表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/144

村外れの少年 アウルム

こちらでも投稿始めました。

良かったら読んでください。

「父さん、遅いよ〜! 早く、早く〜!!」

「アウルム、急いでも川は逃げないぞ?」


「だって早く着いて遊びたいんだもん」

「ハハハ」


「そんなに急ぐと転ぶわよ〜!? アウルム」

「大丈夫だよ〜!」


 よく晴れた休息日、親子三人は川に遊びに向かっていた。


「おぉ、アウルム。おはよう。家族でお出掛けかい?」

「おじさん、おはようございます。これから川へ行くんだ!」


「おぉ、嬉しそうに。気をつけてな」

「はーい!」


ーーーーーーーーーーーー


 三人は川に着いた。水は綺麗で澄んでいて、魚もよく釣れる。


「よし、アウルム。父さんと釣り勝負するか」

「うん、負けないよ!」


 二人で釣り糸を垂らす。

 母親はお昼の準備、生活魔法で火を熾した。




「わぁあ、大きい! 引っ張られる〜」

「アウルム! 手を離すな、あっ!!」


 バッシャーーン!!!!


 二人とも川に落ちる。幸い川は浅く、流される事はない。


「ハハハ、濡れちゃったな〜」

「あらあら、焚き火をつけたから服を乾かしましょ」


「濡れてて、上手く脱げない〜」

「もう、しょうがない子ね。こんなに大きくなったのに甘えんぼで‥‥‥」

と、言いつつも母親は笑顔でアウルムの服を脱がしてあげる。


「もう来週は祝福の儀だしなぁ。本当に大きくなったなぁ」

「アウルムはどんな加護が欲しいの?」


 祝福の儀とはこの世界で12歳になった子が『才能』を教会でもらえる儀式の事だ。それは加護であったり、スキルであったり。


「父さんと同じ『農業』が良いかなぁ?」

「もっと良い加護だってたくさんあるんだぞ?」


「いや、父さんと畑仕事したいから‥‥‥」

「そうか、ありがとな。嬉しいよ」


ーーーーーーーーーーーー


 三人は夕暮れ前に帰宅した。この辺には街灯などもちろん無い。この村では太陽と共に寝起きするのが当たり前。蝋燭はもちろんあるが、必要な時しか使えない。お世辞にも裕福とは言えなかった。


 だが、そんな生活でも不便を感じた事は無かった。アウルムの心は満ち足りていた。


 帰り道空を見上げると月が二つうっすらと出ていた。


 この世界は『エウロパ』 地球によく似た異世界である。

面白い!!、続きが気になる!!と思った方はブックマーク、☆の評価をしていただけるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ