、集落毎に馬を変えて進んだ。夜は野営ポイントがあるらしく、そこで休んだ。

カルコス発の他の馬車もいた。テントも持っているので野営もなんのその。むしろ今後はこんな日が多くなる。冒険者だからな。


 俺とシルヴィア、もう一人いた冒険者の三人で交代で夜間の警戒を買って出た。


 俺は二番目のパートだった。金属片をさらに細かく粒子状にして宙に撒いておけばすぐにわかる。触れて気付く人も魔物もいないだろう。

 寝ていてもコレが出来れば良いけど、まぁまだ無理だろう。他人に見せるのもどうかと思うし。


「アウルム、代わるわ」

「シルヴィア、よろしく。俺は寝させてもらう。何かあれば遠慮なく起こせよ」


「もちろん」

 代わってもらってすぐに寝ついた。



「アウルム! 敵襲よ!」

「!!!!」


 さっき撒いた金属粒子は地面に落ちているので、それをそのまま浮かせると、敵に触れた。

金属粒子に触れた形である程度の魔物の推測がつく。この形はイノシシだな。


 テントから出て、警戒を強める。暗くて姿はイマイチ見えないが鼻息が聞こえてくる。後ろ足を振るイノシシの例のポーズをしているようだ。馬車の方に行かないようにしないと。


と、ここで思いついて即実行する。地面の砂鉄をそこら中からかき集め、イノシシの足に纏わりつかせた。思ったより集められたのでそのまま固めて鉄の塊にして、動けなくしてやった。


「シルヴィア! トドメを!」

「やぁあああーーーー‼︎」

 シルヴィアの剣でイノシシの首を切断した。キラキラし始めて皮と肉が残った。

 足に固めた鉄の塊は元通り砂に戻しておいた。暗かったし、気付かれなかっただろう。


「お見事」

「アウルム、ドロップ品の回収お願い」

 

 ドロップしたイノシシの皮と肉をストレージに回収した。というところでもう一人の冒険者がやってきた。


「もう追い払ったのか?」

「倒した」


「あの時間でか。すまない、遅れて」

「いや、何。問題なかったさ。間もなく夜明けだから俺とシルヴィアで警戒しておく。だから休んでていいぞ」


「そ、そうか。すまんな」


 その後は何事も無く、夜が明けて朝になった。出発だ。


 翌日の夕方になって、カルコスの町が見えてきた、もうすぐだ。

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