あやつりアウルム②
「武士の魂に何すんねん!?」
ハンジローの刀を魔族の手前に差し出す。
ハンジローに切られた部分の再生が終わると魔族は俺に指示を出してきた。
「ぐぬう、貴様も冒険者か‥‥‥? こいつも他の連中同様吹き飛ばしてやる やれぇ!」
「‥‥‥断る」
「「はぁ‥‥‥‥‥‥!? !!!!」」
ハンジローの刀を針金状に変えて再び魔族達を拘束していく、先程の鉄ロープで更に仕上げの縛り上げだ。
そしてフェネクスとかいうやつの方には鉄板で目隠しをつける。
「こいつらは俺が引き受ける。みんなはドラゴンの方を頼む。ハンジロー、刀はすまなかった。コレを使ってみてくれ」
ミスリルで作った刀だ。長さや幅は同じにした。
「いや、軽っ!! なんや、コレ?」
「ミスリルで刀を作ってみた」
「ミスリル!? どうりで軽いと思うたわ。調子出えへんかもしらんけど‥‥‥、任せとけ!!」
ドラゴンの方はずっとカエデが相手してくれていたようだ。
「な‥‥‥、何故『テンプテーション』が解けたのだ!?」
「さぁ? 俺にもよくわからんが‥‥‥」
気が付くと、母さんの形見のペンダントが光っていた。もしかしたら‥‥‥これのお陰かもしれない。後で落ち着いたら魔道具屋でみてもらおう。
「母さん‥‥‥、ありがとう‥‥‥」
魔族の方に向き直る。ほぼ全身縛られてイモムシみたいな魔族達、そいつらを先程落とした鉄柱の中に閉じ込める。
「くそっ!! 身動きは取れないが、我々が倒せるわけでもあるまい!?」
「我々の再生力、生命力を舐めるなよ!?」
「舐めちゃいないよ。だからこの状態でどこまで保つのか見てみたいじゃないか」
「おい‥‥‥? なんか熱くなってきたんだが‥‥‥?」
「そりゃそうだ。お前達のために温めているからな。遠慮なく温まってくれよ?」
魔族を包んでる鉄柱の温度は500℃を超えただろうか? 魔族にとってはまだまだぬるいくらいだよな? 上げていくぜ、融点ギリギリくらいまでな。
「熱っ!! おい、止めろ!!」
「熱ッ!! 熱ッ!! やば‥‥‥」
「遠慮するなよ? しっかり温まっていってくれよな?」
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「アウルム! 大丈夫なの?」
「アリス、すまなかったな。少しの間操られてしまった」
「どうやってあの魔法から逃れたの?」
「わからない‥‥‥、もしかしたらこのペンダントのせいかもしれない」
「‥‥‥そう? まぁ良いわ。魔族は?」
「今弱らせてるところだ」
「じゃあ先にドラゴンね? シルヴィアは?」
「ここにいるわ‥‥‥、またバレちゃったわね。ごめん、アウルム、アリス」
「何がだ?」
「え? この国でまたエルフだってバレちゃったでしょ? だからこの国に住むのは‥‥‥」
「いや、まだ挽回出来るかもしれないぞ。(ごにょごにょ)」
「えぇっ!?」
「いや‥‥‥、やってみる価値はあるわ。どうせならやってみましょ、シルヴィア?」
「えぇ‥‥‥、うん。やってはみるけど‥‥‥」
「よし、じゃあコレを使え」
「ミスリル製の‥‥‥矢?」
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魔神器三姉妹が地面に落ちていた。
俺のスキルで持ち上げる。
「おい、三姉妹!! いつまで寝てる!? いい加減起きろ!!」
「「「はっ!! 申し訳ありません」」」
「マリとカレンでドラゴンを地上に叩き落とす。ルーはドラゴンの正面で待機しろ」
「「「御意」」」
よし!! 行くぞ!
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