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報告

 作業終了報告のために王城に。

 アリスも待たせているしな。


「作業は終了致しました。陛下によろしくお伝えください」

「あぁ? アンタがアウルムさんかい? 陛下から来たら通すように言われてるんだ。どうぞ」


 えっ? あの王様、気安すぎるだろ‥‥‥。

 大丈夫なのか?



「おぉ!? アウルムよ! まさかもう終わったのか?」

「あ、はい。一応は‥‥‥」


「‥‥‥アウルムよ、一度余にそのスキルを見せてくれぬか?」

「あぁ、はい。では‥‥‥」


 ストレージから取り出した鉄の玉をいろいろと形を変えて見せた。

 皿のようにしたり、柱のようにしたり。


 そうだ、せっかくだからアレを作って差し上げよう。


 玉に戻した鉄を今度は細かく散らして集める。

 人の形を作っていく、陛下が剣を掲げている姿の鉄像だ、特別だからミスリル箔でコーティングすれば錆びることもなく長持ちするだろう。


 宙に浮いた陛下の像を陛下の元へゆっくりと運ぶ。陛下も思わず手を差し出していた。


「ではこちらをどうぞ、陛下」

「お、おぉ!!! これは余であるか? 素晴らしい!!」


 お気に召したようだ。


「アウルムよ、どうだ? アリス嬢とのこともあるし、この国で腰を据えて冒険者として働いてみぬか?」

「そう‥‥‥ですねぇ」


「お主のもう一人の妻はエルフだとか? 是非会いたい! 今度連れてきてくれぬか? 謝罪も込めて最大限のもてなしをさせてもらいたい」

「はい、それは聞いてみます」


「陛下はアウルムの事をかなり気に入ってらっしゃるのね?」

「国を救ってくれた英雄だからな」


「いや、その。そこが違和感しか無いのです。私のやった事は破壊行為です。国のシンボルとも言えような『タイタンの角』を勝手に引っこ抜いて本教会を破壊しました。国軍の象徴たる『戦艦グランホルスト』も破壊しました。犠牲者も大勢出た事でしょう」


 ずっと気になっていた事がようやく言えた。怒りや恨みを晴らすべくやりたい放題やった結果、魔族とは別に被害者も出たはずだ。


 でも、陛下は穏やかな目になってこう仰った。


「アウルムよ、其方は‥‥‥優しいのだな」

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