アウルム家? アウルム号?
「まぁまぁ、とりあえず入ってみましょうよ。それにしても面白い形ね。どこから入るのかしら?」
「ああ、そこに立って‥‥‥」
ニュアンっと不思議な音を立てて入り口が開く。開くと階段状になっている部分が動き出す。
前世でいうところのエスカレーターだ。
だがみんな乗ろうとしない‥‥‥?
「どうしました? こうして乗ってください」
「「階段が‥‥‥動いてる‥‥‥!?」」
あぁ、そうか。こっちにエスカレーターはないもんな。
俺に促されて、みんなおっかなびっくりで乗って上がって来た。
「これは‥‥‥、考えたら便利なものだな」
「階段が動いて上の階に運んでくれるんですものね」
「さすがアウルムね!」
いや、まだ入り口だけだから‥‥‥。
「中は‥‥‥暗くて何も見えない‥‥‥」
「あぁ、カレン。すまないが少し魔力をもらうぞ。そこに立ってその棒を握ってくれ」
「ご主人様、こう? ひゃっ!!」
パッ!!!!!!!!
一瞬にして明かりがつく。カレンの雷属性魔力を使って電灯‥‥‥じゃないな、魔力灯を作ってみた。
以前実験してた時にカレンがメタルスライムゼリーを触ったら発光したので研究した結果だな。
「「「!!!!」」」
「明るい!!」
「なんで火も使わず明るくなるの!?」
「まぁ、魔力を光に変換してるとでも言えば良いのかな? まぁ、そんな感じ。はい、次行くよ〜」
エントランスを抜けると廊下と階段が目に入る。部屋もたくさん作ってある。全てにおいて金属製だけど。
「シルヴィアとアリスはあとで好きな部屋を選んで。他の方はこちらにどうぞ」
まぁ家でいうリビングルームかな、広いけどね。と、言っても貴族の応接室ほどではない。
「とりあえず椅子を出しますね」
床から金属製のソファが現れる。金属製ではあるけど柔らかくしてある。
「‥‥‥座ってみると変な感じだな。感触は金属なのに柔らかくて‥‥‥」
「でも、座り心地良いわね、アウルム、これは公爵邸にも用意出来ない?」
「私がいないとただの金属のベンチになりますけど‥‥‥」
「そ‥‥‥、そうなのね‥‥‥。残念だわ」
ヒルダ様はガッカリしてしまったようだ。
スミマセン。
エントランスから声がする。
「ねぇ、ご主人様〜!! もう魔力吸われなくなったけど離しても良いの〜?」
どうやら充電がいっぱいになったようだ。
「あぁ、大丈夫だ。ありがとな、カレン! また頼むと思うけど」
「はーい、任せて〜」
「で、この船?家?は飛ぶのか?」
「もちろん、入り口を閉めてそろそろ行くか」
バタン!!
俺は内部にいればどこからでも閉められる。
「よし! 離陸します!!」
特に音もなく浮かぶ。まぁ俺のスキルだからな。
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