対決 ドラゴン
「カエデ！ ドラゴンの意識を引きつけてくれてありがとう。ここからは任せろ」
「遅いわ！ まぁしゃあないか、ウチは疲れたわ。休ませてもらうで」
ドラゴンと真っ正面から対峙する。ドラゴンは空中にいるので大抵の冒険者は手が出ない。だからまずは地上に引きずり下ろす。
「マリ！ カレン！ 行けぇ！！」
ドラゴンの左右に武器モードの二人を送り込
「「せーのっ！！！」」
ドラゴンの翼を同時にぶった斬る。
「グワオォォーーーーー！！！！」
ドォォーーーン！！
ドラゴンがホバリングを維持できずに落下した。
怒れるドラゴンの口に魔力が溜まっていく。
「ルー！！ ブレス来るぞ！」
「承知です」
ドラゴンからブレスが放たれた。が、真っ正面から人間モードのルーが手を翳して吸収していく。
後方に被害は無かった。
「うーん！ 極上の炎‥‥‥、ご馳走様じゃった」
「今だっ、シルヴィア！！ 撃てぇ！」
ヒュッ！！
シルヴィアの放った矢はドラゴンの目に命中した。
「アンギェエエエーーーーーー！！！！」
目に矢の刺さったドラゴンが悶え苦しみ始める。
「！？ 目に刺さっただけなのに？」
「何が起きてるんや？」
俺のスキルで目に刺さった鏃を操作してみた。
ドラゴンは皮膚と鱗は鉄よりも硬いが体内の肉はそれほどでもない。鏃を錐揉み回転させて目の先、脳まで進めているのだ。
ドラゴンの脳の大きさに比べて鏃が小さいのでトドメには至らないのだが。
「アリス！！ 叩っ切れ！」
「エェーイ！！！！」
ハンジロー仕込みの「一の太刀」
ドラゴンの首が斜めにズレていき、やがて落ちる。身体も横に倒れる。
ズズーーーン！
「ドラゴンを‥‥‥、倒した？」
「「「うおおお！！！」」」
「うおぉ！！ やったやん！」
「ドラゴンを倒した！！」
他の冒険者や一般人、兵士などが一斉に集まった。
「あんた達、ごっついな！？ ドラゴン倒してまうなんて！」
「エルフの姐さんの弓すごっ！！ 弓の一撃であんなでかいドラゴン弱らせられるん？」
「あの首切った姐さんもドえらいモンやで！ ドラゴンの首なんか剣で切れるんか？ いや、切ってたけど」
すごい人だかりになってしまったな。
でもシルヴィアも受け入れてもらえそうな雰囲気かな？
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ドラゴンの首を落とした事で浮かれていてその場の全員が気付いていなかった‥‥‥。
ドラゴンの死体がそのまま残っている違和感に‥‥‥。
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